17 / 19
12話
しおりを挟む
「昔の特撮映画にこんなのがいたよね。」
「あ~。いましたね。ただ、アレの周りにはスライムらしき物がついてないはずだけど。」
「スライムっていうより、アメーバ? 粘菌の類では。」
「スライムだと、ゲームだからな。これは違うわな。丸く、とんがってない。ポヨポヨ進んでない、」
「ポヨポヨって、言いたいことはわかるけど。」
近づくにつれ、大人たちの会話が聞こえてくる。観察に忙しいようだ。もしかして、ここに僕らがいることを知らない可能性も。そういえば、いままで、誰もこっちに目を向けてないような。そして、いまもこっちにを見ていない。存在感が薄い? これは、向こうが気が付くまで黙っているべき? 嫌味かな? そんなことを考えていると、
「少し、よろしいでしょうか。」
土水門さんが声をかけていた。
「はっ、はい。」
急に声をかけられたせいか、肩をびくっとし、声が上ずったようだ。予想もしない、急なことだとびっくりするよね。わかります。
逃げているところは映っていたと思ったのだが、違ったのかな? まぁ、どうあれ、本当に、こちらに気づいてようだった。
「榊さんは、どちらに。」
大人たちが、あたりを見渡す。そして、それにつられて僕も辺りを見る。そういえば、言いだしっぺの人がいない。ついでに先生もいない。
「いませんね。帰ったんですかね。」
「そうですか。わかりました。着替えてきますので、彼の手伝いを。それと、彼女をお願いします。」
気にせず、淡々とことを進める土水門さん。力を使う練習の時は気にもしなかったが。この子は、思いのほかマイペースなのではないか。そして、無関心。土水門くんの方を一度たりとも見ていない。はたして、それで通じるか疑問だったのだが、顔をみあった内の1人が、土水門くんのところに行ったのだから、大丈夫だろう。そして、もう1人が、
「わかりました。では、こちらに。」
誘導するように先頭を歩きだした。そして、残った数名が、こちらを見つつ、画面を気にしているようだ。
「お願いします。」
移動の隙を見て、画面をチラ見する。ハリがないべたついた透明な膜に覆われたツタの長い、多分、植物。そんな印象。全体が見えないのだから仕方ない。
遠目ではわからなかったが、ネズミを刺殺したそれは、伸びるごとに、ボタボタト液が漏れたように水面が揺れる。ラジコンヘリが動いていることからすると、望遠レンズがついていたのだろう。ギリギリのところを飛んでいる? もしかして、これも取り込まれたりして。それとも、ゆっくりと外に持っていくのだろうか。外に出るイメージがいまだに、持てないんだけどな。
「あ~。いましたね。ただ、アレの周りにはスライムらしき物がついてないはずだけど。」
「スライムっていうより、アメーバ? 粘菌の類では。」
「スライムだと、ゲームだからな。これは違うわな。丸く、とんがってない。ポヨポヨ進んでない、」
「ポヨポヨって、言いたいことはわかるけど。」
近づくにつれ、大人たちの会話が聞こえてくる。観察に忙しいようだ。もしかして、ここに僕らがいることを知らない可能性も。そういえば、いままで、誰もこっちに目を向けてないような。そして、いまもこっちにを見ていない。存在感が薄い? これは、向こうが気が付くまで黙っているべき? 嫌味かな? そんなことを考えていると、
「少し、よろしいでしょうか。」
土水門さんが声をかけていた。
「はっ、はい。」
急に声をかけられたせいか、肩をびくっとし、声が上ずったようだ。予想もしない、急なことだとびっくりするよね。わかります。
逃げているところは映っていたと思ったのだが、違ったのかな? まぁ、どうあれ、本当に、こちらに気づいてようだった。
「榊さんは、どちらに。」
大人たちが、あたりを見渡す。そして、それにつられて僕も辺りを見る。そういえば、言いだしっぺの人がいない。ついでに先生もいない。
「いませんね。帰ったんですかね。」
「そうですか。わかりました。着替えてきますので、彼の手伝いを。それと、彼女をお願いします。」
気にせず、淡々とことを進める土水門さん。力を使う練習の時は気にもしなかったが。この子は、思いのほかマイペースなのではないか。そして、無関心。土水門くんの方を一度たりとも見ていない。はたして、それで通じるか疑問だったのだが、顔をみあった内の1人が、土水門くんのところに行ったのだから、大丈夫だろう。そして、もう1人が、
「わかりました。では、こちらに。」
誘導するように先頭を歩きだした。そして、残った数名が、こちらを見つつ、画面を気にしているようだ。
「お願いします。」
移動の隙を見て、画面をチラ見する。ハリがないべたついた透明な膜に覆われたツタの長い、多分、植物。そんな印象。全体が見えないのだから仕方ない。
遠目ではわからなかったが、ネズミを刺殺したそれは、伸びるごとに、ボタボタト液が漏れたように水面が揺れる。ラジコンヘリが動いていることからすると、望遠レンズがついていたのだろう。ギリギリのところを飛んでいる? もしかして、これも取り込まれたりして。それとも、ゆっくりと外に持っていくのだろうか。外に出るイメージがいまだに、持てないんだけどな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
追放された俺、悪魔に魂を売って全属性魔法に覚醒。悪魔契約者と蔑まれるが、まぁ事実だ。勇者? ああ、俺を見下してたやつな
自ら
ファンタジー
灰原カイトのスキルは【魔力親和】。評価F。
「外れスキル」の烙印を押された彼は、勇者パーティで三年間、荷物を運び、素材を剥ぎ、誰よりも早く野営の火を起こし続けた。
そして、捨てられた。
「お前がいると、俺の剣が重くなる」
勇者が口にした追放の理由は、侮蔑ではなかった。恐怖だった。
行き場を失ったカイトの前に、一人の悪魔が現れる。
「あなたの魂の、死後の行き先をちょうだい。代わりに、眠っている力を起こしてあげる」
病弱な妹の薬代が尽きるまで、あと十日。
カイトは迷わなかった。
目覚めたのは、全属性魔法――歴史上、伝説にしか存在しない力。
だがその代償は、使うたびに広がる魔印と、二度と消えない「悪魔契約者」の烙印。
世界中から蔑まれる。教会に追われる。かつての仲間には化け物と呼ばれる。
――まぁ、その通りだ。悪魔に魂を売ったのは事実だし。
それでも。没落貴族の剣姫と背中を預け合い、追放された聖女と聖魔の同時詠唱を編み出し、契約した悪魔自身と夜空の下で笑い合う日々は、悪くない。
これは、世界の「調律者」だった男が、その座を追われてなお、自分の手で居場所を作り直す物語。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
【完結】モンスターに好かれるテイマーの僕は、チュトラリーになる!
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
15歳になった男子は、冒険者になる。それが当たり前の世界。だがクテュールは、冒険者になるつもりはなかった。男だけど裁縫が好きで、道具屋とかに勤めたいと思っていた。
クテュールは、15歳になる前日に、幼馴染のエジンに稽古すると連れ出され殺されかけた!いや、偶然魔物の上に落ち助かったのだ!それが『レッドアイの森』のボス、キュイだった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる