「夢」探し

篠原愛紀

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『 風 』

『 風 』

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風が吹く、始まりと終わりを知らせる風が。

日は落ちて、闇が支配する前の、人が夢を見る前の、ほんの少しの時間に。

岬から、船が見えた。

俺と少女の短い「時」が終わるための。

「絵描きさん!船だよ! お兄ちゃんとパパが乗ってるかもしれない」

君との別れの合図だね。

傷つくよね。
怒るよね。
赦さないよね。
泣くよね。

―――あぁ。
束の間の「夢」が終わるんだね。

だから、急がなきゃ。

君に全てを伝えるために。
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