無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

文字の大きさ
100 / 140
第3章 世界編

第100話 武術大会(10)

しおりを挟む



そっちから攻めてこないのであればこっちから攻めるまでだ!

「行きます!【多重詠唱】【ファイアランス】×5!」

【ファイアランス】が同時に5本出現し、一斉にアシューに向かって放たれる。

「ふん!」

【ファイアランス】がアシューに直撃しようとした時、なにかの力によって打ち消される。

「ルイス、私の魔術を忘れたか?
こんな軽い魔術じゃ私に届きすらしないぞ」

「まだ本気は出していないので安心してください」

「一気に魔術を使って魔力は大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ」

あいにく2回戦目と3回戦目が棄権になっているから、魔力は有り余っているんだよね。

「それじゃあそろそろ本気出しますよ!」

「お前の本気は楽しみだな」

時雨丸の力を解放して剣で戦うのもなしでは無いが、速度では向こうが有利すぎる。

ここは魔術で攻めるのが妥当だな。

ならば、俺が昨日徹夜して考えた複合魔術を見せる時が来た!

「【複合魔術】【ミスト】!」

俺の手から霧が溢れ出す。

【ミスト】は【ファイアバレット】と【ウォーターバレット】を複合させ、水蒸気を作り出す技だ。

ちゃんと魔術として確立したことで、前よりもさらに霧が濃くなった。

でも1つだけじゃ闘技場を覆い尽くすのは難しいな。

「【多重詠唱】【複合魔術】【ミスト】×10!」

俺の手から先程とは比べ物にならない量の霧が溢れ出す。

「視界を奪う作戦か」

俺の発動した【ミスト】はあっという間に会場を包み込んだ。

「これじゃあお前も私の位置が分からないんじゃないか?」

「さて、それはどうでしょうかね?
【複合魔術】【サーチ】!」

僅かに光を纏った風が会場に広がる。

【サーチ】は【ウィンドバレット】と【ライトバレット】を複合させた魔術だ。

その効果はなんと…

アシューの身体が僅かに光を放つ。

「なるほど…これはしてやられたな」

その光は、霧の中で存在を示すには十分明るかった。

このとおり【サーチ】の効果は、風に触れたものの身体が僅かに光るってことだ。

【ウィンドバレット】を薄く広げるのに苦労したが、成功したみたいでよかったな。

「これで俺が有利になりましたね!」

「そうか?実は私もかなり力を上げてな…ふん!」

「重っ!?」

急に身体が重く感じる。

「重力魔術の範囲がだいぶ広がったんだよ。この中で動くことはできないだろう?」

「なめて…もらっちゃ…困りますよ…!」

アシュー師匠が範囲を広げているだろうとは予測していたけれど、こんなに重力を保ったままだなんて…

やっぱりこの人は流石だな…

この重力の中で動けないことは無いが、早めに決着をつけないと体力が無くなってしまう。

一気に決着をつける!

「【転移】!」

俺はアシューの真後ろに転移する。

「後ろか」

「【転移】!」

アシューから瞬時に放たれた拳を転移で避ける。

「お前は動きが鈍くなり、私は軽くなっている。
近接で挑んできて勝てるとでも思っているのか?」

「ええ、俺にとってそれは関係ありませんからね」

むしろ利用できるから好都合かもしれないな。

次が最後の転移…

霧の中、必殺とも言える魔術を放てばアシュー師匠に勝つことは可能だろう。
しかしそれはこの大会のルール違反だ。

じゃあどうやって倒すかって?

「【転移】!」

ピタ…

アシューの背中に俺の手が触れる。

アシュー師匠は重力魔術の使い手。
普通は自分を重くするなんてことはしない。
軽くして速度を上げるのが当たり前だ。

俺はそれを逆手に取る。

この武術大会の為に考えた新しい【複合魔術】…
対アシュー師匠と言ってもいい程だ。

「吹っ飛べ!【多重詠唱】【複合魔術】【エアプレス】×10!!」

俺の手に勢いよく風が集まる。
そして集められた風は、1方向に向かって勢いよく押し出された。

重力を軽くしていたアシューは、いとも簡単に【エアプレス】によって場外へと飛ばされていく。

「くっ…そういうことか…」

アシューは咄嗟に自分の重力を重くする。

しかし___

「ああ…これはやられたな…」

アシューの片足は闘技場の外に着地をしていた。

「やっと霧が晴れ…あれ?」

「ありゃ場外じゃねぇか?」

「な、な、な、なんと!決勝戦、アシュー選手は場外に出たため負けとなります!
よって優勝は…ルイス選手です!!」

「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」

「最後はどうなったか見えなかったが、あの鬼みてぇな人を倒したぞ!?」

「あのガキやるじゃねぇか!」

「ふぅ…」

勝てた…勝てたぞ…!
俺はアシュー師匠に勝ったんだ!

「ルイス、腕を上げたな」

「アシュー師匠だってなんですかあの範囲、チートですよ!」

「お前の方がチートだ」

「いてっ!」

アシューが俺に軽くチョップをする。

「お前を弟子に持てて誇らしいぞ」

「俺もアシュー師匠の弟子になれて嬉しいです!」

「あはは、そうかそうか」

アシューは笑ってその場を後にした。

その後は表彰台が運ばれ、俺は表彰台の近くで待機させられた。

「それでは表彰式を行いたいと思います!」

「ついにか」

ついにあの伝説の薬を手に入れられる!
しかし、手に入れてからが問題だ…

どっちに薬を使うのか…

これはしっかりと悩んで判断しないといけないな。

「優勝者はルイス選手!
これが優勝報酬の『伝説の薬』です!」

伝説の薬が俺の手に渡された。

___その瞬間

「おい!魔物が攻めてきたぞ!!」

こんなタイミングで襲撃だって!?


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

町工場の専務が異世界に転生しました。辺境伯の嫡男として生きて行きます!

トリガー
ファンタジー
町工場の専務が女神の力で異世界に転生します。剣や魔法を使い成長していく異世界ファンタジー

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...