無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第81話 本当の職

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「何よあんた!」

メリアが剣に手を添える。

「メリアだめだよ。ルールに書いてあったでしょ」

「ルール?」

「ほう、ガキでもそこはしっかり知ってるんだな」

「さっき名前書いた時に下にルールが書いてあったんだ。そこに、受付してから大会当日までは出場者との戦闘を禁ずるってね」

「それじゃあこいつは!」

「うん、煽って攻撃させて失格にさせようとしてたんだろうね。
悪いけど僕達は勝つためにここに来てるんだ。邪魔しないで貰えるかな?」

僕はボホルを睨みつける。

「眠ったガキに女の子2人も連れて王子様ってか?ふざけるのも大概にしろ」

「人に囲まれてカッコつけてる君に言われたくは無いね」

「んだとコラァ?」

お互い睨み合う。
体格ではボホルの方が数倍大きい。

「武術大会で勝負をつけようじゃねぇか?」

「僕と当たる前に負けるなよ?」

「上等だコラァ」

武術大会でこいつ当たるか分からない…
けれど、当たったら絶対に勝つ。

「メリア、シシー、夜ご飯を食べに行こう」

「そうしましょ!」

「ご飯食べる…」

僕達は受付場を後にし、夜ご飯を食べに宿へ向かった。



◆◆◆



「ルイス!起きて!」

「ん…」

メリアに身体を揺さぐられ俺は目を覚ます。

「お昼ご飯よ!」

目を覚ますと、俺の前には美味しそうな食事が並んでいた。

「ああ、ご飯か。運んでくれてありがとう」

「どういたしまして!それと武術大会の受付も済ませてきたわよ!」

「少し嫌な奴に絡まれたけどね」

アートが苦笑いで言う。

「嫌な奴?」

「ボホル・レーっていう熊の獣人だよ。前大会の優勝者らしい」

「ボホル・レーか…そいつには負けるわけにはいかないな」

何があったか分からないが、アオのためにもそいつには勝たなければならないな。

「あったりまえでしょ!」

メリアが自信満々に言い切る。

「ところでルイス、宿に着いたし職の件について教えてよ!」

「そうだったね。いいよ。【取り出し】」

俺は収納してあった神の欠片を取り出す。

「これは俺がアクトルダンジョンの報酬で手に入れた物だ」

みんなが俺の手にある神の欠片に注目する。

「すごく神々しい液体ね…」

「綺麗…」

「これを飲むと能力が手に入れられる感じかな?」

「その通り。そして、この液体の名前は『神の欠片』だ」

「「「神の欠片…!?」」」

神と聞いてみんなが驚きを露わにする。

「それってつまり…」

「もしかしてルイスは…」

「ルイスは神…?」

「そう。実は俺の本当の職は『神 神話級』なんだ」

「「「神話級!?!?!?」」」

神話級と聞き、またもやみんなが驚きを露わにする。

「とある昔話があるんだけど、昔、力の神が力を制御できなくなったらしいんだ。そしてその力を抑えるために、8つに分けてダンジョンに封印したという」

「それじゃあその神の欠片って言うのは…」

「その時に封印された力のことだろうね」

「じゃあルイスは力の神ってことになるんだね」

「そういうことだ」

俺はみんなのことを信じ、反応を待つ。

「なんか、私たちが思ってるよりも壮大な話だったわね…!」

「え?」

「僕も幻想級とかだろうと思っていたけど、まさか神話級でさらに力の神様だなんて思ってもいなかったよ」

「すごくびっくりした…」

「でも流石ね!神って分かったらルイスに勝てるかどうか自信なくしちゃいそうだわ!」

やっぱり、神だと知って俺との境界線が引かれてしまうのか…

けれどみんなにはずっと仲間でいて欲しい。
そのためにも…!

「みんなにお願いなんだけれど…俺の職は『神 神話級』、でもそんなの気にせずにこれまで通りに接して欲しい…」

俺が1番恐れていること…
それは、職を打ち明けることによってこの関係が崩れてしまうことだ。

神と知り、今まで通りの対等な関係が築けなくなってしまうのは避けたい。

職関係なしに友達としてみんなには接して欲しい。

しかし、それをするのはすごく難しいことだと思___

「そんなの当たり前よ!」

メリアが俺の頼みに即答する。

「ルイスが神だとしても、ルイスはルイス。僕たちの仲間だよ」

「神が仲間…!」

シシーが自慢げに胸を張る。

「みんな…!」

俺は自然と涙が零れてくる。

「これからも頼りにしてるわよ!」

「ルイスにはずっと親友でいて欲しいからね」

「ルイスはいい仲間…」

「みんなありがとう…!」

良かった…
みんなと旅をすることが出来て…!

「これからもよろしく!」

俺は涙を拭い前を向く。

「任せなさい!」

「もちろん!」

「よろしく…」

メリア、アート、シシーでルイスを取り囲んで微笑んだ。


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