大好きな幼馴染がほかの男にとられないように頑張ります

完成された欠陥品

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第一章

プロローグ

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 俺の名前は甘江田あまえだ 真一しんいち
 そんな俺には、思井おもい 春香はるかという幼馴染がいる。
 家が隣同士で、それこそ赤ちゃんの頃から一緒だったらしい。昔のアルバムを開いても、俺と春香が写っているものばかりで、俺しか映っていない写真を探すほうが大変だと思う。
 そんな幼馴染の春香のことが、俺はとても好きだ。

 春香はすごい女性だ。
 春香は美人だ。つややかな黒い髪がよく似合う目鼻立ちのクッキリとした顔立ちで、現実には存在していないのではないかと錯覚するような美しさがある。
 春香はスタイルがいい。いわゆるボン・キュッ・ボンというやつだ。胸が大きくて、そんな胸があるとは思えないほど腰がクビレていて、お尻は丸くて柔らかそうな女性らしさを感じる。
 春香は優しい。誰にでも分け隔てなく接するし、人が嫌がるような掃除なども進んでやるような子だ。
 春香は勉強ができる。学年で1番の座を譲ったことがないし、模試でもあの東大の判定がA以下になったことがない。
 春香は運動ができる。それこそ、各部活から頻繁に誘われるくらいには、どの運動もまんべんなくそしてとてつもなくできる。

 そんなはるかに比べて俺は、どれも微妙だ。
 容姿は中の上くらい。体は痩せているが筋肉がついているかと言われれば微妙で、身長も175㎝程度。コミュニケーションは下手で、盛り上げたりできずに聞いてばかりだ。勉強は春香が教えてくれるから学年で3位くらい。運動はあまり得意ではない。

 だから、だろうか。告白なんてできなかったし、一緒にいてくれるだけでも嬉しかった。

 多分だけど、春香も俺のことは好意的に見てくれているはずだ。
 じゃなかったら、毎日のように俺の部屋で来ることもないし、毎週土日を一緒に過ごすことはしないと思う。
 てか、冷静に考えたら下手なカップルより一緒にいるのではないだろうか。

 しかし、こんな微妙な状態で満足していてはいけないと思ってはいた。
 傷つくことを恐れて行動しなければ後悔してしまうかもしれない。でも、行動してしまって今の大切な関係を失ってしまうのも嫌だ。そう思っていた矢先の出来事だった。
 毎週約束なんてしていなくても朝から俺の部屋に遊びに来るはずなのに、その土曜日は俺の部屋に春香が遊びに来ることはなかった。

 翌日、春香はいつも通り遊びに来たが、土曜日のことを聞いてもはぐらかされてしまい、なぜ来なかったのかを教えてもらうことはできなかった。
 だが俺は数少ない友人から、土曜日に街中で春香とクラスのイケメンが一緒に歩いているのを見たと聞いていた。
 だからこそ、はぐらかされたことが悲しく、そして春香を失ってしまう恐怖を感じざる負えなかった。

「決めた。告白しよう。」

 覚悟が決まれば後は簡単だ。
 告白する舞台を用意するだけのこと。
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