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第3章 世界編
第72話 切り替え
しおりを挟む俺は現実を突きつけられ絶望した。
「アオ…アオ…アオ…うわぁぁぁぁぁ!!」
なんでだ!?俺は運命を変えたはずだ…
俺が弱いから?俺がもっと強ければアオは死なずに済んだのか?
運命を変える方法が間違っていたのか?
じゃあどうすればよかったんだよ…教えてくれよ!
俺は叫びながら自分の行動を悔やんだ。
「ふぅーすぅーふぅー…」
俺は深呼吸をして冷静さを取り戻す。
「悔やんでも仕方がない…
アオのことは今どうしているんだ?」
「一応アオの身体は、シシーの魔法で燃やして森のわかりやすい場所に埋めたわ…」
「そうか…俺を後でそこに案内してほしい」
「分かったわ」
いつも元気なメリアが分かりやすく落ち込んでいる。
辛いのは皆同じだ。
こんな状況になったのも全てデスティザークのせいだ。
「デスティザーク…」
俺はデスティザークへの思いに拳を握りしめる。
デスティザーク…絶対に許さない。
俺が必ず滅ぼしてやる…
俺はこの日、デスティザークを滅ぼすと誓った。
翌日…
「ルイス、もう体調は大丈夫なの?」
「ああ、もう大丈夫だ」
俺はいつも通り朝食を摂る。
「なんか雰囲気変わったね!」
「そうか?」
「覚悟が決まったって感じするよ!」
「確かに…覚悟は決めたな」
俺は昨日誓ったことを思い出し、拳を握りしめる。
「アオのことでいつまでも下を向いてはいられない。
世界は可能性に満ちているんだ。もしかしたら、運良くアオを生き返らせる手段が見つかるかもしれない」
「確かにそうよね!」
「うんうん…」
俺は神だ。
神固有魔術にもしかしたら回復系の魔術があるかもしれない。
そのためにも俺は全てのダンジョンを攻略して力を全て取り戻さなければならない。
「それで、次に向かう国なんだけど…」
俺は予言書を開く。
「その本どうしたの?」
「これは…まぁその、旅のガイドブックだ!国のおすすめが書かれてたりしてて、次に向かう国を決めるなら最適かなって…」
「その本面白い文字で書かれているんだね。初めて見た文字だ」
アートが興味深く本を観察する。
「シシー!私のデザートも食べたわね!?返しなさいよ!」
「美味しかった…」
女子組は本に興味が無いらしく、デザートで言い争っている。
メリアがこの本に気づいてないようで安心した。
メリアならこの文字を読めるだろうからね。
さて、なんて書かれているんだろうか…
俺は本に書かれていることに目を向ける。
〈アオ・サトラムが死亡する。
その後君はみんなを連れてサルディニアダンジョンを攻略する。
攻略したあとはアクトル王国にでも行って身体を休めるといい。あそこの温泉は最高だからね。
ここで一旦、君にアドバイスだ。
このページを見てる頃はもうアオは亡くなってしまったあとだろう。
運命を変えたはずなのにと思っているかもしれないが、ピンポイントで運命を変えるのはこの俺でも難しい。
運命を変えるコツを君に伝授しよう。ただし、悪用はしないと誓ってくれ。
運命を変えるためには自分の腕を信じるんだ。
運命から遠ざけようと考えるのではなく、その運命と常に隣り合わせで軌道を修正し続けるんだ。
少し難しいかもしれないが、君ならできると信じている。
それと安心してくれ。ライクリック王国主催の武術大会に優勝すればアオを生き返らせることが可能だ。
アクトル王国の次はライクリック王国に向かうといい。〉
パタンッ
俺は喜びを噛み締めながらゆっくりと本を閉じる。
「あった…」
あったんだ…!アオを生き返らせる方法が…!!
待ってろ、ライクリック王国!
武術大会に優勝して、必ずアオを生き返らせてみせる!
「どうしたのルイス?随分嬉しそうじゃない?」
「そりゃ嬉しいさ!アオを生き返らせる方法が見つかったんだ!」
「ほんと!?」
「ライクリック王国の武術大会に優勝すればアオを生き返らせることが出来る!」
「武術大会…」
「それなら強くならないといけないわね!」
「次の目的は決まったようだね」
「次の目的は…ライクリック王国だ!!」
「「おおーー!!」」
俺、メリア、アートが拳を上に突き上げる。
シシーは…美味しそうにデザートを頬張っていた…
そして俺たちの次の目的が決まったのであった。
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いつも読んでくださりありがとうございます!
最近、2日に1話の投稿とさせて頂いておりましたが、余裕が出来たので毎日投稿を再開します!
長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
しかし完全な再開とはいかず、予定が合わない日などは2日に1話とさせていただくこともあるかもしれません。
これからもこの作品をよろしくお願いします。
ルイスたちを待ち受けるのは面白い出来事、そして衝撃的な結末!
是非お楽しみに!
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