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4 久し振りの帰郷
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「ブリジット、もうすぐ王都に着くよ? お――い」
「もう少し寝かせてあげてくれ」
「ハイス様はブリジットには甘いよね。僕の事はすんごく人使いが荒いくせに」
自分の事を僕呼びした侍女はプクッと頬を膨らませた。肩に寄り掛かったブリジットが安らかな顔で寝息を立てている。その頬を何度か突きながらにんまりと笑う顔は少女のようでもあり、子を見守る母のようでもあった。
「帰郷の知らせを出してネリ―が大人しくしているとは思わなかったが、まさか女性が一人きりで馬で駆けつけて来るとは思いもしなかったぞ。気持ちは分かるが会えたから良かったものの、すれ違ってしまったかもしれなかったんだ。神殿の者達も心配している……訳はないか。今更お前の行動に驚く者もいないだろう」
「大丈夫だよ、ちゃんと書き置きを残してきたからさ。それに僕は絶対にブリジットを見失う事はないから、絶対に会えるって分かっていたんだ!」
やけに自信満々に言うネリ―は眠っているブリジットの顔を覗き込むと、優しくその頬を撫でた。
「ハイス様が連れて行ってくれないから半年もブリジットと離れなくちゃいけなかったんだよ。僕の寂しさはちょっとやそっとじゃ消えないからねッ」
「仕方ないだろう、邪気を払う為の遠征だったんだから。お前のような浄化の力を持たない人間には危険な場所なんだ。だからリアム殿下も同行されなかったんだからな。それはそうとお前も暫く休みを申請するか? まあブリジット様と離れている間は適当にサボっていたんだろうが」
「ちゃんと働いていたよ! 毎日ブリジットの部屋を掃除して、ブリジットに似合う服を縫って、ブリジットに喜んで貰えるように少しだけ勉強もしたんだ。もちろん神殿でのお仕事もしながらね。もしブリジットが休むって言うなら僕も休むけど、多分ブリジットは休まないだろうから僕も休まないかな」
「お前は本当にブリジット様を慕っているんだな」
「だってブリジットはとっても可愛いでしょう! それに頑張り屋さんだし、何より信仰心が厚いしね!」
「……ブリジット様は聖女のお役目を終えたとはいえ、これからは王太子妃になられるお方だぞ。お前もそろそろブリジット様の侍女の任を解かれるからそのつもりいるように」
するとネリ―はまるで宝物が奪われるかのようにブリジットを抱き締めた。腕の中でブリジットが身じろぐ。ハイスはぎょっとしたが起きる気配はないようだった。
「それなら僕もお城で働く」
「それは無理だ。王太子妃に仕えるのは城の侍女と決まっているんだ。第一お前は神殿の人間だろう。王太子妃付きの侍女にはなれないよ」
「なんで? 僕の方がお城の侍女達よりもずっと、ず――っとブリジットの事を分かっているんだから、ブリジットも僕の方が良いに決まっているよ」
「……まずその言葉遣いで却下されるだろうな」
「これでいいってブリジットが言ってくれているからいいの!」
「お前はブリジット様に恥を書かせる気か? 侍女に軽口をきかれる主人だと陰口を叩かれるかもしれないぞ」
するとネリ―は小さな身体を更に小さくして俯いた。
「ブリジットがいじめられるのは嫌だな……」
「ならばその言葉遣いから直せ。別にお前の全てを否定している訳じゃないんだから、ただ言葉遣いを少し丁寧にしろと言っているだけだ。後少し落ち着け」
つま先がぎりぎり着くか付かないかの足をプラプラさせていたネリ―は、ぴしっと動きを止めてみせた。次第に身体が震え出していく。ネリーは息も止めていたのか、突如激しく息をするとその振動でブリジットがとうとう目を覚ましたようだった。
