The ミリオネア 〜億万長者を創る方法〜

一 千之助

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 拉致被害者

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「.....いったい?」

「なに? ここ.....」

 気づけば二人は密室に閉じ込められていた。

 軽く見渡したところ、普通の部屋。二つのシングルベッドに文机。壁に埋め込み式なクローゼットと、その横に二つの扉。
 それを確認してみると、中は浴室とトイレだった。他に扉はない。

 そう出入り口の扉がないのだ。

「えっ? なんで? どうして私、こんなとこにいるの? 毅、わかる?」

 オロオロ狼狽えているのは幼馴染みの円香。

 少し長めなセミロングのボブに幼気ない大きな瞳。幼馴染みの贔屓目を抜いても可愛い方だと思う。
 しかも小さくて細いわりに出るとこも出てて、毅の掌にも余るくらい胸はある。

 今日、俺達は春休みで映画を観に行ったはずだ。

 晴天に恵まれ、映画館で飲み物を買い、席についたまでは覚えてる。

 そこから..... 何があった?

《redys and gentleman!! いよいよ始まります、世紀の調教レースっ!!》

 突然高らかに男性の声が聞こえ、壁だった一面がスルスルと上にのぼっていく。
 そこには檻のような鉄格子がはまっていて、向こう側に何か色々なモノが見えた。

 見た感じ、どうやら大きな部屋があるらしい。

《エントリーされた完全無作為のカップル! どの組が調教を完遂させるかっ!! 皆様、奮ってお賭けくださいませっ!!》

 どこからか怒濤のような雄叫びや奇声が聞こえてくる。
 事態についていけず固まる毅達の前で鉄格子の一部が開き、さらなるアナウンスが続いた。

《さあ、そこからプレイルームへ、どうぞっ!》

 プレイルーム? あちらの部屋の事だろうか。

「これって..... 私達に?」

「みたいだな」

 慎重に鉄格子を見つめ、毅と円香は恐る恐る入り口らしき所から出ていく。
 するとそこには多くの遊戯台が並んでいた。
 毅は、知らず眉を寄せる。
 御年頃な男子なら一度は興味を持つ淫猥な器具のアレコレ。
 拘束板や張りつけ台。上下にスライド出来るタイプのギロチン首板もある。
 ガッチリ拘束出来るような鎖と共に、じゃらじゃら繋がれた多くの枷。
 三角木馬やフックのついた複数のポール。
 上を見上げれば案の定、それ系に使われるであろう滑車とロープが無数に備え付けられていた。

 壁際に並べられたカップボードにも、各棚ごとに大人の玩具の域を越えた品揃え。
 ディルドウやローターあたりは分かるが、鞭とか蝋燭とか。毅の腕ほどもあるデカいシリンジとか。

 素人目でだって、これが普通でない事は理解出来る。

 アナウンスが言っていた調教って.....? まさか。

 ゴクリと固唾を呑み、毅は無意識に円香を背中に庇うよう周囲を見渡す。

 薄暗かった部屋にライトが当てられ、一瞬視界を奪われた毅だが、そのライトの周りにランダムで配置されたヴィジョンには同じように唖然とする男女が映っていた。毅達が映るモノもある。

 その数、二十人以上。

《これはライブ配信のリアル調教! 皆様方の要望をルーレットにて決定し、エントリーした参加者に行ってもらうイベントですっ!!》

 なん.....?

 先程の嫌な想像が当たり、毅は絶句する。

《素人の集まりです。皆様、まずはソフトなプレイから御願いいたしますね~♪ おお、集まる集まる! ん? どなたですかぁ? フィストファックとかぁ、ムリムリ、主催権限で弾きまぁ~す!!》

 耳障りな嗤いが、どっと溢れた。

 そのアナウンスの内容で、毅の背筋には冷たいモノが滑り落ちる。

 ガチか。やらなかったら、どうなるんだ?

 背中に感じる円香の指。それは異様な空間や音声の恐怖によるものか、カタカタと小刻みに震えていた。
 しばしの沈黙を経て、ヴィジョン全部に文字が浮かぶ。

 フェラチオ。

《今回のお題は、フェラチオーっ!! 如何に皆様を楽しませる事が出来るかっ!! 多くのポイントを得た参加者には賞金が! 最下位には罰ゲームが御用意してありますっ!! では、レーススタートぉぉ!!》

 うおおおぉぉっ!!

 耳を劈くような声が轟き、狼狽えるヴィジョンの中の人々。毅らも同様だ。
 しかし誰も動かない。その様子に焦れたのか、アナウンスの男性が、溜め息まじりに説明を始めた。

 いわく、ここにいる人々は無作為に誘拐されたカップル。
 このゲームに勝ち抜けば、多くの賞金とともに解放される。
 しかし反抗的だったり、最下位になった場合は、罰ゲームという名の処罰が与えられるらしい。
 この大量の声は視聴者達。大枚払って視聴権を買い、プレイの指示に参加している。
 そしてこの視聴者から入れてもらう投げ銭が御布施と呼ばれ、毅達らのポイントとなり、賞金となるのだとか。

 ……むちゃくちゃだ。

 ぎりっと奥歯を噛み締める毅の眼に、あるヴィジョンが入る。

『ふざけるなっ! 俺達を帰せっ!』

『そうよっ! こんな事、許されないわっ!』

 いくつかのヴィジョンから怒号が上がっていた。

 気持ちは毅も同じだ。しかし.....?

 毅の嫌な予感は再び当たり、複数の黒服な人間がやってきて、怒鳴っていた人々に鞭を振るった。
 先端が硬い何かで出来たような鞭は空を切り、凄まじく乾いた音をたてて拉致されてきただろう被害者らを打ち据える。

『ぎゃああぁぁっ!!』

 かなり硬いモノだったらしく、打たれた男性の頬がみるみる赤く膨れ上がった。
 もんどりうって床を転がる人々に、観客らしい人間らのうっとりとした溜め息や口笛等が聞こえた。
 これはこれで需要のあるプレイなのだろうか。おぞましい。

《あーあ、だから説明しておいたのにぃ。まあ、私は優しいのでね。今のところは。さあさあ、参加者の皆様? お客様を悦ばせてくださいませね?》

 戸惑いながらも、おずおずと行為を始める人々。

 恐怖に震えあがり、青ざめた顔で勃たない者もおり、観客らからブーイングが上がっていた。
 一種異様な空間だが、大体は理解したのだろう。円香も、すがるような眼差しで毅を見上げている。

「毅ぃ.....」

 涙目な円香。

「.....やれるか?」

 二人は中学二年生。そういった行為が分からない歳ではない。
 ディープな調教道具の並ぶ異様な部屋の中で、円香は小さく頷いた。

 それを見て毅も覚悟を決める。

 近場に見えた冷蔵庫を開けて確認すると、中には水や酒、ジュースなど色々入っていた。
 そこから水を取り出して、毅は口を潤す。

 変な味はしない。保証はないが。

 そして同じように円香に飲みかけのペットボトルを渡した。

「飲んでおけ。口がカラカラじゃキツいから」

 言われて少し飲むが、円香は水も喉を通らないらしい。
 それを見かねて、毅は自分の口に水を含み、円香と唇を合わせて注ぎ込んだ。
 舌先で歯列を割り、円香の舌を押さえつけて、無理やり喉の奥に水を呑み込ませる。

「ふっ.....、っ.....んっ」

 後頭部を掴まれ、円香は毅に与えられるまま水を呑んだ。
 それを何度か繰り返して毅はズボンを緩めると、自分の一物を取り出し、それにもじゃぶじゃぶと水をかけて、ざっと洗う。

「水だけだけど、しないよりマシだと思う。 .....頼むよ、円香」

 切なげに眉をひそめ、毅は跪いた円香の頭を優しく撫でた。
 その柔らかな指先に少し安心したのか、円香は恐る恐る毅の一物を口にする。
 ネットによる知識先行世代だ。それなりの事は知っていた。
 辿々しく毅のモノを咥える円香。その動きが初々しく、毅の腹の奥からずくりと獰猛な愉悦が溢れだす。

「上手だよ、円香。舌先で裏を舐めて?」

 むくむくと起き上がった毅のモノを必死に含み、円香は言われた通り裏の筋をねぶった。

 初めてされる柔らかな舌の感触が堪らない。

「下の玉も触って? そう、優しく揉むように.....っ、ぅっ、悦いよ、円香」

 言われるまま従順に従う少女。

 いつの間にか周囲はシンっとし、二人の行為を凝視している。
 どこから現れたのか、小さなドローンのようなモノが二人の周囲を回り、あらゆる角度から撮影しているようだ。

