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38 自覚する気持ち
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王の間は何も見る事が出来ない程に黒い靄に包まれていた。
目を凝らすと中に人影らしい姿が幾つか見える。しかし黒い靄は王の間の中を吹き荒れる風のように蠢いていた。
「ブリジット様! いらっしゃいませんか!? ブリジット様!」
中に入ろうとするハイスの袖をルイーズが引いて止める。しかしそれと同時にがくりと膝を突いてしまった。
「お前達は下がれ! 邪気に飲まれるぞ!」
兵士も使用人も聖騎士団以外を下がらせたハイスは、二人の聖騎士と共に構えた。
「精霊ウンディーネ様! 邪気を祓う力をお与え下さい!」
すると三本の剣は次第に淡い青色を放ち始めた。
「あれが聖騎士団の力……」
ルイーズ達と共に離れた所で見ていたアレクは、今はもう光を失っている石を見つめた。
「この邪気を前にしては我々の力などないに等しいのでは?」
するとその聖騎士の剣だけ光が弱まっていく。
「しっかりしろ! 引けばお前の後ろに守る者達全てが死ぬぞ。あの日のブリジット様のお背中を思い出せ! あの背中は我々を守る事を、民を守る事を決して諦めなかったのだ!」
ハイスは王の間に足を踏み入れた。
黒い靄は邪気そのものだった。長時間この中に晒されれば例え聖騎士とはいえ死んでしまうだろう。ハイスは光る剣で黒い靄を斬っていく。その度に王の間を垣間見る事が出来るが、またすぐに黒い靄によって視界を奪われてしまった。
「周りに気を付けて剣を振れ!」
しかし同時に入ったはずの聖騎士達の返事はなく、すでにはぐれてしまったようだった。
王の間はこれ程広かっただろうか。距離を測れないこの場所では何が起きているのか全く分からない。その時誰かの叫び声がした。
「どこにいるんだ? 助けに行くから返事をしてくれ!」
しかし声は再び黒い靄の吹き荒れる轟音によって打ち消されてしまう。
「…様? ハイス様?」
声がして振り向くとそこにはブリジットが立っていた。
「ブリジット様、よくご無事で!」
「どうされたのですか? なんだか今日のハイス様、様子が変です」
その瞬間、馴染みのある水の音が聞こえてきた。静まり返った祈りの間で、時折揺れる水面が発する水音。訳が分からずとっさに剣を構えたまま辺りを見渡した。
「たった今まで王の間にいたはずだ……」
「王の間? ハイス様はずっとここにおられましたよ。ただ剣を抜いたまま動かないので心配しました。私はもう今日の祈りを終えたのでこれから城に向かわなくてはならないんです。あの、本当に大丈夫ですか?」
「でも確か泉の水は半分以上がなくなってしまったはずです」
泉を振り見たハイスはだらりと剣を下ろした。アレクによって半分にされた水は今、縁までたっぷりと水が満ちている。訳が分からずに片方の手で頭を押さえた。
「するとあの邪気も夢だったのか」
ブリジットは心配そうに覗き込んできた。
「やっぱり今日のハイス様は少し変です。邪気などここにはありませんよ」
「王都が邪気で覆われていたのです!」
「きっとお疲れなのですね。いくらお若いからと言っても無理は禁物ですよ」
その時、とっさにブリジットの手首を掴んでいた。
「失礼ですが、ブリジット様は今おいくつでいらっしゃいますか?」
目を丸くしたブリジットは驚いた後、力が抜けたように笑い出した。
「私の年も忘れてしまったのですか? 十六歳になったばかりです。先日お祝いしてくださったでしょう?」
「十六!?」
あれが夢だというのならやけに現実味のある夢だ。いや、むしろ夢とはそういうものなのかもしれない。夢の世界にいる間はどれだけ滅茶苦茶な内容だとしても本当の事だと思ってしまうものだから。
「悪夢だな」
頭を掻き毟った時だった。その手にブリジットの少し冷たい指先が触れた。
