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革新的な公爵令嬢
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後日から、また研究に没頭するクリスティーヌ。不眠症を解消する睡眠薬の開発を目指している。ルナがいる間は時々議論を交わしたりしていた。そしてルナとシャルルがヌムール領を去った後は、黙々と研究を進めていた。完成まで後一息といったところだ。
マリアンヌ、ベアトリス、リーゼロッテとお茶会をしている時も、クリスティーヌは研究のことが頭から離れなかった。
「クリスティーヌ様、今はお茶会なのでございますから論文や実験ノートはおしまいください。薬の研究と休憩をしっかり分けてメリハリをつけるべきでございますわ」
そんなクリスティーヌに対し、ベアトリスは呆れていた。
「確かに、クリスティーヌ様はここ最近根詰めすぎていらっしゃる気がします。きちんと休憩なさってくださいませ」
リーゼロッテもクリスティーヌの身を案じている。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。あと少しで完成というところなのでどうしても気になってしまうのでございます」
クリスティーヌは眉を八の字にして微笑んだ。
「確かに、女王陛下のサロンで論文が認められたら箔が付きますからね。それに、もしその薬が国民にとって特に有用と判断されれば、女王陛下から勲章が与えられますわ。勲章は、伯爵家に値する後ろ盾になるみたいでございますから、クリスティーヌ様には是非成し遂げていただきたいと存じます」
マリアンヌはクリスティーヌが勲章を貰えるように頑張って欲しいと思った。
「ありがとうございます、マリアンヌ様」
クリスティーヌは淑女の笑みを浮かべた。
(勲章は伯爵家と同等の後ろ盾になる。そうなれば私はユーグ様と……。いいえ、身の程知らずな想いを抱いてはいけないわ)
クリスティーヌは出てきそうになった自分の気持ちに蓋をした。
一方ユーグは宰相になる為に、メルクール公爵領へ学びに行っている。現在の宰相はランベール・ブノワ・ド・メルクール。メルクール公爵家の当主だ。メルクール公爵家はナルフェック王国の筆頭公爵家である。また、王家に万が一のことがあった時に限り、王位継承権が与えられる。謂わば、メルクール公爵家は第二の王家だ。ちなみに、ランベールはユーグの義理の叔父に当たる。キトリーの妹がメルクール公爵家に嫁いだからだ。しかし、彼女は病で若くして亡くなっている。
クリスティーヌはしばらくユーグと顔を合わせずにいられることに少しホッとしていた。しかし、無意識のうちに寂しさも感じるのであった。
そんなある日、ユーグがヌムール領に戻って来た。凛とした美しさを持つ令嬢を連れて。黒褐色の真っ直ぐな髪に、ヘーゼルの目をした令嬢だ。そして貴族令嬢にしては珍しいパンツドレスを着用している。
「全く。相変わらずユーグは真っ直ぐですこと。それだけでは務まりませんわよ」
「分かっているよ。だからこうして色々根回ししようとしているんだよ」
令嬢はユーグと親しげな様子だ。ユーグも、クリスティーヌといる時とは違った砕けた笑みだ。
(ユーグ様……あんな風な表情もなさるのね)
クリスティーヌの胸がチクリと痛んだ。クリスティーヌはその場を立ち去ろうとする。
「クリスティーヌ嬢」
しかし、ユーグに呼び止められてしまった。仕方なく振り向くクリスティーヌ。
「しばらく振りだね」
「お久し振りでございます、ユーグ様」
クリスティーヌは完璧な淑女の笑みになる。ユーグはそれを見て一瞬寂しそうな表情になるが、すぐに穏やかな笑みに戻る。
「うん。クリスティーヌ嬢の薬の研究があと少しで完成しそうだと聞いたよ」
「ええ。最終局面を迎えております」
淑女の笑みを崩さないクリスティーヌ。
「ユーグ、こちらのご令嬢が、よく話していたクリスティーヌ様ね?」
令嬢がクリスティーヌを見てユーグに問いかけた。
「ああ、そうさ」
ユーグはハハっと笑い、クリスティーヌの方を向く。
「クリスティーヌ嬢、紹介するよ。彼女は私の従姉。ルシール・オルタンス・ド・メルクール。メルクール公爵のご令嬢で、宰相の娘なんだ。メルクール家の次期当主でもある」
