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数日後、理性を取り戻した僕は頭を抱えた。言っただろう?僕は誘発剤を使った時以外、発情していた間のことは全部覚えている。あれから当然のように発情期に入り、河原と僕はずっとセックスをしていた。それはまあいい。毎度のことだし、αとΩにはよくあることだ。だけど僕はずっと砂糖を吐きそうなくらいベッタベタに河原に甘えまくっていた。今までの反動が来たからって欲しがりすぎだろ、僕。
河原も僕を際限なく甘やかすから良くない。最初なんで発情起こしてるのに理性あるんだって思ってたけど、もしかしてあいつ発情してたからあんな感じだったのか?今までが無理してたのかな?「ずっとこうしたかった」って言ってたしそうなんだろうな。αにしては珍しいけど、元から尽くすタイプだったしな。あれは…まあ、悪くなかったかも、しれない。
そんな河原はまだ寝ている。僕だけが悶えてるのは不公平だと思って軽く鼻をつまむと、河原はしばらくもぞもぞした後ゆっくり目を開けた。
「ああ、起きましたか。おはようございます」
…起きてもけろっとしてるな!!
「なんか、ずるい」
「ん?もしかして照れてます?可愛かったですよ、すごく」
河原も照れくさいのか顔を赤くしながらそれでもにやにやと笑ってこっちを見てくる。なんだその余裕。
「あんな感じじゃなくていいから、普段ももっと甘えてください。プレイの時も僕に何か遠慮してるでしょ?我慢しなくていいんですよ」
頭を撫でてくる手が暖かい。僕は思わず目を細めた。
「分かった。覚悟しておいてね」
「…もしかしてまだ上があるとか言いませんよね?」
「うーん?内緒!」
「こっわ…」
結局、「僕と河原は運命の番じゃなかったけど、偶然にも僕があそこで発情事故を起こしたため僕達は自分達が運命の番だと勘違いした」ということになった。
「それでも僕達は運命的な巡り合わせをしたわけで、それは運命の番よりも強固なものだと信じています」とは河原の言葉。全てを仕組んだ僕が言えたことじゃないけど、よく言えるよね。
もちろん怪しむ声はあったけど、僕と河原の2人で捻り潰した。そもそも時間が経ちすぎてるし、河原が被害を否定しているんだから確かめようもない。
本物の運命の番さんの方は、たまたまこっちに旅行しに来ただけで家は僕達の住んでるところからかなり離れているらしい。お互い一安心である。
数年後、2人して育児に悪戦苦闘することになるんだけど、それはまた別のお話。
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