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第3章 世界編
第74話 サルディニアダンジョン(みんなで)
しおりを挟む「じゃあみんな行くよ!」
成功するかどうか分からない…
俺はイメージする。
サルディニアダンジョンの中、ボス部屋の扉の前…
「【転移】!」
「うっ!眩し___」
眩しさに目がくらむ。
次に目を開けた時にはサルディニアダンジョンのボス部屋の前だった。
「これが転移…すごいな」
「本当にサルディニアダンジョンの中だ!」
「すごい…」
上手く成功したみたいでよかった。
「さて、本番はここからだよ。
サルディニアダンジョンのボスはドラゴンだ。
最強の魔物だけど…俺達なら余裕だろうね!」
「任せなさい!」
「僕も前よりはかなり強くなったと思うよ」
「私も…」
「じゃあ開けるよ!」
俺はボス部屋の扉を押し開けた。
〈我は最強種のドラゴンである。
そんな我に人族なんぞが挑もうと考えるのか〉
「ドラゴンの皮膚の表面は硬いから腹の辺りを狙うといいよ。
俺はあんまり手出ししないから好きにやるといい」
「わかったわ!腹の辺りね!」
「いきなり飛ばしていくよ【テンペスト】!」
「【ヘルフレイム】…」
全く、相手はドラゴンだと言うのに怖気づく様子もなく突っ込んでいくなんて…
俺はみんなの行動に苦笑いを浮かべる。
〈ちょちょちょ!我の話を___〉
「【縮地】!」
ドラゴンの話を聞く暇もなくメリアが【縮地】で距離を詰める。
「はぁぁぁ!」
〈話を聞かないと言うならばファイアブレスぞ!〉
ドラゴンの喉元が光り、メリアに向けられる。
「私が本命だと思った?残念だったわね!」
「【ヘルフレイム】…」
「【ウィンドバレット】!」
〈なんぞ!?〉
シシーの【ヘルフレイム】がアートの【ウィンドバレット】によって加速される。
あれは俺がよくやる技!?
簡単そうに見えてかなり調節が難しい技なのに、2人ともやるな!
〈我にそんな弱っちい炎は効かぬ!〉
効かないと言いつつも【ヘルフレイム】を避けようと構える。
ファイアドラゴンは炎耐性が高いのは事実だが、【ヘルフレイム】ほどの超級魔術はやはり痛いのだろう。
〈遅いぞ!〉
ファイアドラゴンは加速された【ヘルフレイム】を華麗に交わす。
「それを待っていたわ!」
〈なぜにそこに!?〉
メリアはファイアドラゴンの避ける動作を予測し、避けた隙を狙って距離を詰める。
「【縮地】!」
油断したファイアドラゴンのお腹に【縮地】で潜り込む。
「終わりよ!はぁぁぁ!!」
メリアの剣は美しく華麗にドラゴンの腹を引き裂く。
さすが『剣帝 幻想級』だ…やっぱり剣ではメリアには敵わないな。
〈ぐぁぁぁぁ!!〉
ドラゴンは力尽き倒れる。
《2回目のクリアな為、クリア報酬は与えられません。
期間まで暫くお待ちください》
「やっぱり2回目は無理か」
分かってはいたけど、何も報酬ないのは少し寂しいな。
「大人しく期間まで待つか」
メリアたちは報酬を受け取る為に奥の祭壇へと進んでいく。
「やったー!」
「これはすごい!」
「わー…」
各々良さげな報酬を貰ったみたいだ。
後で何を貰ったのか聞くのが楽しみだな。
《クリア報酬の受け取りが完了したので帰還致します》
みんなの身体が光る。
光が収まると地上へ転移していた。
「ルイス!私スピードがものすごく速くなったわ!今ならルイスより速いかも!」
「僕は魔力増量が増えた」
「私も…」
みんないい感じに成長してていいね。
けれど、毎ダンジョン事に新しい能力を手にしていくのは神だけみたいだ。
逆に俺は魔力増量が増えたりスピードが上がったりはしていない。
「さてと、もうサルディニア帝国でやり残したことは無いし、次こそアクトル王国へ向かおう!」
「「おおーー!!」」
◆◆◆
「今年ももうこの時期か。毎年恒例のあれに参加しに行くか。
もしかしたらあのバカ弟子も参加しているかもな」
アスタリスト王国の冒険者ギルドにて、銀髪の女性が呟く。
「おい弟、お前も参加するだろ?」
「姉ちゃんが行くなら俺も行くぜ!」
「なら早速向かうぞ。ライクリック王国へ」
「おう!」
銀髪の兄弟は冒険者ギルドを後にし、ライクリック王国へ旅立った。
◆◆◆
「アクトル王国が見えたわ!」
「ここからなら上手く【転移】が使えそうだね」
「お水いっぱい…」
俺たちはアクトル王国が見えるよう、近くの山に登っていた。
「じゃあみんな俺の手に掴まって」
俺は右手を前に出し、みんなはその手に掴まる。
「じゃあみんな行くよ!」
俺はアクトル王国の城壁周りの、なるべく人が少ない場所を見つめイメージする。
「【転移】!」
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