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第3章 世界編
第92話 武術大会(2)
しおりを挟む「トーナメント表どんな感じになっているかな?」
「ルイスと初戦で当たるのは嫌よ?」
「なんでよ!」
「だってルイス強すぎるんだもん!」
「僕もルイスと当たるのは嫌かな…」
「みんなして…!」
「「あははは!!」」
朝から元気なのはいいが、気が抜けないようにしないとな。
「見えたわよ!」
メリアの指差す先にはトーナメント表が張り出されている。
「でも結局優勝するのはルイスなわけだし…」
「そんなことは無いかもしれないよ…?」
俺は見つけた。
ある人物の名前を…
「おっ!やっぱり居たじゃねぇか!」
「おいルイス、見ない間にすっかり大きくなりやがったか?」
後ろを振り返ると、そこには___
「ヘルバーさんに、アシュー師匠!?」
「久しぶりだな」
「お久しぶりです!」
「やっぱり参加しているだろうと思ってたぜ!」
驚いた…
まさかこんなところで2人に出会えるなんてな!
ヘルバーさんは以前より強くなっているだろうな。
そして問題はアシュー師匠だ…
アシュー師匠に勝ったことは今までで1度もない…
これは優勝できるかどうか怪しくなってきたぞ…
「この方たちはルイスの知り合い?」
後ろにいたアートが声をかけてくる。
「おっ!ルイスの仲間か?
俺はルイスの冒険者仲間のヘルバーだ!よろしくな!」
「僕はルイスのパーティーメンバーのアート・レインです!よろしくお願いします!」
「私はメリアよ!同じくルイスのパーティーメンバーよ!」
「…私はシシー…よろしく…」
「私はアシューラント、ルイスの師匠だ。よろしく頼む」
「「ルイスの師匠!?!?」」
「まさかルイスに師匠がいたなんて初耳だわ!」
「子供の頃鍛えてもらったんだ」
「あの頃はまだまだガキだったな…少しは強くなったか?」
「すごく強くなりましたよ!」
「そうか、それは楽しみだな」
「優勝は譲りませんからね!」
「私とルイスが当たるのは決勝だな」
トーナメント表に目をやる。
アシュー師匠は1番左、俺は1番右。
お互い勝ち進めば当たるのは決勝戦…
「負けませんよ!」
「私たちも負けないわよ!」
この武術大会、すごく面白くなってきたな!
簡単にトーナメント表を説明すると、参加人数は16名。
1番左にアシュー師匠、その4つ隣にヘルバーさん、さらに6つ隣にアート、そしてアートの隣にシシー、その隣にメリア、そして1番右に俺といった感じだ。
正直、メリアやアート、シシー、俺の4人が右のリーグに集まっているのは運が悪い。
アシュー師匠とヘルバーさんは左のリーグだ。
「いきなり初戦はシシーだね」
「アートには負けない…!」
「僕も負けないよ!」
「私の初戦は…025?変な名前ね!」
「俺の初戦はニンジョリって人だ」
聞いたことない名前だし、初戦は警戒しないでも大丈夫だろう。
「これからルールを説明致しますにゃー!」
猫の獣人が台の上に立ち注目を集める。
「ルールは主に3つにゃ!
まず、武器や防具、杖などの制限は無いにゃ!ただし、相手に致命傷を与えた場合は失格とするにゃ!相手に致命傷を与えずに降参させることが勝利の条件にゃ!」
降参させればいいのか。
それなら思ったよりは簡単そうだな。
「2つ目は場外に出たら失格にゃ!判定は空中もあるから気をつけるにゃ!
3つ目は使用可能な魔術は上級魔術までにゃ!超級魔術を使用した場合失格にゃ!威力が上級魔術を超える能力も禁止にゃ!
以上がルールにゃ!」
思ったよりも緩い感じだな。
【複合魔術】は超級を超えなければギリセーフかな?
昨日、夜中に【複合魔術】の組み合わせを試行錯誤して眠れなかったんだよね…
初級から超級まで組み合わせのパターンがありすぎて、有用なやつに絞るが大変だったな。
まだ実際には使ってないからどんな感じになるのか楽しみだ!
「それでは控え室に移動をお願いするにゃ!」
猫の獣人に誘導され、選手たちは控え室へと移動する。
「自分の出番が来るまでは、この控え室からでにゃいことにゃ!
相手選手の試合観戦はだめにゃ!」
「えー!それじゃあルイスたちの試合見れないじゃないの!?」
「戦うまでは相手の実力は分からないってことになるね」
対策できないように他の選手の試合が見れないってことか。
公平性はしっかりしているみたいだな。
「それでは第1回戦1試合目___」
1試合目はアシュー師匠が難なく勝ち進んだ。
早く終わりすぎて相手が可哀想になるくらいだったよ。
それから3試合目もヘルバーさんが順調に勝ち進み、迎えた6試合目。
「第1回戦6試合目、アート選手とシシー選手は会場へお越しくださいにゃ!」
「行ってくるね」
「2人とも頑張ってね」
「シシー負けちゃダメよ!」
「頑張る…」
それぞれの杖を握りしめ、2人は会場へ向かった。
「私御手洗に行ってくるわね!」
「ああ、いってらっしゃい。
さてと…」
1人になってしまった…
そういえば最近予言書の存在をすっかり忘れてたな。
ちょうど暇だし、待ち時間に少し読もうかな。
俺は久しぶりに予言書を取り出し、どこまで呼んだか記憶を頼りにページをめくる。
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