無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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最終章 デスティザーク編

第139話 恋の力

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「そっか…私はこれで…」

この時、私は即死だったから何も覚えていない。
私を庇って玲二は…
戻ったら色々と謝らないといけないわね…

「そろそろ記憶が終わります。この後はルイストリア様の眠った心を呼び起こしに行きます。メリア様なら必ずルイストリア様を呼び起こしてくださると信じています」

「ええ、任せなさい」

今度は私が玲二を助けるわ!

その瞬間、周りの景色が見覚えのある光景から真っ白な空間へと移り変った。

「メリア様、あれを…」

ネルフェが白い空間の先を指差す。

「ルイス…!?」

そこには、手足を鎖で繋がれたルイスの姿があった。

「ルイストリア様の心は暴走によって閉ざされています。あの鎖はルイストリア様にしか壊すことが出来ません。
メリア様、後は任せました」

「わかったわ」

私は涙を拭いルイスの元へ近づく。

「ルイス…」

名前を呼んでも反応がない。

「ルイス…いえ、玲二…」

私はさらにルイスに近寄る。

「私のこと分かる…?
私はメリア・フォン・ユメツリオもそうだけど、それよりもずっとずっとルイスと…玲二と長い付き合いなのよ?忘れたなんて言わせないからね…」

ルイスの頬にそっと手を添える。

「私は…華恵原 恵よ」

ピキッ

私が名前を言った瞬間、ほんの僅かに鎖にヒビが入った。

届いてる…確実に玲二に届いてるわ!

「玲二…私ね、ずっと玲二に伝えたいことがあったの」

この気持ち…本当は玲二から伝えて欲しかったんだけどな。
でも、今はそんなこと言ってられないわよね。

「私ね…!実は初めて会った時からずっと…!」

鼓動が激しい…
伝えたいのに上手く言葉にできない…

「メリア様!外の時間でそろそろ1分が経ちます!」

時間が無い…
ここで私がやらなくちゃ…!

「すぅー、はぁー」

大きく深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。

「玲二!私はずっと…ずっとずっと、玲二のことが大好きよ…!!」

「…」

ルイスに反応は無い…
鎖もヒビすら入らない…

時間が無い!
次が最後のチャンス…!

「ルイス!玲二!お願いだから戻って返事を___」

私が最後のチャンスを得ようとした瞬間…

___ビキビキバキッ

先程とは比べ物にならないほど大きなヒビが鎖全体に広がった。

「___

ガシャンッ

やがて鎖はヒビに耐えきれなくなり崩壊する。

「玲二!」

鎖から解放され、倒れそうなルイスを優しく抱き抱える。

「めぐ…み…」

ルイスが目を覚ます。

「どうしたの?玲二」

「ありがと…な」

「うん!こちらこそありがと!」

良かった…ルイスを、玲二を助けることが出来て本当に良かったわ…!

「メリア様、無事に成し遂げたのですね。
そしてルイストリア様、無事に戻られて何よりです」

「心配かけたな…ネルフェ」

「ええ、本当にその通りです」

「あはは、少しは気を使ってくれよ…」

「今回ばかりは遠慮させて頂きます。
それよりメリア様、ルイストリア様を無事暴走から解放出来ましたし、そろそろ外に戻りましょう」

「そうね!また後でゆっくり話しましょ!」

「ああ、そうだな」

「では戻ります」

ネルフェが私の手を握る。

「【メモリアルアウト】」

ネルフェが能力を唱え、私の意識は途切れた。



「ん…」

「あっ、戻ってきたみたいだ」

「メリア!ネルフェさん!おかえり!」

私とネルフェは平原の上で目を覚ます。

「戻ってきたのね」

「無事帰還致しました」

「さっきルイスが急に意識を失ったんだけど…その様子を見れば成功したようだね」

「ええ!成功したわ!」

「ほんとに!?さすがメリアだよ!」

「…良かった…成功して」

「皆様、この度はご協力感謝致します」

ネルフェが深々と皆に頭を下げる。

「頭を上げてくださいネルフェさん。
僕たちは自分たちのためにやったんです。ルイスは僕たちの大切な仲間ですから」

「その通りだよ!ルイスが居ないと僕たち何も出来ないもん!」

「…アートの言う通り…アオのは…私はルイスがいなくてもできる…」

「ちょ、シシー!?僕だってやる時はできるもん!」

「皆様…ありがとうございます…!」

ネルフェは瞳を潤わせながら礼を言った。

「ルイスはまだ目を覚まさないようだし、一旦みんなで街へ戻ろうか」

「あー…む、無理にルイスを動かすと良くないかもしれないわ。私はルイスが目を覚ますまでここで見てるから、皆は先に帰ってていいわよ?」

「それじゃあルイスが目を覚ますまで皆で___」

「___アート!僕たちは一旦街に戻って皆に状況を説明しに行くよ!」

「え、どうして___」

「___アートのばか…」

「え、なんで!?」

「ほら早くいくよ!またねメリア!」

「ええ、ありがとう!」

アオがアートの手を引っ張り颯爽と去っていく。

全く、アートったら女心がわかっていないわね!
でも、アオとシシーのおかげで何とか2人きりになれそうね。

「メリア様、私はこれにて天界へ帰りたいと思います。ルイストリア様のことを頼みました」

「安心して任せてちょうだい!」

「では…」

ネルフェはそう言い残すと、影に溶け込むように消えていった。

「玲二…」

私はルイスを膝の上に寝かせる。

「早く目を覚まさないかしら…」

私はルイスの頭を優しく撫でる。

「うっ…」

「起きた?」

ルイスが私の膝の上で目を覚ました。



=====================



読者の皆様、ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。

ついにルイス達はデスティザークを滅ぼし、ルイスの暴走も無事治せましたね。

皆様もお気づきかと思いますが、この作品は次回で最終話を迎えます…
ルイス達のフィナーレを最後まで見届けてくださると光栄です。

次回 最終話 無職だけど最強

明日の18時投稿です!
是非お楽しみに!


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