無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第73話 墓参り

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パタンッ

俺は喜びを噛み締めながらゆっくりと本を閉じる。

「あった…」

あったんだ…!アオを生き返らせる方法が…!!

待ってろ、ライクリック王国!
武術大会に優勝して、必ずアオを生き返らせてみせる!

「どうしたのルイス?随分嬉しそうじゃない?」

「そりゃ嬉しいさ!アオを生き返らせる方法が見つかったんだ!」

「ほんと!?」

「ライクリック王国の武術大会に優勝すればアオを生き返らせることが出来る!」

「武術大会…」

「それなら強くならないといけないわね!」

「次の目的は決まったようだね」

「次の目的は…ライクリック王国だ!!」

「「おおーー!!」」

「もぐもぐもぐ…」

俺、メリア、アートが拳を上に突き上げる。
シシーは…美味しそうにデザートを頬張っていた…

そして俺たちの次の目的が決まったのであった。

「ご飯も食べ終わったし、早速出発しましょうよ!」

「その前に、ギルドで武術大会の開催日を聞いて、それからアオのお墓に寄っていこう」 

「そうね!」

「じゃあ準備が出来たら宿の外に集合だ」

「「了解!!」」



それから俺たちは再び旅立つ支度を終え、ギルドへと向かった。

「「「1週間後!?」」」

「はい…今から向かわれましても、ここからだと徒歩で2週間以上はかかります…」

「そんな…間に合わない…」

「それじゃあアオはどうなるの!」

まさか開催日が1週間後だったなんて…
もっと早く気づいていれば…とんだ失態だ。

武術大会を諦めることは…いや待てよ?

「みんなちょっといい?」

「どうしたのルイス?」

「何か策があるみたいな顔をしているな?」

「その通り!
実は俺の【転移】で移動できるの、行ったことがある場所だけじゃないんだよね!」

「相変わらずぶっ飛んだ能力だ…」

「移動できる場所なんだけど、目に写っている場所なら【転移】が使えるはずだ」

「じゃあライクリック王国に転移できるの!?」

「直接は無理だけど、アクトル王国を経由していけば1週間もかからないはず」

そう、俺の【転移】が使える範囲は、何も行ったことある場所だけでは無い。
目に見えていれば転移できるってネルフェが言ってたからね。

アクトル王国はここから見えるし、アクトル王国からはライクリック王国が見えるだろう。

「これでかなり時間短縮にもなったし、アクトル王国の温泉も楽しめる!」

「温泉!?温泉があるの!?
それは是非とも入りたいわね!」

メリアが目を輝かせる。

やっぱり日本人に温泉は欠かせないよね!

「じゃあまずはアクトル王国へ向けて出発だ!」

「「「おー!!」」」

「の前に、アオのお墓によっていこうか」

「そうね!」

そうして俺たち4人はアオのお墓に訪れた。 

サルディニア帝国を出て森の方へ歩くこと数分、石垣に囲まれた墓地があった。

「ここがアオのお墓だよ!」

メリアが小さな石碑が立てられた1つの墓を指す。

「アオ…」

俺は石碑の前に立ちしゃがみ込む。

俺に続き他のみんなもアオの墓の前でしゃがみ込む。



〈アオ・サトラム ここに眠る〉



「必ず…必ず生き返らせてやるからな…!」

俺は心の想いを、アオに届くように強く念じる。

「よし!じゃあアクトル王国へ出発しようか!」

「それなんだけど、私たちまだサルディニアダンジョンを攻略してないじゃない?
だから攻略してから行きたいなーって…」

「それは僕も思ったけど、攻略している時間は無いんじゃないかな?」

そうだった。
俺が攻略しただけなのに、みんなも攻略したと思っていた。

今からサルディニアダンジョンに向かうのは時間が足りない気がする…いや待てよ?

もしかしたら…

「もしかしたら行けるかも!みんな俺に掴まって!」

俺はみんなに手に掴まるよう指示する。

「こ、こうかしら?」

メリアは躊躇もなくガッツリと手を握り、俺とメリアの手が触れ合う。

「っ!?メ、メリア!?」

「ご、ごめんね!」

「い、いや、大丈夫だよ!」

びっくりした…!
メリアったらいきなり握ってくるもんだから…

「2人は仲良しだね」

「メリア照れてる…」

メリアに続きアート、シシーが俺の手を掴む。

「じゃあみんな行くよ!」

成功するかどうか分からない…

俺はイメージする。
サルディニアダンジョンの中、ボス部屋の扉の前…

「【転移】!」

「うっ!眩し___」

眩しさに目がくらむ。

次に目を開けた時にはサルディニアダンジョンのボス部屋の前だった。

「これが転移…すごいな」

「本当にサルディニアダンジョンの中だ!」

「すごい…」

上手く成功したみたいでよかった。

「さて、本番はここからだよ。
サルディニアダンジョンのボスはドラゴンだ。
最強の魔物だけど…僕達なら余裕だろうね!」

「任せなさい!」

「僕も前よりはかなり強くなったと思うよ」

「私も…」

「じゃあ開けるよ!」

俺はボス部屋の扉を押し開けた。


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