無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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最終章 デスティザーク編

第127話 侵略の予兆

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メギオールは俺の肩に手を回し、メリアに聞こえないようひっそりと話す。

「はい、なんでしょうか…」

「ルイスくんとメリアは両思いなのなのかね…?」

「なっ…!そんなわけ___」

「___私の娘が気に入らないのかね…?」

「…!いえ、そんなことは…!」

「なら両思いなんだね…?」

「…はい…」

全くいい性格してるよこの人!
これじゃあ完全にこの人の思惑通りじゃないか!

「実は近くに別荘があるんだ。俺の大切な娘を頼むよ、ルイスくん」

「…?はい…」

別荘があるって言われてなんか頼まれたんだけど、それってそーゆーことだよね?
メギオールさん流石に俺に信頼置きすぎじゃないか?

一体今夜はどうやるのやら…

「ルイストリアくん、私はメリアの母アイシス・フォン・ユメツリオよ。よろしくね」

「ルイストリア・フールです。よろしくお願いします」

この人がメリアの母…流石と言っていいほど美人だ。
長い黒髪に整った顔立ち。メリアの美しさはこの人譲りってことか。

「それでお願いがあるわ!
旅で疲れてるルイスをこのお城に泊めて欲しいの!」

「でもこの城じゃ雰囲気もそうだし、居心地が悪いだろう。
近くにいい別荘があるんだ。そこならゆっくり過ごせるだろう」

メギオールさんさすがに露骨過ぎないか!?

「確かにそうね!」

メリアは鈍感すぎ!

「頼むわねルイストリアくん。うふふ」

アイシスは俺に向かって微笑みかけた。

今の笑みにたくさんの意味が込められていた気がする…

そうして俺は、メリアと2人で別荘に泊まることになった。

こんな状況、緊張して寝れないだろ!!



◆◆◆



「ふむ、ここがユメツリオ王国ですか…」

ユメツリオ王国の正門前、黒いコートを纏った一人の男が近づく。

「ユメツリオ王国内に入るには身分証をご提示ください!」

「身分証…今はそんなものが必要なのですか…」

「冒険者カードや団体の紋章、無ければ通行料を払うことで仮身分証を発行できます!」

「これで通れるでしょうか?」

男は懐から歪なマークが描かれた石版をとりだす。

「このマーク…(どこかで見たことがあるようなないような…でも見たことあるってことは紋章一覧に入っていたってことだよな…)
通って大丈___」

「___待て」

兵士が許可を出そうとした時、何者かが止めに入った。



◆◆◆



「師匠、担いでくれるなんてさすがだぜ!」

「これが1番早いからな」

アシューはハリーを担ぎ、重力を弱めて猛スピードでユメツリオ王国へ向かっていた。

「もうそろそろ着くぞ」

「師匠、先着がいるみたいだ」

門の前には、門番と黒いコートを纏った男が何やら話をしていた。

「あいつどこかで見たような…」

「ハリー、早く降りろ」

「うおっ!っと」

アシューはハリーを投げ飛ばし、ハリーは華麗に着地した。

「ありゃ身分証がないみたいだな。仮身分証を発行するのに少し時間がかかるし待つことになりそうだぜ」

「そんなに急いではないから問題ない」

アシューとハリーは男の後ろに並び順番を待っていたその時___

「___これで通れるでしょうか?」

「「っ!?!?」」

男が懐から取り出した紋章を見て、アシューとハリーの表情が変わる。

「師匠、あの紋章…」

「ああ、見間違えるはずがない…」

「この紋章…通って大丈___」

「___待て」

兵士が許可を出そうとした時、ハリーが止めに入った。

「あなたは?」

「俺はアスタリスト王国騎士団所属、第1部隊隊長ハリー・フールだ」

「たっ、隊長様!?これは御無礼を!」

「ああ、お勤めご苦労。それよりお前少しこっちに来い」

「はい!」

ハリーは兵士の肩を組み、小声で囁く。

「今すぐに応援の部隊を呼んでこい」

「そっ、それは何故ですか?」

「あの紋章は…デスティザークのものだ」

「デッ、デスティザーク!?!?」

「バカッ!声がでかい!」

「あっ、すみません…」

「とりあえずわかったか?」

「はい!任せてください!」

兵士は背を向け街の中へと入って行く。

「何か問題でもありましたか…?」

「いえ、これからはこの私アスタリスト王国騎士団所属、第1部隊隊長ハリー・フー…ル…っ!?!?」

ハリーの顔が一段と険しくなる。

「おや?貴方どこかで___」

「俺はお前の名前も顔も忘れてない…!デスティザーク3rd、シベルト…アッカー…!!」


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