無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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最終章 デスティザーク編

第131話 デスティザーク1st、2nd

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「地獄で…」

アシューが高く飛ぶ。

〈我に何をする気___〉

上空のアシューが不自然な速度でドラゴン目掛けて落下する。

「後悔するんだな!」

落下の勢いのまま、ドラゴンにとてつもなく重い拳を叩きつけた。

〈ぐ…は…〉

ドラゴンが光に包まれる。

〈我はもう…戦えぬ…〉

一言言い残し、ドラゴンは光に包まれ散った。

「戻されてしまいましたか…」

「相手の実力を探っていたのはお前だけじゃない。
ここからは私も本気でいかせてもらう」



◆◆◆



「メ…リア…?」

メリアが斬られ血まみれで倒れる。

「メリア!?メリア!返事をしてくれ…!」

これじゃあ、夢と同じじゃないか!
どうして俺はこうも無力なん…だ…?

違う!今の俺は夢とは違う!
力があるじゃないか…!メリアを救う力が!

「【神の】!」

緑の光がメリアを覆い、傷口が塞がっていく。

「ん…今…誰か私の名前を…」

「メリア!」

「ルイス…今、私の名前を…」

「ああ呼んだ!メリア!」

「ルイス…ありがとう…!
(意識が朦朧としていた中、めぐみって呼ばれた気がしたけれど気のせいね…)」

「メリアは少し休んでいてくれ」

「いえ、もう大丈夫よ!私も戦うわ!」

「わかった。無理はするなよ」

「任せなさい!」

俺とメリアは剣を構える。

一体、この怪物の正体はなんなんだ…!

黒く太い手足に鋭い鉤爪、しかしそこはかとなく人間の気配が感じられる。

「お前は一体何者だ…!」

「俺様かぁ?」

「喋ったわ!?」

喋れるということはやはり元人間…
あの感じは前にも見たことがある。

「お前…キメラだな?」

「ほうぅ…知ってるのかぁ。でもなぁ、俺様をアイツらと同じにされちゃぁ困るなぁ」

「どういうことだ?」

「ひゃっひゃっひゃっひゃっ!」

怪物は俯きながら不気味に笑う。

「俺様はぁ、デスティザークの創設者であり1st、ティフィラス・ザークだぁ!」

「1st!?」

「創設者!?」

まさかこいつが1stだと!?
1stがどうして俺たちを…
そもそも1stの職は『キメラ生成者 幻想級』なはず…こんな身体能力ありえな___まさかこいつ自分を改造したのか!?

「はは、とんだマッドサイエンティストだな…」

「気づくかぁ?俺様の手足にぃ…」

「何がだ?」

「俺様の手足の筋肉はなぁ、お前が殺したバイルスの筋肉を使ってるんだぁ」

「バイルス…」

バイルスはサルディニア帝国で俺が倒したデスティザーク4thのことだ。
死体が無くなっていると思っていたらそういうことだったのか…

「どうしてそこまでして俺達を狙う?」

「俺様がぁ狙っているのはお前、ルイストリアだぁ」

ティフィラスは大きな鉤爪を俺に向けて指差す。

「俺…?」

「神ルイストリアァ…俺はお前を殺して神の力を得るんだぁ!!」

一気に殺気が強くなった…!
こいつら、俺が神だと気づいたのか…

「そうか…なら殺せるもんなら殺してみろよ。今の俺は完全体だからな」

この完全体の状態なら、負ける気がしない!

「2対1よ!こっちが有利に決まってるでしょ!」

「2対1…果たしてどうかなぁ?」

「僕のことも忘れないでよっ」

突然、子供がティフィラスの後ろからひょこっと飛び出す。

「いつから…!?」

「お前は誰だ!」

「僕はねっデスティザーク2nd、マロン・ケミカルだよっ」

「2nd!?この子供がか!?」

1stに2ndまで…これで2対2。
向こうも譲る気は無さそうだな。

「怪物の方は俺に任せてくれ。メリアは子供の方を頼む」

「わかったわ!」

俺とティフィラス、メリアとマロン…お互いに武器を構え睨み合う。

「神ルイストリアァ死ねぇぇぇ!!」

最初にティフィラスが動き出す。

「やぁぁぁ!」

その後、数秒遅れでメリアも動き出す。

「死ねぇ!」

ティフィラスが強大な腕を振り下ろす。

速い!?

かろうじて防御が間に合った…はずだったが___

「ぐぁ!!」

力の強さで押し負け、俺は後ろへ吹き飛ばされる。



◆◆◆



「ぐぁ!!」

「ルイス!」

ルイスの声が聞こえ、私はルイスの方へ振り向く。

「余所見はだめだよっ。注射器ぷすっ!」

「しまっ___」

マロンが注射器を構えた瞬間、私は咄嗟に後ろへ回避した。

しかし___

「げほっげほっ…」

マロンの注射器は剣を破壊し、私の腕を掠めた。

苦しい…気持ち悪い…

「動かないでよっ。綺麗にさせないじゃんっ」

「剣が…はぁはぁはぁ…」

だんだん苦しさが増してる…
それに剣が折れたらもう…戦えない。

「うっ…!」

私は立っていられなくなり、は腕を押さえながら片膝を付く。

「この薬はねっ、掠っただけでも一瞬で全身を巡って蝕むんだっ」

「げほっ…ぐ…あぁ…」

私の腕から血が垂れる。

ルイス…助けて…

私は心の中でルイスに助けを求めた。
しかし、届くはずもなくマロンが近づいてくる。

「無理に動かない方がいいよっ。僕の薬は特製___」

「___【神の恵み】!」

突如、緑色の光が私を覆った。

「この光…ルイス…!」

その光は傷口を塞ぎ、毒を消し去る。

「動ける…動けるわ!ありがとルイス!」

「あぁーー!僕の特製の薬がっ!作るの大変なんだからねっ!?」

「そんなの知らないわよ!」

毒の苦しさが綺麗さっぱり消えてる…さすがルイスね!
でも…傷が治っても武器が壊れてたら___

「メリア!これを使って!」

ルイスが私に向かって1本の剣を投げる。

「この剣…」

軽い…手に馴染む…長さも丁度いいわ…!

「ルイス!良いレイピアね!ありがと!」

「剣が変わったくらいでいい気にならないでよねっ。君は僕には勝てないんだからっ」

「どうかしらね?」

私はレイピアを鞘から引き抜く。

「このレイピアのデビュー戦にしては丁度いい相手ね!
ここからは第2ラウンドよ!」


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