「ネリ―? ごめんね、寄り掛かってしまっていたみたい。重かったでしょう?」
するとネリ―は細い腕で起き上がろうとするブリジットをぎゅっと抱き締めた。
「全然! ブリジットは軽いよ。重いどころかもっと寄り掛かってもらいたかったくらい!」
「ネリ―の方が一晩中馬を走らせて疲れていたのにありがとう」
お礼だと言わんばかりにブリジットもネリ―の身体を抱き寄せた。ネリ―の白い頬が一気に染め上がってく。ハイスは咳払いをすると、我に返ったブリジットは驚いてネリ―を抱き締める腕を離した。
「ハイス様! すみません、私ったら寝ぼけてしまっていたようです」
「私の事はお気にもう少しお休みください」
「でもハイス様、もうすぐお城が見えてくるよ?」
「もうそんな所に来ているの? 大変、私どこか変な所はない?」
馬車の中で乱れていないか服装を確認するブリジットを優しい視線で見ながら、ハイスは窓の外に視線を移した。
「見えてはいますがまだあの山道を行かねばならないのです。焦らなくても十分に間に合いますよ」
「でも久し振りにリアム殿下に会えるから色々気になっちゃうんだよね、ブリジットったら可愛い」
ネリ―はブリジットの身体を抱き寄せた。
「それ、他の者達の前ではやるなよ。リアム殿下もお優しいからお許して下さってはいるが、そのお気持ちに甘える事のないように。いいな?」
「……」
「ネリ―?」
「分かっているよ。努力はする」
「フフッ」
「ブリジット様もネリ―に甘過ぎるのです」
「すみません。でも今笑ったのはハイス様とネリーは仲がいいんだなと思って少しおかしかったからです。私はネリ―の性格が好きだけれど、一人置いてきてしまって少し心配だったんです。でもきっとハイス様のご配慮がありましたよね」
「僕はいつだってブリジットの事だけを考えているんだ。他の誰の言葉も耳に入ってこないよ」
「そうだとしても、大好きなネリーにはどこででも愛されて楽しく過ごして欲しいの」
するとネリ―の大きな瞳に涙から溜まっていく。そして思い切り抱き締めてきた。
「うわ――ん! 僕も大好きだよブリジット!」
白銀の柔らかく短い髪ごと頭を撫でながらちらりとハイスを見上げた。呆れたような表情の中にもネリーを見る瞳には優しさを感じる、ハイスとネリ―は親子のような、師弟のような不思議な関係を築いているようだった。
国民は聖女の帰城を最大限の準備をして出迎えてくれた。街を囲む壁の上からは聖女の帰城を知らせる鐘が打ち鳴らされる。次第に聞こえてくる歓声を耳が拾い出すと無意識に身体が震え出す。見かねたネリ―が小さな手を甲に重ねてきた。
「大丈夫だよ。ブリジットはこの国を救ったんだから堂々としていてよね」
ネリ―の言葉に頷くと、今度は不思議と歓声を受け止める事が出来た。門を通り、馬車道へと入っていく。道は沢山の花で飾り付けられていた。民家の上からは花弁が舞う中を馬車が進んでいく。ハイスはカーテンを開けると顔を見せるように言った。呼吸を整えて窓から顔を出す。すると、歓声は一際大きなものとなり、空気が振動しているのではと思う程の歓迎ぶりだった。幾つもの感謝の声が辛かった浄化の遠征の疲れを吹き飛ばしてくれる。ブリジットの胸は破裂してしまいそうな程に幸福で満ち溢れていた。
「すっごい歓迎だね! 皆ブリジットに感謝しているんだ。嬉しいな!」
「こら! お前は顔を出すな」
「そんな事言うならハイス様だって肩が見えているよ」
「分かったから押すな! 私は身体が大きいからこれ以上は無理なんだよ!」
「それなら屈んでいればいいじゃないか」
「無理を言うな! 広いとはいえ馬車の中なんだぞ」
「二人ともそのくらいにして。なんだか今とっても帰ってきたって気がしたわ」
