無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第69話 ルイス達VSバイルス・コート

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「この茶葉は実はサルディニア帝国でしか栽培されてないものなんだ。どうぞ召し上がって___」

ガタンッ

バイルスがメリア達にお茶を提供しようとした時、奥の部屋で物音がした。

「確認してくる。少し待っててくれ」

「(今の物音はきっとルイスだ…)」

「(バイルスさんがドアを開けた瞬間に奇襲を仕掛けるのよね…)」

バイルスがゆっくりとドアノブに手を伸ばす。

「「……」」

メリア達は息を飲み、今か今かとその瞬間を待ち望む。

バイルスの手がドアノブを捻る。

その瞬間___

「【縮地】!」

「【ウィンドエッジ】!」

「【ヘルフレイム】…」

「時雨丸!戦力解放!」

俺、メリア、アート、シシーの4人でバイルスに向けて一斉攻撃を放った。

「なるほど、そう来たか…ふんっ!」

バイルスは持ち前の身体能力で俺たちの攻撃を次々と交わしていく。

「どうした当たってないぞ!」

バイルスがメリア達の攻撃を避けている中、俺は機会を伺っていた。

今の避け方はフェイントか、今のは誘導している。

つまり、次の避け方は___

「ここだ!」

俺が振りかぶった時雨丸は、バイルスの腕を掠めた。

「本気の私に攻撃を当てるとはな」

「完全に腕を切り落としたと思ったんですけどね…」

今の攻撃で腕を切り落としたつもりだった。
それが間一髪で避けられた。

警備隊長、デスティザーク4thの実力を甘く見ていたようだ…

しかし、この戦闘では俺が圧倒的に有利だ。

思い出して欲しい。

俺がメリア達の訓練に着いて行った日、警備隊長であるバイルスと模擬戦をした時のことを。

あの日俺は自分の力を制限し、剣術だけで戦った。
それに比べバイルスは自分の職を明かし、能力を使って戦っていた。

すなわち、俺は相手の能力を知っているが、相手は俺の能力を知らない。

知識というのは戦いに置いて、最も重要な要素のひとつだ。

俺が模擬戦で全力を出さなかったのはこの時のためだ。

つまり、この戦いで勝つ可能性が高いのは俺ということだ!

「【ファイアバレット】【ウォーターバレット】【ウィンドエッジ】!」

「なに!?魔術だと!?」

バイルスは俺の魔術を見て驚く。

バイルスの反応見るに、案の定俺が魔術を使えるとは思っていなかったようだな。

「このまま畳み掛ける!
【フリーズ】!【ヘルフレイム】!」

俺はバイルスの足元を【フリーズ】で固め、動けなくなったとこに【ヘルフレイム】を放つ。

「ぐぅぁぁぁぁぁぁ!!」

【ヘルフレイム】はバイルスの左腕に直撃し凄まじい業火で腕を焼き尽くす。

「くそっ!調子に乗るなよ!【バインド】!」

バイルスの手から放たれた縄は、バイルス自身の焼きただれた左腕に巻き付く。

「なんとか動きそうだ。さぁ、戦いの再開と行こうか!」

バイルスは急に方向を変え、研究所の外へ出る。

「待て!」

「待ちなさい!」

俺たちは外へ逃げたバイルスを追いかける。

「私としては外の方が戦いやすいもんでね。着いてきてくれて嬉しいよ」

「俺としても外の方が戦いやすい。外で戦ってくれるのはありがたいね」

ははは、これじゃあまるで嫌味勝負じゃないか。

ここから本番と言ったところかな?

「そうだ、ひとつ言いたいことがあるんだが…」

バイルスは俺に何かを言おうとし、ポケットから何かを取り出す。

「これがなにか分かるか?」

「…アメ…?」

バイルスの手に握られていたのは、赤く膨大な魔力を含んだ小さな球体だった。

「それがどうしたっていうのよ!」

「模擬戦の時、力を隠してたのは何も君だけじゃないんだよ」

「なに!?」

「あの時私は薄々勘づいていてね、前に私の研究所に忍び込んだのは君だろう?」

まさか気づかれていたとは…
仮面をつけただけじゃ少し甘かったか?

「だとしたらどうなんだ?」

「答えは決まっているさ。
生かしておく訳にはいかない!」

バイルスは手元の赤い球体を飲み込んだ。

「この球体は『ザークドロップス』と言ってな、食べると筋力、魔力、反射速度、再生速度といったあらゆる能力が活性化されるんだ」

「摂取することで能力の活性化、1種の覚せい剤みたいな物か。
恐らく『薬剤師 有能級』の能力によって作られたもの。
つまり、デスティザークには『薬剤師 有能級』が着いているということか。
ルイス、他にも薬があるかもしれないから気をつけて!」

「わかった!」

さすがアート、その推理力にはいつも助けられているな。

その分俺も頑張らないとな!

「これを取り込んだ私には誰も勝てやしない!
【バインドスネーク】!」

バイルスの手から放たれた【バインドスネーク】は、以前見た時よりも素早く、巨大なものだった。

「【ヘルフレイム】!」

俺は縄を焼き尽くそうと【ヘルフレイム】を放つ。

しかし___

「なっ!?」

【バインドスネーク】は【ヘルフレイム】をものともせず突き進んでくる。

「まずい!」

【バインドスネーク】は俺に絡みつき離さない。

「終わりだ」

目の前にはバイルスが剣を振りかぶっている姿が映る。

避けられない…

【転移】を使おうとしても、唱えている間に斬られる。
これを食らったら致命傷は避けられないだろう。

俺はここで終わるのか?

バイルスの剣が俺を斬りつけようとした時___

「ルイス!」

俺の前に1人の少女が盾になった…


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