3 / 21
第一章
思井 春香のプロローグ
しおりを挟む
私には大好きな人がいる。
名前は真一で、私の幼馴染だ。
家が隣同士で、両親同士が中が良かったから幼いころから一緒だったし、兄妹みたいに育ってきた。
だからなのか、真一は私の好意に気づいていない気がする。
太ももや肩、ブラ紐が見えるような服を着て部屋に遊びに行っても全然反応がないし、彼の胡坐の間にくっつくように座ってみても「一緒に見る?」と見ているアニメを見せてくる始末だ。
その時間もまた、私は好きなのだが。
一般的には、私は可愛いや綺麗といわれる事も多いし、告白は後を絶たないので割と美形なほうだと思っている。
身体も、彼がアニメで好きなキャラクターと同じように胸が大きくて腰にクビレがあってお尻がでかい感じのいわゆるぼんっきゅぼんだし、彼の好きな黒髪ロングに敢えてしている。
髪なんて、短いほうが手入れも楽だし、ひっかけたりすることもない。なのに、ロングにしているのは真一がそういう女の子が好きだからに過ぎない。
なんだか、悶々としていると真一がぶつぶつ呟いているのが聞こえた。
真一は、考え込むと独り言をいう傾向にある。
私は、そんな真一の考え事をしている時の顔が好きなのだ。
真剣な表情をしているので、ずっと見つめていたくなるし、見つめていても全く気付かない。
「真一?さっきからぶつぶつ喋ってるけどどうしたの?」
さすがに、ずっとぶつぶつ言っているのは怖いので少し話しかけてみることにする。
大体、こういう時は私がいることを忘れているので、声をかけると考え事から戻ってきてくれる。
「いや、独り言。なんて言ったか聞こえた?」
やっぱり考え事だったらしい。
「いや、あんま聞こえなかったけど。」
安堵したよな真一の顔、聞こえなくてよかったってことは私に言えないようなことを考えていたのだろうか。
少し間を開けて、真一が私を見つめて言う。
真一に見つめられると恥ずかしくて目をそらしてしまいそうになる。
「春香。今年のクリスマスの予定をあけといてほしいんだけど。」
「いいけど。てか、毎年一緒に過ごしてるでしょ。今年はうちでやる予定だよね?」
そう、毎年交代で互いの家で甘江田家と思井家で集まってクリスマスパーティーをしている。
今年はうちでやるので、真一がうちに泊まっていく予定だ。なので、そこでは特にアプローチを強化しようとお母さんと話していた。
「いや。今年は二人クリスマスを過ごしたいんだ。
二人でご飯食べに行って、イルミネーション見ながら春香に告白するから、二人で出かけるって和真さんと一花さんに言っておいてほしいんだよね。」
意味が分かるけど分からない言葉がたくさん出てきた。
「ん?二人?告白?イルミネーション?」
「俺と春香の二人でクリスマスを過ごしたい。そのうえで、デートの終わりに告白したいから、クリスマスの予定を開けてほしいんだ。
俺さ、昨日、愛原君と出かけてた姿を見たって話を聞いて、春香のこと取られたくない。
だから、ちゃんと告白してお付き合いしたいんだ。
そのために、準備してクリスマスに告白するから、予定あけといて。」
突拍子もないとは正にこのことだ。真一は私に興味がないんだと思っていた。
しかも、告白をすると言っている。そんなこと言われたら緊張してしまう。
「あ、あの、わかったから。
予定も明けとくし、両親にも言っておくから。
きょ、今日は帰るね。」
とにかく、恥ずかしさや真一への愛おしさで爆発してしまう前に逃げなければならない。
嬉しさと恥ずかしさと困惑で何も考えることができない。
「あ、うん。隣だけど送ってくよ。」
「いや、いい!
大丈夫!ほんとにすぐだから。
ね?大丈夫!
