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第一章
第15話 風呂上がり
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気が付けば、風呂場から出てすぐの床に寝かされていた。
多分だが、のぼせてぶっ倒れたのだ。
「あ、真一起きた?
突然倒れるからびっくりしたよ。
さすがにソファーまでは運べなかったから床に寝かせたの、ごめんね。」
見上げれば、ショートパンツを履いた春香。
ショートパンツの隙間から下着が見えそうで見えない。
「大丈夫、少し刺激が強かっただけだから。」
身体を起こしながら答えるが、多少のだるさは残っている。
春香の黒い髪は濡れて光を反射していた。艶やかな黒髪がきれいだと思った。
化粧を落としたのか心なしか幼く、かわいらしくなったように見えるが、化粧する前と後でほとんど変わっていない気がする。
「少し休んで、今日は何もせずに寝よっか。
お母さんとお父さんが帰ってくるのも一週間後だし。」
春香から冷たいお水が手渡され、それで喉を潤した。
何もしないのは残念なような気がするが、少しだけホッとしている自分がいる。
長い付き合いとはいえ、付き合った初日に行為を行うのは不誠実な気もしていたのだ。
「一花さんたちが帰ってくるまでうちに泊まるの?」
そうなってくると、俺は性欲の権化と化し春香の身の安全は保障されないと考えてもらっていい。
なんて、あほなことを現実逃避気味に考えていた。
「もちろん。お母さんにはもう伝えてあるし、美香さんも自由に使っていいって許可くれたよ。
後ね、お母さんがお母さんのこれ使いなさいって言ってたよ。」
春香が手に持っていたのは、黒いパッケージに蝶の柄が書いてある正方形のあれだ。
ここまで言えばわかる人はわかると思うが、望まぬ妊娠を避けるために使用する人類の味方だ。
「あ、あと、美香さんから伝言なんだけど、美香さんの部屋にある服の引き出し右側の一番上を後で見といてって言ってたよ。」
多分だが、春香の持っているそれに類するものが入っているのだろう。
両親がいまだにそれを使って行為をしているのかと頭をよぎったが、すぐに忘れることにする。
「春香、あんまり見せびらかすのはやめたほうがいいかなって思うよ。」
俺には、刺激が強いから。
それに、相手の親にもうちの親にも公認だと思うと嬉しくも悲しくなってくる。
「私、わかったことがるの。」
「な、なに?」
突然の力強い言葉に驚いた。
その避妊具を置いてくれればだいぶ、恰好が付いたのにと思う。
「真一って、ヘタレだから待ってちゃダメなんだなって。
だから、私が引っ張るくらいの気持ちでしたいことをしたいって言わなくちゃダメなんだなって。
だからね、真一。私は真一と…。」
俺は急いで春香の口をふさいだ。
もごもごとしゃべっているが、聞こえないふりをした。
少しの間ふさいでいれば、落ち着いたのか、上目遣いで何も言わなくなった。
落ち着いたならよかったと手を離そうとした瞬間、ぬめっと温かく濡れた何かが俺の手を撫で上げた。
どう考えても、春香が俺の手をなめたのだ。
「な。なにすんの!?」
急いで手を離そうとするが、春香に腕を掴まれる。
そのまま、腕を引き寄せ、俺の指をパクっと食べた。
「ひやぁ!なんでぇ。」
びっくりして情けない声が漏れた。
春香は口に含んだ指をちゅぱちゅぱと舐めている。
潤んだ瞳は俺を見つめている。
そして俺は逃げ出した。
全裸の俺は自分の部屋へと戦略的撤退をするほかなかった。
撤退をする俺とは裏腹に、息子は戦に向けて立ち上がるばかりだった。
多分だが、のぼせてぶっ倒れたのだ。
「あ、真一起きた?
突然倒れるからびっくりしたよ。
さすがにソファーまでは運べなかったから床に寝かせたの、ごめんね。」
見上げれば、ショートパンツを履いた春香。
ショートパンツの隙間から下着が見えそうで見えない。
「大丈夫、少し刺激が強かっただけだから。」
身体を起こしながら答えるが、多少のだるさは残っている。
春香の黒い髪は濡れて光を反射していた。艶やかな黒髪がきれいだと思った。
化粧を落としたのか心なしか幼く、かわいらしくなったように見えるが、化粧する前と後でほとんど変わっていない気がする。
「少し休んで、今日は何もせずに寝よっか。
お母さんとお父さんが帰ってくるのも一週間後だし。」
春香から冷たいお水が手渡され、それで喉を潤した。
何もしないのは残念なような気がするが、少しだけホッとしている自分がいる。
長い付き合いとはいえ、付き合った初日に行為を行うのは不誠実な気もしていたのだ。
「一花さんたちが帰ってくるまでうちに泊まるの?」
そうなってくると、俺は性欲の権化と化し春香の身の安全は保障されないと考えてもらっていい。
なんて、あほなことを現実逃避気味に考えていた。
「もちろん。お母さんにはもう伝えてあるし、美香さんも自由に使っていいって許可くれたよ。
後ね、お母さんがお母さんのこれ使いなさいって言ってたよ。」
春香が手に持っていたのは、黒いパッケージに蝶の柄が書いてある正方形のあれだ。
ここまで言えばわかる人はわかると思うが、望まぬ妊娠を避けるために使用する人類の味方だ。
「あ、あと、美香さんから伝言なんだけど、美香さんの部屋にある服の引き出し右側の一番上を後で見といてって言ってたよ。」
多分だが、春香の持っているそれに類するものが入っているのだろう。
両親がいまだにそれを使って行為をしているのかと頭をよぎったが、すぐに忘れることにする。
「春香、あんまり見せびらかすのはやめたほうがいいかなって思うよ。」
俺には、刺激が強いから。
それに、相手の親にもうちの親にも公認だと思うと嬉しくも悲しくなってくる。
「私、わかったことがるの。」
「な、なに?」
突然の力強い言葉に驚いた。
その避妊具を置いてくれればだいぶ、恰好が付いたのにと思う。
「真一って、ヘタレだから待ってちゃダメなんだなって。
だから、私が引っ張るくらいの気持ちでしたいことをしたいって言わなくちゃダメなんだなって。
だからね、真一。私は真一と…。」
俺は急いで春香の口をふさいだ。
もごもごとしゃべっているが、聞こえないふりをした。
少しの間ふさいでいれば、落ち着いたのか、上目遣いで何も言わなくなった。
落ち着いたならよかったと手を離そうとした瞬間、ぬめっと温かく濡れた何かが俺の手を撫で上げた。
どう考えても、春香が俺の手をなめたのだ。
「な。なにすんの!?」
急いで手を離そうとするが、春香に腕を掴まれる。
そのまま、腕を引き寄せ、俺の指をパクっと食べた。
「ひやぁ!なんでぇ。」
びっくりして情けない声が漏れた。
春香は口に含んだ指をちゅぱちゅぱと舐めている。
潤んだ瞳は俺を見つめている。
そして俺は逃げ出した。
全裸の俺は自分の部屋へと戦略的撤退をするほかなかった。
撤退をする俺とは裏腹に、息子は戦に向けて立ち上がるばかりだった。
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