ユーグに紹介され、クリスティーヌはルシールにカーテシーをする。
「お顔を上げてちょうだい。先程ユーグから紹介に預かった、ルシール・オルタンス・ド・メルクールでございます。貴女のことは、ユーグから聞いておりますわ」
ルシールは凛として張りがある声で微笑んだ。
「タルド男爵家、クリスティーヌ・ジゼル・ド・タルドでございます。お会い出来て光栄でございます、ルシール様」
クリスティーヌは淑女の笑みだ。
「ルシールはソンブレイユ侯爵家の次男と婚約が決まって、ここ最近までずっと忙しくしていたんだ。何せ、ルシールは国一番の貴族、メルクール公爵家の次期当主だからね。婚姻に関してのことも、相手に瑕疵はないかとか慎重に調べないといけないんだ。それだけでなく、メルクール家は婚約するに当たって、相手との相性はいいかも重視している。それがようやく落ち着いてね。それで、休息の為にルシールにはヌムール領に来てもらったんだ」
ユーグは真っ直ぐな目で、クリスティーヌに真摯に説明していた。まるでやましいことは全くないと言うかのように。
「ユーグ、説明し過ぎでございます」
ルシールは苦笑する。そして、クリスティーヌの方に体を向ける。
「先程も紹介されたように、私はユーグの従姉でございますの。年はユーグの一つ上でございます。マリアンヌとも交流がございますのよ」
ふふっと口角を上げるルシール。
「左様でございましたが」
クリスティーヌは最初に感じた胸の痛みはすっかり消えていた。今は第二の王家とも言われる筆頭公爵家の次期当主であるルシールに対して恐縮している。
(ユーグ様と親しげで、羨ましく思ってしまったけど、ルシール様は従姉だったのね。だからユーグ様もあのような表情をなさっていたのね。しかも、メルクール公爵家の方だとは……)
「クリスティーヌ様とは是非仲を深めたいと存じております」
屈託のない笑みのルシール。その笑みからは公爵令嬢らしい品の良さだけでなく、清々しさも感じられる。
「そう仰っていただけて光栄でございます」
クリスティーヌは少し緊張しながらも、上品な淑女の笑みを浮かべた。
それからしばらく談笑し、ルシールとすっかり打ち解けるクリスティーヌであった。
翌日。クリスティーヌが研究所で休憩をしている時に、ルシールがやって来た。やはりパンツドレスを着用している。クリスティーヌは改めてその姿が気になっていた。
「クリスティーヌ様、どうかなさいました?」
「その、ルシール様は珍しいドレスをお召しになられていると感じました」
「あら、そのことでございましたか。他の方にもよく言われますの。それに、保守的な男性からは、女性としてどうなのかと批判が来たりもしますわ。メルクール公爵家の恥ではないかとも。お父様は認めてくださっているけれど」
「……ルシール様自身はどう思われているのでしょうか? メルクール公爵家に傷が付くなどとお考えですか?」
「いいえ」
ルシールは自信たっぷりな様子で口角を上げる。そして続ける。
「たかが服装でメルクール家に傷は付きませんわ。全裸や過度な露出の服でない限り。それに、メルクール家は筆頭公爵家でございますわ。家の力で服装の自由なら認めさせてればいいのでございます。上の立場にある私が自由な服装をしていたら、他の方々も自由な服装が出来ますわ。それに、この服装は動きやすいのでございますのよ」
ルシールは楽しそうに語る。
「私、自分が楽しいか、ワクワクすると感じるかで物事を判断しますの。もちろん、他の方々を傷付けない前提で。まずは自分を満たすことを優先しますわ。それから他者のことを考える。まずは自分を幸せにしないと他の方々を幸せにすることが出来ませんのよ。もし、私にとっての幸せと他の方にとっての幸せが相反するものなら、自分が我慢したり相手に我慢させたりするのではなく、お互いが幸せになれる道を探ればいいのですわ」
「まあ……左様でございますか」
ルシールは今まで出会ったことのないタイプの令嬢だった。
「クリスティーヌ様は、自分を幸せにすることを考えておりまして?」
「私は……」
クリスティーヌは口籠もってしまう。
今は薬学のことを考えているが、基本的にタルド家や領民のことを考えていたクリスティーヌ。