「部屋でお休みになられてはいかがですか?」
「先程城に向かうとおっしゃいましたね。どのようなご用事で?」
「神官長と一緒に王城へ来るようにと、国王陛下からのご命令だそうです」
「陛下から? なんの用でしょうか」
するとブリジットは小さく笑った。
「分かりませんが、先日聖女に選ばれた日にいなかった方に紹介したいと聞き及んでおります」
「それはまさか、リアム殿下の事でしょうか。あの日は確かリアム殿下は地方の視察で外出されておりましたから」
「そうみたいですね」
「楽しみですか?」
「はい! リアム殿下は遠目から拝見しただけですが、とても素敵なお方でした。まさかご挨拶出来るなんて、とても緊張してしまいます」
はにかんだ笑顔に心の奥が抉られるように傷んだ。
ブリジットとリアムが出会う前の瞬間。今の時点で止める事が出来たなら、夢で見たような悲劇は起こらずに済むのだろうか。そうしている間にも廊下の先からブリジットを呼びにきた神官の姿が目に入る。ブリジットは少し緊張した面持ちで返事をすると歩き出そうとした。そこからは無意識だった。気がつくとブリジットの細い肩を掴んでいた。
「どうかなさいましたか? 早く向かわないと陛下とリアム殿下をお待たせしてしまいます」
「……でくれ」
「なんて?」
「行かないでくれ! リアム殿下の所には行かないで欲しい」
「どうしてそんな事を仰るんです?」
「どうして?」
「私は、その」
廊下から待ちくたびれた神官が心配そうに近づいてくる。肩を掴んでいる力を無意識に強めて、そしてパッと離した。
「忘れてください。悪夢を見てどうかしてしまったようです。なんだか嫌な予感がしてしまって」
「深い意味はないのですね?」
「深い意味なんてありませんよ。引き止めてしまい申し訳ありません」
ブリジットは掴まれていた肩を押さえると俯いた。
「臆病なんですね」
「……ブリジット様?」
「なんでもありません。それでは行って参ります」
ブリジットの小さな背中が離れていく。ハイスは走り出すとブリジットの腕を掴み振り向かせた。
「やっぱり行かないでくれ! 深い意味はある! あなたをリアム殿下には渡したくないんだ!」
そのまま腕の中に抱き締めた。
「ふふ、やっと言ってくれましたね」
腕の力を緩めると、ブリジットが微笑んだ顔を上げた。
「そのお言葉をずっと聞きたかったんです」
「ブリジット様ッ」
「ですがもう遅いです。あなたが臆病なせいで私は結局こんなに辛い人生になってしまいました。でもそれももう過去の事。私には夫がいると言いましたよね?」
「それは夢の中の話で……」
「夫がいるんです。私を愛して守って、抱いてくれる夫がいるんですよ。ハイス様ではない男性です」
「ッ」
「でもそこまで私を忘れられないのなら、ここにいる間はあなたの物になってもいいですよ?」
ブリジットの腕が首に回る。そして力を込めて首を下げさせられた。目の前に愛らしいブリジットの顔が迫ると理性がぐらりと揺れた。
「ずっと一緒です。ここにいる限り私はあなたの物。ずっとあなたの腕の中に閉じ込めておいて下さい」
ハイスは一瞬細い腰を抱き締めたが、目を瞑ると顔を逸して突き放した。
「……あなたはそんな人ではない。夫がいるのならなおの事、裏切る真似はしないはずです。だから……」
ハイスは戻していた剣を引き抜いた。構えると刀身が再び光を放ち始める。
「あなたは本物のブリジット様ではない」
「私はブリジットですよ。どうしてそんな事を仰るの?」
「ブリジット様の皮を被った偽物だ!」
するとブリジットの周りに兵士が集まり出す。そしてブリジットはハイスを睨み付けた。
「ハイス様が乱心してしまったの! 取り押さえて!」
ハイスは剣を構えた。
「あなたに私は斬れないわ。だって私の事を愛しているもの」
光を放つ剣を持ち直すとハイスは目を瞑った。
「……確かに例え違うと分かっていても、ブリジット様のお姿をした者を斬る事は私は出来ない。だからこうする!」