ブリジットは笑いを堪えながら口に手を当てた。笑いを堪え震えている顔も、集まった国民からすれば感極まって口元を抑えているように見えたのだった。
「もう少し寝かせてあげてくれ」
「ハイス様はブリジットには甘いよね。僕の事はすんごく人使いが荒いくせに」
自分の事を僕呼びした侍女はプクッと頬を膨らませた。肩に寄り掛かったブリジットが安らかな顔で寝息を立てている。その頬を何度か突きながらにんまりと笑う顔は少女のようでもあり、子を見守る母のようでもあった。
「帰郷の知らせを出してネリ―が大人しくしているとは思わなかったが、まさか女性が一人きりで馬で駆けつけて来るとは思いもしなかったぞ。気持ちは分かるが会えたから良かったものの、すれ違ってしまったかもしれなかったんだ。神殿の者達も心配している……訳はないか。今更お前の行動に驚く者もいないだろう」
「大丈夫だよ、ちゃんと書き置きを残してきたからさ。それに僕は絶対にブリジットを見失う事はないから、絶対に会えるって分かっていたんだ!」
やけに自信満々に言うネリ―は眠っているブリジットの顔を覗き込むと、優しくその頬を撫でた。
「ハイス様が連れて行ってくれないから半年もブリジットと離れなくちゃいけなかったんだよ。僕の寂しさはちょっとやそっとじゃ消えないからねッ」
「仕方ないだろう、邪気を払う為の遠征だったんだから。お前のような浄化の力を持たない人間には危険な場所なんだ。だからリアム殿下も同行されなかったんだからな。それはそうとお前も暫く休みを申請するか? まあブリジット様と離れている間は適当にサボっていたんだろうが」
「ちゃんと働いていたよ! 毎日ブリジットの部屋を掃除して、ブリジットに似合う服を縫って、ブリジットに喜んで貰えるように少しだけ勉強もしたんだ。もちろん神殿でのお仕事もしながらね。もしブリジットが休むって言うなら僕も休むけど、多分ブリジットは休まないだろうから僕も休まないかな」
「お前は本当にブリジット様を慕っているんだな」
「だってブリジットはとっても可愛いでしょう! それに頑張り屋さんだし、何より信仰心が厚いしね!」
「……ブリジット様は聖女のお役目を終えたとはいえ、これからは王太子妃になられるお方だぞ。お前もそろそろブリジット様の侍女の任を解かれるからそのつもりいるように」
するとネリ―はまるで宝物が奪われるかのようにブリジットを抱き締めた。腕の中でブリジットが身じろぐ。ハイスはぎょっとしたが起きる気配はないようだった。
「それなら僕もお城で働く」
「それは無理だ。王太子妃に仕えるのは城の侍女と決まっているんだ。第一お前は神殿の人間だろう。王太子妃付きの侍女にはなれないよ」
「なんで? 僕の方がお城の侍女達よりもずっと、ず――っとブリジットの事を分かっているんだから、ブリジットも僕の方が良いに決まっているよ」
「……まずその言葉遣いで却下されるだろうな」
「これでいいってブリジットが言ってくれているからいいの!」
「お前はブリジット様に恥を書かせる気か? 侍女に軽口をきかれる主人だと陰口を叩かれるかもしれないぞ」
するとネリ―は小さな身体を更に小さくして俯いた。
「ブリジットがいじめられるのは嫌だな……」
「ならばその言葉遣いから直せ。別にお前の全てを否定している訳じゃないんだから、ただ言葉遣いを少し丁寧にしろと言っているだけだ。後少し落ち着け」
つま先がぎりぎり着くか付かないかの足をプラプラさせていたネリ―は、ぴしっと動きを止めてみせた。次第に身体が震え出していく。ネリーは息も止めていたのか、突如激しく息をするとその振動でブリジットがとうとう目を覚ましたようだった。
「ネリ―? ごめんね、寄り掛かってしまっていたみたい。重かったでしょう?」
するとネリ―は細い腕で起き上がろうとするブリジットをぎゅっと抱き締めた。