(薬学を学んだり研究するのは楽しいわ。だけど、私はタルド家や領民の為にあるべき。だけど……)
「クリスティーヌ様?」
「私は……色々と分からなくなってきてしまいましたわ」
クリスティーヌは力なく微笑んだ。
「左様でございますか。では、ゆっくりお考えになるとよろしいですわ」
ルシールは優しげに微笑んだ。
マリアンヌ、ベアトリス、リーゼロッテとお茶会をしている時も、クリスティーヌは研究のことが頭から離れなかった。
「クリスティーヌ様、今はお茶会なのでございますから論文や実験ノートはおしまいください。薬の研究と休憩をしっかり分けてメリハリをつけるべきでございますわ」
そんなクリスティーヌに対し、ベアトリスは呆れていた。
「確かに、クリスティーヌ様はここ最近根詰めすぎていらっしゃる気がします。きちんと休憩なさってくださいませ」
リーゼロッテもクリスティーヌの身を案じている。
「ご心配をおかけして申し訳ございません。あと少しで完成というところなのでどうしても気になってしまうのでございます」
クリスティーヌは眉を八の字にして微笑んだ。
「確かに、女王陛下のサロンで論文が認められたら箔が付きますからね。それに、もしその薬が国民にとって特に有用と判断されれば、女王陛下から勲章が与えられますわ。勲章は、伯爵家に値する後ろ盾になるみたいでございますから、クリスティーヌ様には是非成し遂げていただきたいと存じます」
マリアンヌはクリスティーヌが勲章を貰えるように頑張って欲しいと思った。
「ありがとうございます、マリアンヌ様」
クリスティーヌは淑女の笑みを浮かべた。
(勲章は伯爵家と同等の後ろ盾になる。そうなれば私はユーグ様と……。いいえ、身の程知らずな想いを抱いてはいけないわ)
クリスティーヌは出てきそうになった自分の気持ちに蓋をした。
一方ユーグは宰相になる為に、メルクール公爵領へ学びに行っている。現在の宰相はランベール・ブノワ・ド・メルクール。メルクール公爵家の当主だ。メルクール公爵家はナルフェック王国の筆頭公爵家である。また、王家に万が一のことがあった時に限り、王位継承権が与えられる。謂わば、メルクール公爵家は第二の王家だ。ちなみに、ランベールはユーグの義理の叔父に当たる。キトリーの妹がメルクール公爵家に嫁いだからだ。しかし、彼女は病で若くして亡くなっている。
クリスティーヌはしばらくユーグと顔を合わせずにいられることに少しホッとしていた。しかし、無意識のうちに寂しさも感じるのであった。
そんなある日、ユーグがヌムール領に戻って来た。凛とした美しさを持つ令嬢を連れて。黒褐色の真っ直ぐな髪に、ヘーゼルの目をした令嬢だ。そして貴族令嬢にしては珍しいパンツドレスを着用している。
「全く。相変わらずユーグは真っ直ぐですこと。それだけでは務まりませんわよ」
「分かっているよ。だからこうして色々根回ししようとしているんだよ」
令嬢はユーグと親しげな様子だ。ユーグも、クリスティーヌといる時とは違った砕けた笑みだ。
(ユーグ様……あんな風な表情もなさるのね)
クリスティーヌの胸がチクリと痛んだ。クリスティーヌはその場を立ち去ろうとする。
「クリスティーヌ嬢」
しかし、ユーグに呼び止められてしまった。仕方なく振り向くクリスティーヌ。
「しばらく振りだね」
「お久し振りでございます、ユーグ様」
クリスティーヌは完璧な淑女の笑みになる。ユーグはそれを見て一瞬寂しそうな表情になるが、すぐに穏やかな笑みに戻る。
「うん。クリスティーヌ嬢の薬の研究があと少しで完成しそうだと聞いたよ」
「ええ。最終局面を迎えております」
淑女の笑みを崩さないクリスティーヌ。
「ユーグ、こちらのご令嬢が、よく話していたクリスティーヌ様ね?」
令嬢がクリスティーヌを見てユーグに問いかけた。
「ああ、そうさ」
ユーグはハハっと笑い、クリスティーヌの方を向く。
「クリスティーヌ嬢、紹介するよ。彼女は私の従姉。ルシール・オルタンス・ド・メルクール。メルクール公爵のご令嬢で、宰相の娘なんだ。メルクール家の次期当主でもある」
ユーグに紹介され、クリスティーヌはルシールにカーテシーをする。
「お顔を上げてちょうだい。先程ユーグから紹介に預かった、ルシール・オルタンス・ド・メルクールでございます。貴女のことは、ユーグから聞いておりますわ」
ルシールは凛として張りがある声で微笑んだ。
「タルド男爵家、クリスティーヌ・ジゼル・ド・タルドでございます。お会い出来て光栄でございます、ルシール様」
クリスティーヌは淑女の笑みだ。
「ルシールはソンブレイユ侯爵家の次男と婚約が決まって、ここ最近までずっと忙しくしていたんだ。何せ、ルシールは国一番の貴族、メルクール公爵家の次期当主だからね。婚姻に関してのことも、相手に瑕疵はないかとか慎重に調べないといけないんだ。それだけでなく、メルクール家は婚約するに当たって、相手との相性はいいかも重視している。それがようやく落ち着いてね。それで、休息の為にルシールにはヌムール領に来てもらったんだ」
ユーグは真っ直ぐな目で、クリスティーヌに真摯に説明していた。まるでやましいことは全くないと言うかのように。
「ユーグ、説明し過ぎでございます」
ルシールは苦笑する。そして、クリスティーヌの方に体を向ける。
「先程も紹介されたように、私はユーグの従姉でございますの。年はユーグの一つ上でございます。マリアンヌとも交流がございますのよ」
ふふっと口角を上げるルシール。
「左様でございましたが」
クリスティーヌは最初に感じた胸の痛みはすっかり消えていた。今は第二の王家とも言われる筆頭公爵家の次期当主であるルシールに対して恐縮している。
(ユーグ様と親しげで、羨ましく思ってしまったけど、ルシール様は従姉だったのね。だからユーグ様もあのような表情をなさっていたのね。しかも、メルクール公爵家の方だとは……)
「クリスティーヌ様とは是非仲を深めたいと存じております」
屈託のない笑みのルシール。その笑みからは公爵令嬢らしい品の良さだけでなく、清々しさも感じられる。
「そう仰っていただけて光栄でございます」
クリスティーヌは少し緊張しながらも、上品な淑女の笑みを浮かべた。
それからしばらく談笑し、ルシールとすっかり打ち解けるクリスティーヌであった。
翌日。クリスティーヌが研究所で休憩をしている時に、ルシールがやって来た。やはりパンツドレスを着用している。クリスティーヌは改めてその姿が気になっていた。
「クリスティーヌ様、どうかなさいました?」
「その、ルシール様は珍しいドレスをお召しになられていると感じました」
「あら、そのことでございましたか。他の方にもよく言われますの。それに、保守的な男性からは、女性としてどうなのかと批判が来たりもしますわ。メルクール公爵家の恥ではないかとも。お父様は認めてくださっているけれど」
「……ルシール様自身はどう思われているのでしょうか? メルクール公爵家に傷が付くなどとお考えですか?」
「いいえ」
ルシールは自信たっぷりな様子で口角を上げる。そして続ける。
「たかが服装でメルクール家に傷は付きませんわ。全裸や過度な露出の服でない限り。それに、メルクール家は筆頭公爵家でございますわ。家の力で服装の自由なら認めさせてればいいのでございます。上の立場にある私が自由な服装をしていたら、他の方々も自由な服装が出来ますわ。それに、この服装は動きやすいのでございますのよ」
ルシールは楽しそうに語る。
「私、自分が楽しいか、ワクワクすると感じるかで物事を判断しますの。もちろん、他の方々を傷付けない前提で。まずは自分を満たすことを優先しますわ。それから他者のことを考える。まずは自分を幸せにしないと他の方々を幸せにすることが出来ませんのよ。もし、私にとっての幸せと他の方にとっての幸せが相反するものなら、自分が我慢したり相手に我慢させたりするのではなく、お互いが幸せになれる道を探ればいいのですわ」
「まあ……左様でございますか」
ルシールは今まで出会ったことのないタイプの令嬢だった。
「クリスティーヌ様は、自分を幸せにすることを考えておりまして?」
「私は……」
クリスティーヌは口籠もってしまう。
今は薬学のことを考えているが、基本的にタルド家や領民のことを考えていたクリスティーヌ。
(薬学を学んだり研究するのは楽しいわ。だけど、私はタルド家や領民の為にあるべき。だけど……)
「クリスティーヌ様?」
「私は……色々と分からなくなってきてしまいましたわ」
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