幼馴染の親友の男女が乳首イキを試すことになった話(本番なし)  

いぬに

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2話

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 紗奈はスマホを持つ手をわなわなと震わせる。

「うそ、勝ってたのに……5連敗目……この私が……?」
「対ありでした」
「不正したでしょ! 私の画面見てない?」
「『魔術師』をナーフされた人の末路がこれかぁ」
「ぎぃー! ムカつく! 次は絶対勝つ!」

 紗奈はそう言って缶に残ったビールを飲み干し、トレーナーの袖口に手を入れた。
 服の中をゴソゴソとして、最後に首元からひっぱり出してきたのは、白いブラジャーだった。それを雑に部屋の隅に投げ捨てる。

「本気でやる。覚悟しとけ」
「ノーブラだとなんの関係が?」
「私を縛り付けるものはなくなった」
「なんじゃそら」

 陽斗の視線が下に向き、すぐにそらして缶に手を伸ばす。
 紗奈は自分の胸もとに視線を落とす。胸のふくらみの頂点に、うっすら乳首が浮き上がっていた。

「おやおや? 悩殺されちゃった?」
「目のやり場に困っただけだ。裸は見慣れてるし。この前も俺がいるのに着替え始めたじゃん」
「もっと照れてよ、童貞」
「うるせぇ処女」

 陽斗は言い返しながら缶チューハイを飲み干し、新しい缶を開ける。

 紗奈はおもむろにトレーナーの裾を両手でつまみ、ぐっと引き下げた。
 布が胸のラインにぴたりと張りついて、やわらかなふくらみの輪郭が強調される。
 その中央に、乳首がぽつりと浮いている。

「ねえ」

 紗奈が胸元をじっと見ながら口を開く。
 陽斗が横目でちらりと視線を向けた。

「……なにやってんの」
「乳首だけでイクって、ほんとにできると思う?」

 紗奈は、ふと思い出したことをそのまま口にした。
 陽斗は缶を口に運びかけたまま、ぴたりと止まった。

「は? なんの話?」
「YouTubeで流れてきて。『乳首の感度を高めてイク方法』みたいなやつ」

 ただの素朴な話題を恥じらいなく陽斗にぶつける。

 この手の下ネタが唐突に上がるのは、いまに始まったことじゃない。
 ふたりのあいだに、異性としての意識は1ミリも存在していなかった。

 陽斗はいつも通りのくだらない話題に、呆れたように小さくため息をつく。

「まあ……AVではそういうのあるけど」
「AVはファンタジーじゃん。乳首でイクのが現実かどうか聞いてるんだけど」
「童貞の俺に聞くなよ」
「自分で試したことあるんだけどさ」
「試した? まじで?」
「うまくできなかった。不器用だからかな」

 紗奈は少し首をかしげて、冗談とも本気ともつかない残念そうな声を出した。
 陽斗は困惑したまま、缶を置く。

「つまり、紗奈は……乳首イキを目指してるって?」

 陽斗は酔いの回った頭で適当に話を合わせる。
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