「全然! ブリジットは軽いよ。重いどころかもっと寄り掛かってもらいたかったくらい!」
「ネリ―の方が一晩中馬を走らせて疲れていたのにありがとう」
お礼だと言わんばかりにブリジットもネリ―の身体を抱き寄せた。ネリ―の白い頬が一気に染め上がってく。ハイスは咳払いをすると、我に返ったブリジットは驚いてネリ―を抱き締める腕を離した。
「ハイス様! すみません、私ったら寝ぼけてしまっていたようです」
「私の事はお気にもう少しお休みください」
「でもハイス様、もうすぐお城が見えてくるよ?」
「もうそんな所に来ているの? 大変、私どこか変な所はない?」
馬車の中で乱れていないか服装を確認するブリジットを優しい視線で見ながら、ハイスは窓の外に視線を移した。
「見えてはいますがまだあの山道を行かねばならないのです。焦らなくても十分に間に合いますよ」
「でも久し振りにリアム殿下に会えるから色々気になっちゃうんだよね、ブリジットったら可愛い」
ネリ―はブリジットの身体を抱き寄せた。
「それ、他の者達の前ではやるなよ。リアム殿下もお優しいからお許して下さってはいるが、そのお気持ちに甘える事のないように。いいな?」
「……」
「ネリ―?」
「分かっているよ。努力はする」
「フフッ」
「ブリジット様もネリ―に甘過ぎるのです」
「すみません。でも今笑ったのはハイス様とネリーは仲がいいんだなと思って少しおかしかったからです。私はネリ―の性格が好きだけれど、一人置いてきてしまって少し心配だったんです。でもきっとハイス様のご配慮がありましたよね」
「僕はいつだってブリジットの事だけを考えているんだ。他の誰の言葉も耳に入ってこないよ」
「そうだとしても、大好きなネリーにはどこででも愛されて楽しく過ごして欲しいの」
するとネリ―の大きな瞳に涙から溜まっていく。そして思い切り抱き締めてきた。
「うわ――ん! 僕も大好きだよブリジット!」
白銀の柔らかく短い髪ごと頭を撫でながらちらりとハイスを見上げた。呆れたような表情の中にもネリーを見る瞳には優しさを感じる、ハイスとネリ―は親子のような、師弟のような不思議な関係を築いているようだった。
国民は聖女の帰城を最大限の準備をして出迎えてくれた。街を囲む壁の上からは聖女の帰城を知らせる鐘が打ち鳴らされる。次第に聞こえてくる歓声を耳が拾い出すと無意識に身体が震え出す。見かねたネリ―が小さな手を甲に重ねてきた。
「大丈夫だよ。ブリジットはこの国を救ったんだから堂々としていてよね」
ネリ―の言葉に頷くと、今度は不思議と歓声を受け止める事が出来た。門を通り、馬車道へと入っていく。道は沢山の花で飾り付けられていた。民家の上からは花弁が舞う中を馬車が進んでいく。ハイスはカーテンを開けると顔を見せるように言った。呼吸を整えて窓から顔を出す。すると、歓声は一際大きなものとなり、空気が振動しているのではと思う程の歓迎ぶりだった。幾つもの感謝の声が辛かった浄化の遠征の疲れを吹き飛ばしてくれる。ブリジットの胸は破裂してしまいそうな程に幸福で満ち溢れていた。
「すっごい歓迎だね! 皆ブリジットに感謝しているんだ。嬉しいな!」
「こら! お前は顔を出すな」
「そんな事言うならハイス様だって肩が見えているよ」
「分かったから押すな! 私は身体が大きいからこれ以上は無理なんだよ!」
「それなら屈んでいればいいじゃないか」
「無理を言うな! 広いとはいえ馬車の中なんだぞ」
「二人ともそのくらいにして。なんだか今とっても帰ってきたって気がしたわ」
ブリジットは笑いを堪えながら口に手を当てた。笑いを堪え震えている顔も、集まった国民からすれば感極まって口元を抑えているように見えたのだった。
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