ハイスは思い切り泉に飛び込んだ。
水の感覚が体に纏わり付く。それでも息が苦しくない事に笑みを浮かべていた。
目を凝らすと中に人影らしい姿が幾つか見える。しかし黒い靄は王の間の中を吹き荒れる風のように蠢いていた。
「ブリジット様! いらっしゃいませんか!? ブリジット様!」
中に入ろうとするハイスの袖をルイーズが引いて止める。しかしそれと同時にがくりと膝を突いてしまった。
「お前達は下がれ! 邪気に飲まれるぞ!」
兵士も使用人も聖騎士団以外を下がらせたハイスは、二人の聖騎士と共に構えた。
「精霊ウンディーネ様! 邪気を祓う力をお与え下さい!」
すると三本の剣は次第に淡い青色を放ち始めた。
「あれが聖騎士団の力……」
ルイーズ達と共に離れた所で見ていたアレクは、今はもう光を失っている石を見つめた。
「この邪気を前にしては我々の力などないに等しいのでは?」
するとその聖騎士の剣だけ光が弱まっていく。
「しっかりしろ! 引けばお前の後ろに守る者達全てが死ぬぞ。あの日のブリジット様のお背中を思い出せ! あの背中は我々を守る事を、民を守る事を決して諦めなかったのだ!」
ハイスは王の間に足を踏み入れた。
黒い靄は邪気そのものだった。長時間この中に晒されれば例え聖騎士とはいえ死んでしまうだろう。ハイスは光る剣で黒い靄を斬っていく。その度に王の間を垣間見る事が出来るが、またすぐに黒い靄によって視界を奪われてしまった。
「周りに気を付けて剣を振れ!」
しかし同時に入ったはずの聖騎士達の返事はなく、すでにはぐれてしまったようだった。
王の間はこれ程広かっただろうか。距離を測れないこの場所では何が起きているのか全く分からない。その時誰かの叫び声がした。
「どこにいるんだ? 助けに行くから返事をしてくれ!」
しかし声は再び黒い靄の吹き荒れる轟音によって打ち消されてしまう。
「…様? ハイス様?」
声がして振り向くとそこにはブリジットが立っていた。
「ブリジット様、よくご無事で!」
「どうされたのですか? なんだか今日のハイス様、様子が変です」
その瞬間、馴染みのある水の音が聞こえてきた。静まり返った祈りの間で、時折揺れる水面が発する水音。訳が分からずとっさに剣を構えたまま辺りを見渡した。
「たった今まで王の間にいたはずだ……」
「王の間? ハイス様はずっとここにおられましたよ。ただ剣を抜いたまま動かないので心配しました。私はもう今日の祈りを終えたのでこれから城に向かわなくてはならないんです。あの、本当に大丈夫ですか?」
「でも確か泉の水は半分以上がなくなってしまったはずです」
泉を振り見たハイスはだらりと剣を下ろした。アレクによって半分にされた水は今、縁までたっぷりと水が満ちている。訳が分からずに片方の手で頭を押さえた。
「するとあの邪気も夢だったのか」
ブリジットは心配そうに覗き込んできた。
「やっぱり今日のハイス様は少し変です。邪気などここにはありませんよ」
「王都が邪気で覆われていたのです!」
「きっとお疲れなのですね。いくらお若いからと言っても無理は禁物ですよ」
その時、とっさにブリジットの手首を掴んでいた。
「失礼ですが、ブリジット様は今おいくつでいらっしゃいますか?」
目を丸くしたブリジットは驚いた後、力が抜けたように笑い出した。
「私の年も忘れてしまったのですか? 十六歳になったばかりです。先日お祝いしてくださったでしょう?」
「十六!?」
あれが夢だというのならやけに現実味のある夢だ。いや、むしろ夢とはそういうものなのかもしれない。夢の世界にいる間はどれだけ滅茶苦茶な内容だとしても本当の事だと思ってしまうものだから。
「悪夢だな」
頭を掻き毟った時だった。その手にブリジットの少し冷たい指先が触れた。
「部屋でお休みになられてはいかがですか?」
「先程城に向かうとおっしゃいましたね。どのようなご用事で?」