「.....はっ、悦ぃっ、円香、円香っ、出すよ? 咥えて?」

 毅は艶かしく顔を歪め、円香の頭を両手で掴んだ。

 そして恐ろしく猛り狂う己の一物を激しく突き上げる。

「うぶっ、.....ぅっ、うぅっ」

 口内一杯に太いモノを咥え、含みきれぬ唾液が糸を引いて円香の顎から滴っていた。

「出すよ? イクからっ! 円香ぁぁっっ!!」

 一際大きく腰をグラインドし、毅は円香の喉の奥に己の猛りを吐き出した。
 円香の口の中に、びゅるっと熱い精が踊り、青臭い匂いが口内一杯に広がっていく。
 思わず離れようとする円香の頭を力任せに押さえ込み、彼女の唇が咥えられる限界まで捩じ込む毅。

「んっ、ぐっ? んんんっ!」

「くぁぁ.....っ、悦ぃぃぃ、円香ぁ、出さないで呑むんだ。良いね?」

 毅のモノは、どくんどくんと大きく脈打ち、大量の精を円香の喉に叩きつけた。
 押し付けられた一物で口を塞がれた円香は、わけも分からず言われるままに毅の熱い精を呑み干す。
 涙目で毅のモノを咥える円香。精を呑み込むために動く喉に余韻を刺激され、恍惚とした顔で毅は未だに硬度を失わない一物で円香の喉をまさぐった。

 ねっとりと絡み付く円香の舌が気持ち悦い。

「ああ、上手に呑めたね。可愛いよ、円香」

 最後の一滴まで呑み干させ、毅はズルリと己の一物を引き抜く。
 円香の涎でテラテラと光るソレを彼女の鼻先に突き付け、毅は円香の頭を掴むとさらに命じた。
 疼く劣情が抑えきれない。まだまだと逸る気持ちが毅の声を上ずらせた。

「舐めて? ほら、円香の涎と出したモノでぐちゃぐちゃだ。綺麗にお掃除しないと。ね?」

 淫猥にぬらぬらと光る一物の先端からは未だにビクビクと雫が垂れている。
 優しい毅の言葉に頷き、円香は舌全面で硬いモノを舐めた。

 ぴちゃぴちゃと響く円香の舌の淫猥な水音。

 彼女は舌先で垂れた雫を掬いとり、ちゅむっとその鈴口を吸い上げる。
 亀頭を頬張り、レロレロと仮首まで綺麗に舌を這わす円香。

 その刺激で毅のモノが再び猛り出す。

「.....っ、ふっ、ほら.....袋も。円香の涎が垂れてるよ」

 言われたとおり、袋にも舌を這わせて玉ごと唇に吸い込む円香。こういったことの知識はあれど、陥った異常な雰囲気や詳しく知らないことが功を奏し、彼女は毅に従順だった。
 柔らかな口内でコロコロと転がされ、毅は首を仰け反らせて呻く。

 堪んねぇ、なんだコレ、気持ち悦すぎるっ!

「うぅっ.....まっ、円香、上手すぎっ」

 はあっと甘い吐息をもらして上目遣いに見つめてくる少女の頭を撫で、毅はその唇にキスをした。

「上手だったよ、円香」

 プレイである事も忘れて、二人の世界に浸っていた毅の耳に、大音響の拍手が聞こえる。

「うえっ?」

 瞬間我に返り、慌てて円香を立ち上がらせた毅の頭上にあるスピーカーから盛大なアナウンスが流れる。

《excellent!! 見事な調教でしたっ!! フェラだけでなく、ごっくんとお掃除までっ!! 初めてとは思えない御二人に拍手ーーーっっ!!》

 わあああぁぁっっ!! と怒濤のように降りそそぐ拍手の渦の中、点滅していたランキングプレートのトップに毅らの名前が浮かぶ。
 そこには他を遥かに引き離したダントツのポイントが表示されていた。

 その額、千二百飛んで八万。これが今日の御布施であり、彼等の得た賞金である。


 こうして一年にわたる悪夢のゲームが幕を上げた。
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