無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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最終章 デスティザーク編

第137話 ルイスの記憶

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「驚きました…まさかメリア様も転生者だったとは…
しかし、これで少しは希望が見えました!」

「私に任せなさい!早速助けるわよ!」

「お待ちください…実はまだ問題があるのです…」

またもやネルフェが俯いて黙り込む。

「暴走状態を解除するためにはルイストリア様の記憶の中に入ることが必要です。その間は私たちの身体はもぬけの殻状態。おまけに能力の使用範囲がルイストリア様の敵対範囲内…
私たち2人だけではどうにも___」

「___どうやら助けが必要みたいだね」

ネルフェが諦めかけたその時、金髪の少年と赤髪、銀髪の少女の3人組がネルフェに声をかけた。

「あなた達は…」

「アートにシシーそれにメリア!?」

「ひひっ、びっくりした?」

「…昨日ぶり…」

「どうしてここに?」

「実は道中で盗賊を捕まえたんだ。時間に余裕があったし、ユメツリオ王国に預けようとしていたんだけど、あの爆発音が聞こえてね」

「それで急いで来たらメリアが居たってわけだよ!」

「みんな…!」

良かった…みんなが来てくれて…!
そうよ、私たちは1人じゃない!仲間がいるわ!

「それで、少しだけだけど話は聞かせてもらったよ。ルイスを助けるために人手が必要なんだよね?」

「そうよ!アート、シシー、アオ!力を貸して欲しい!」

「もちろんだよ!」

「…当たり前…」

「喜んで貸すよ」

「みんなありがとう!」

みんなと力を合わせれば、ルイスを助けることができるはずよ!

「ご紹介が遅れました。私はルイストリア様の使徒、ネルフェと申します。お力添え感謝致します」

「僕はアートだ」

「…シシー…」

「アオだよ!よろしくね!」

「こちらこそよろしくお願い致します」

「自己紹介が終わったことだし、早速作戦会議をしましょ!」

「承知しました。では私の方から説明させていただきます」

そしてネルフェはルイスを元に戻すための作戦を皆に伝えた。

まずアート達が敵対範囲内に入り、ルイスのヘイトを買う。
その間に私とネルフェがルイスに近づき、記憶の中に入り込む。
アート達が耐えきれなくなる前に、私とネルフェがルイスの記憶の奥に眠った心を引っ張り出す。

単純だけど簡単とは言えない…

「作戦は理解出来た。
けど…僕たちじゃルイスを足止めできても持って1分といったところだろうね」

「つまり私たちが1分以内にルイスを元に戻せばいいのね!」

「メリア様、そんな簡単に仰られても…」

「大丈夫よ!私たちに任せなさい!」

必ず助けられる根拠はない…でも、ルイスを助けたい気持ちは人一倍あるわ!

「メリア様、作戦を決行する前に伝えておくことがあります。
記憶の中に現れる人物や景色は、ルイストリア様と深く関わりのあったものです。その中に知っている人物が出てきたら直ぐに私に知らせてください」

「わかったわ!」

同じ高校だったわけだし、もしかしたら近くに住んでいたかもしれない。
私の友達が前世のルイスと関わりがあったかもしれない。
どんな些細なことでも必ず見つけ出すわ!

「みんな頑張るわよ!」

「メリアが頑張ってるのに僕たちが弱気になってちゃだめだね!」

「各自できることを最大限やろう」

「…全力を尽くす…」

「ルイストリア様のためにも…!」

「それじゃあみんな行くわよ!」

「「「おおーー!!」」」

そして私たちはルイスに向かって一斉に走り出した。

「…殺す…!」

ルイスが時雨丸を構える。

今のあの刀に時雨丸の気配を感じない…
どうやら暴走と共に時雨丸の意識もなくなってしまったようね…

「ルイス、少し痛いかもしれないけど許してね。悪いけどこっちも命懸けなんだ…!【ウィンドエッジ】!」

アートが先制攻撃を仕掛ける。

「…殺す」

ルイスは【ウィンドエッジ】を避け、凄まじい速さでアオに駆け寄る。

「なんで僕なの!?やめて来ないで…!
…なーんてね!来てくれてありがと!【トラップ 落とし穴】!」

「…!」

その瞬間、アオの前の地面が崩れルイスが穴に落ちる。

「さらに【トラップ 粘着液】!」

アオが粘着液を落とそうとした時、ルイスが穴から抜け出そうとする。

「…させない…!【ファイアランス】…【ファイアランス】…!」

シシーが【ファイアランス】を放ち出口を塞ぐ。

「ルイスを閉じ込めたよ!」

「暴走したことで、動きが単純で読みやすくなっている!想定していた時間よりも長く耐えれそうだ!
稼げるだけ稼ぐけど、できる限り早めに頼むよネルフェさん!そしてメリア!」

「任せて!」

「承知しました…!では参ります…【メモリアルダイブ】!」

ネルフェが能力を使用する。

その瞬間、私の意識は途切れた。



「ん…ここは…日本?」

目が覚めると、そこには見覚えのある街並みが広がっていた。

「気が付いたようですね。
ここはルイストリア様の前世の記憶の中です」

「ここがルイスの記憶の中?」

私は周りをよく見渡す。

よく見ればこの道を私は知ってる。
この道は、いつも玲二の家に向かう時に通っていた。
この先の突き当たりを左に行くと玲二の家が___

「___玲二もう起きてるかな?」

「っ!?」

私が道を懐かしんでいると、後ろから誰かが歩いてくる。

聞き覚えのある…いえ、聞き覚えのあるってもんじゃない程聞いた声…

「早く行ってびっくりさせたら玲二どんな反応するかしら!」

「…私…!?」

その少女の正体は紛れもなく前世の私、華恵原 恵 かえばら    めぐみだった。


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