「神官長と一緒に王城へ来るようにと、国王陛下からのご命令だそうです」
「陛下から? なんの用でしょうか」
するとブリジットは小さく笑った。
「分かりませんが、先日聖女に選ばれた日にいなかった方に紹介したいと聞き及んでおります」
「それはまさか、リアム殿下の事でしょうか。あの日は確かリアム殿下は地方の視察で外出されておりましたから」
「そうみたいですね」
「楽しみですか?」
「はい! リアム殿下は遠目から拝見しただけですが、とても素敵なお方でした。まさかご挨拶出来るなんて、とても緊張してしまいます」
はにかんだ笑顔に心の奥が抉られるように傷んだ。
ブリジットとリアムが出会う前の瞬間。今の時点で止める事が出来たなら、夢で見たような悲劇は起こらずに済むのだろうか。そうしている間にも廊下の先からブリジットを呼びにきた神官の姿が目に入る。ブリジットは少し緊張した面持ちで返事をすると歩き出そうとした。そこからは無意識だった。気がつくとブリジットの細い肩を掴んでいた。
「どうかなさいましたか? 早く向かわないと陛下とリアム殿下をお待たせしてしまいます」
「……でくれ」
「なんて?」
「行かないでくれ! リアム殿下の所には行かないで欲しい」
「どうしてそんな事を仰るんです?」
「どうして?」
「私は、その」
廊下から待ちくたびれた神官が心配そうに近づいてくる。肩を掴んでいる力を無意識に強めて、そしてパッと離した。
「忘れてください。悪夢を見てどうかしてしまったようです。なんだか嫌な予感がしてしまって」
「深い意味はないのですね?」
「深い意味なんてありませんよ。引き止めてしまい申し訳ありません」
ブリジットは掴まれていた肩を押さえると俯いた。
「臆病なんですね」
「……ブリジット様?」
「なんでもありません。それでは行って参ります」
ブリジットの小さな背中が離れていく。ハイスは走り出すとブリジットの腕を掴み振り向かせた。
「やっぱり行かないでくれ! 深い意味はある! あなたをリアム殿下には渡したくないんだ!」
そのまま腕の中に抱き締めた。
「ふふ、やっと言ってくれましたね」
腕の力を緩めると、ブリジットが微笑んだ顔を上げた。
「そのお言葉をずっと聞きたかったんです」
「ブリジット様ッ」
「ですがもう遅いです。あなたが臆病なせいで私は結局こんなに辛い人生になってしまいました。でもそれももう過去の事。私には夫がいると言いましたよね?」
「それは夢の中の話で……」
「夫がいるんです。私を愛して守って、抱いてくれる夫がいるんですよ。ハイス様ではない男性です」
「ッ」
「でもそこまで私を忘れられないのなら、ここにいる間はあなたの物になってもいいですよ?」
ブリジットの腕が首に回る。そして力を込めて首を下げさせられた。目の前に愛らしいブリジットの顔が迫ると理性がぐらりと揺れた。
「ずっと一緒です。ここにいる限り私はあなたの物。ずっとあなたの腕の中に閉じ込めておいて下さい」
ハイスは一瞬細い腰を抱き締めたが、目を瞑ると顔を逸して突き放した。
「……あなたはそんな人ではない。夫がいるのならなおの事、裏切る真似はしないはずです。だから……」
ハイスは戻していた剣を引き抜いた。構えると刀身が再び光を放ち始める。
「あなたは本物のブリジット様ではない」
「私はブリジットですよ。どうしてそんな事を仰るの?」
「ブリジット様の皮を被った偽物だ!」
するとブリジットの周りに兵士が集まり出す。そしてブリジットはハイスを睨み付けた。
「ハイス様が乱心してしまったの! 取り押さえて!」
ハイスは剣を構えた。
「あなたに私は斬れないわ。だって私の事を愛しているもの」
光を放つ剣を持ち直すとハイスは目を瞑った。
「……確かに例え違うと分かっていても、ブリジット様のお姿をした者を斬る事は私は出来ない。だからこうする!」
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