無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第112話 最強の武器職人

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「『伝説の薬』だぁ?済まないが聞いたこたぁねぇな。
うちでは取り扱ってないから他あたってくれぃ」

「そっかー」

「どうだったアオ?見つかった?」

「ううん。聞いたことがないらしいよ。
やっぱりすごく珍しいのかなー?」

まぁ、預言書通りか…
そもそもそんな簡単に出回っている物じゃないようだな。

「他にもお店があるしとりあえず手当り次第当たってみよ___」

「___待ってくれ兄ちゃん!!!」

「…え?」

薬屋の店主が勢いよく俺を呼び止める。

「どうしたんですか…?」

俺は驚きながらも振り返る。

「うーん…」

店主は悩ませた顔をしながら、ある一点を凝視する。

俺の腰、正確には俺の腰につけてある時雨丸のことを…

「兄ちゃん…その剣、只者じゃないだろ?」

もしかしてこれは!?
予言書が言っていたハプニング発生か…!?

「どうしてそう思ったんですか?」

「俺はこれでもドワーフの端くれだ。武具の善し悪しを見極める目は衰えておらん」

やはり最高の武具職人のドワーフ族から見ても、時雨丸は別格に見えるようだな。

変に狙われたりするかもしれないし、【収納】で閉まっておくべきだろうか…

「まぁ、その剣についてはあまり深く詮索しないが、お前さんに会わせたい人物ができた」

「俺に会わせたい人物?」

「パメリア共和国最強の武器職人、古匠ガーフナーだ」

「ガーフナー…?」

「ガーフナーってあのガーフナー!?」

ガーフナーという名を聞いたアートが目を丸くする。

「知っているのかアート?」

「知っているも何も、その人が造った武器は、王都でどの武器屋にも必ず目玉商品として並ぶ程有名な鍛冶師だよ!」

「そんなすごい人なのか…!?」

「ガーフナーは俺らドワーフの中でも別格の存在だ。
それに奴は知識が豊富だからな。お前さん達が探している『伝説の薬』なるものも知ってるかもしれねぇな」

「最強の武器職人!是非会いに行こうよ!」

「なるほどな」

預言書の内容に納得がいった。
時雨丸を腰に付けておくのは、ガーフナーと出会うための条件だったって訳か。

「そういうことなら早速そのガーフナーとやらに会いに行こうか」

「ガーフナーの工房は、この道の突き当たりを右に進んだところに、ジョウシキトウって書かれた看板のところだ。
あいつはあまり人族に会いたがらない性格だが、兄ちゃんの剣を見れば飛びつくだろうな」

「ありがとうございまーす!
早速向かおうよ!」

「あのガーフナーに会えるなんて…!」

最強の武器職人ガーフナー、一体俺たちにどんな利益をもたらしてくれるのだろうか…!

そして俺たちは薬屋の店主に言われた通り道を進んだ。

「どんなところに住んでるのかなー?」

「…お金たくさん…豪邸…?」

「あのガーフナーならそれも有り得るだろうね」

〈主!なんか変な感じなのじゃ…〉

(時雨丸?どうしたんだ?)

普段なかなか自分からは話しかけてこない時雨丸だが、この時は珍しく話しかけてきた。

それに変な感じとか言っているし、何か問題でもあったのだろうか…?

〈なんか懐かしい感じがするのじゃ…
ずっと昔、この土地に来たことがあるような…いや、それよりももっと馴染みの深い感じじゃ…〉

懐かしい感じ?
時雨丸は元々は予言書の作成者である田中義一たなかよしかずさんの相棒だったから、その時に1度訪れたことがあったのかな?

(田中義一さんと来たことがあるのかもしれないね)

〈…そうかもしれないの…〉

時雨丸は納得していない様子だったけど、パメリア共和国に居るうちに何か思い出すかもしれないな。

時雨丸のことは一旦様子見でいいか。

「ねぇもしかして家ってこれじゃないよね…?」

突き当たりを右に進んだところに、1軒のボロい家を見つけた。

「ジョウシキトウ?って書かれた看板もあるし、ここで合っていると思うよ」

「こんなボロボロの家に、最強の武器職人が住んでいるの?」

「とりあえず中に入ってみれば分かるだろう」

俺は木が禿げた扉に手をかける。

「ごめんください…」

軋む音を立ててゆっくりと扉が開く。

カンッ…カンッ…カンッ

奥から金属を叩く音が響く。

「すみませーん!ガーフナーさんいますかー?」

カンッ…カンッ…カンッ

アオの声が聞こえたのか、叩く音が止み、こちらへ向かう足音がする。

「わしが今作業してるのがわからんのか!
ミスでもしたらどうしてくれ___………」

ガーフナーは何かを見ると急に黙り込んだ。

「お前さん…そのは…!!」


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