ま、またね!」
私は顔を隠しながら、自宅へと走った。
誰にも真っ赤な顔を見られないように、自分のベッドへと飛び込んだ。
名前は真一で、私の幼馴染だ。
家が隣同士で、両親同士が中が良かったから幼いころから一緒だったし、兄妹みたいに育ってきた。
だからなのか、真一は私の好意に気づいていない気がする。
太ももや肩、ブラ紐が見えるような服を着て部屋に遊びに行っても全然反応がないし、彼の胡坐の間にくっつくように座ってみても「一緒に見る?」と見ているアニメを見せてくる始末だ。
その時間もまた、私は好きなのだが。
一般的には、私は可愛いや綺麗といわれる事も多いし、告白は後を絶たないので割と美形なほうだと思っている。
身体も、彼がアニメで好きなキャラクターと同じように胸が大きくて腰にクビレがあってお尻がでかい感じのいわゆるぼんっきゅぼんだし、彼の好きな黒髪ロングに敢えてしている。
髪なんて、短いほうが手入れも楽だし、ひっかけたりすることもない。なのに、ロングにしているのは真一がそういう女の子が好きだからに過ぎない。
なんだか、悶々としていると真一がぶつぶつ呟いているのが聞こえた。
真一は、考え込むと独り言をいう傾向にある。
私は、そんな真一の考え事をしている時の顔が好きなのだ。
真剣な表情をしているので、ずっと見つめていたくなるし、見つめていても全く気付かない。
「真一?さっきからぶつぶつ喋ってるけどどうしたの?」
さすがに、ずっとぶつぶつ言っているのは怖いので少し話しかけてみることにする。
大体、こういう時は私がいることを忘れているので、声をかけると考え事から戻ってきてくれる。
「いや、独り言。なんて言ったか聞こえた?」
やっぱり考え事だったらしい。
「いや、あんま聞こえなかったけど。」
安堵したよな真一の顔、聞こえなくてよかったってことは私に言えないようなことを考えていたのだろうか。
少し間を開けて、真一が私を見つめて言う。
真一に見つめられると恥ずかしくて目をそらしてしまいそうになる。
「春香。今年のクリスマスの予定をあけといてほしいんだけど。」
「いいけど。てか、毎年一緒に過ごしてるでしょ。今年はうちでやる予定だよね?」
そう、毎年交代で互いの家で甘江田家と思井家で集まってクリスマスパーティーをしている。
今年はうちでやるので、真一がうちに泊まっていく予定だ。なので、そこでは特にアプローチを強化しようとお母さんと話していた。
「いや。今年は二人クリスマスを過ごしたいんだ。
二人でご飯食べに行って、イルミネーション見ながら春香に告白するから、二人で出かけるって和真さんと一花さんに言っておいてほしいんだよね。」
意味が分かるけど分からない言葉がたくさん出てきた。
「ん?二人?告白?イルミネーション?」
「俺と春香の二人でクリスマスを過ごしたい。そのうえで、デートの終わりに告白したいから、クリスマスの予定を開けてほしいんだ。
俺さ、昨日、愛原君と出かけてた姿を見たって話を聞いて、春香のこと取られたくない。
だから、ちゃんと告白してお付き合いしたいんだ。
そのために、準備してクリスマスに告白するから、予定あけといて。」
突拍子もないとは正にこのことだ。真一は私に興味がないんだと思っていた。
しかも、告白をすると言っている。そんなこと言われたら緊張してしまう。
「あ、あの、わかったから。
予定も明けとくし、両親にも言っておくから。
きょ、今日は帰るね。」
とにかく、恥ずかしさや真一への愛おしさで爆発してしまう前に逃げなければならない。
嬉しさと恥ずかしさと困惑で何も考えることができない。
「あ、うん。隣だけど送ってくよ。」
「いや、いい!
大丈夫!ほんとにすぐだから。
ね?大丈夫!
ま、またね!」
私は顔を隠しながら、自宅へと走った。
誰にも真っ赤な顔を見られないように、自分のベッドへと飛び込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?
みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。
普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。
「そうだ、弱味を聞き出そう」
弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。
「あたしの好きな人は、マーくん……」
幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。
よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる