無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第90話 特別報酬

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「ほう?それは私よりもですかね?」

バイルスがボッパーを睨みつける。

空気が変わった。

返答を間違えでもすれば一瞬で噛み殺されてしまいそうな、そんな捕食者の目だ。

「シベルト様の方が___」

シベルト様の方がお強いです、そう口にしようとした時、ライクリックダンジョン攻略のことを思い出す。

ルイスがジャイアントモンキーコングに放ったあの一撃。

果たして、シベルトはあの一撃を耐えられるのだろうか…

ボッパーは心の中でそう考えた。

「___いえ、やつの必殺とも言える奥義を食らったら…」

ボッパーはシベルトの様子を伺いながら慎重に言葉を選ぶ。

「シベルト様でも無事ではいられないかもしれないですウキ…」

「そうですか…やはりレベルエンハンスだけでは足りませんか。しっかりと策を練ねばなりませんね。
引き続きやつらとの接触を測ってください。頼みましたよ」

「ウ…ウキッ!」



◆◆◆



「うっ…いてて…」

身体を痛めながらも俺は目を覚ます。

「あっ!ルイス起きた?」

メリアの声、そして甘い香り、定期的に身体に振動が伝わる。

「メリ…ア!?」

俺はゆっくりと目を開けると、今の状況を理解した。

俺は今、メリアにおんぶされてる!?!?

「メリア!俺もう歩けるから!」

「だめよ!疲れてるんだから大人しくしてて!」

「…はい…」

あっさりと言いくるめられてしまった…

「ところで、これは今どこに向かってるんだ?」

空を見た感じは朝だ。ん?朝…?
ということは俺はあの後、次の日までずっと寝てたのか!?

まじかよ…寝すぎだろ俺…

それよりも、メリアたちは気のせいかすごく嬉しそうだ。
何かあったのだろうか?

「実は、昨日レベルエンハンスしたダンジョンをクリアしたことで、特殊な報酬を貰ったんだよね」

「特殊な報酬?」

そういえば、ダンジョンアナウンスがそんなこと言ってたような気がするな。

「そう、この魔道具だよ」

アートが手にある杖を見せてくる。

それによく見れば、シシーとメリアも新しい杖と剣を持っている。

「新しい相棒に慣れるために魔物討伐に向かっているのよ!」

「相棒…」

アートの杖の先端には、風魔術と聡明さを表すようなエメラルドグリーン色の宝石が嵌め込まれている。

逆にシシーの杖の先端には、炎魔術と静けさの中に秘められている活発さを表すようなオレンジ色の宝石が嵌め込まれている。

メリアの剣は細く鋭い刀身、軽さを重視した繊細な作り、美しいという言葉がぴったりなレイピアのような剣だ。

「みんなすごく似合ってるよ」

「ほんと!?ありがと!」

メリアがすごく嬉しそうに笑う。

しかし、何か足りないような…

………俺は?
意識は朦朧としてたけれど、確かにアナウンスで言っていた。
だから俺も特別報酬とやらを手に入れたはずなんだけど…?

「あのー、俺の報酬とかってあったり…する…?」

「あっ!あるわよ!」

メリアがバッグの中に手を入れる。

やっぱないわけないよな!
さぁ俺のはどんな相棒なんだろうか!

「はい!これ!」

「ありが…とう…」

メリアの手に乗っていたのは剣でも杖でもなく、神の欠片だった。

くそー!
俺にもかっこいい相棒ができたのかと期待しちゃったじゃないか!

「これ以外に報酬とかってなかった?」

「んーなかったわよ!」

「そっか…」

え、本当にないの!?
俺だけ報酬なし!?

「さっ、ここら辺でいいわね!」

「ちょうど開けてていい練習が出来そうだね」

「早く試したい…!」

報酬のやり取りをしていると、森のちょうどよく開けた場所に到着した。

「ルイスは疲れてると思うから、神の欠片でも飲んで休んでてね!」

「いや、俺は観察してるよ」

「だめよ!」

「うーん…わかった」

なんかメリアに簡単に言いくるめられてる気がする。

神の欠片を飲むと意識を失ってしまうが、メリアがどうしてもというのなら仕方ないな。

俺は神の欠片の蓋を開ける。

「今回はどんな能力なのかな…?」

俺は神の欠片を飲み干した。



「ルイストリア様、ご無事で何よりでございます」

「ネルフェ…やっぱりまた存在感が強くなった?」

「ルイストリア様がお力を取り戻されたからです」

全部力を取り戻したらネルフェが現実世界に来たりして…?

「それよりも、今回手に入れた能力はどんな力なんだ?」

「今回手に入れられたお力は【複合魔術】です」

「【複合魔術】!?」

これまた強そうなのが来たな!


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