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ドラゴン魔王(2)
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ボオオオオオッ
ドラゴンから放たれた炎が僕たちを
燃やしはしなかった。
おや?
炎はリリアの前で消え去り、何事もなかったかのように、そこにリリアが立っていた。
「りりあ?」
リリアはペタンとお尻から落ちて女の子座りになり、涙目で僕を見上げる。
「なんか、大丈夫っぽい」
よくわからないが、早く抱きしめたい。
だけど、まだ動けない。
リリアは目をグシグシこすっている。
「もしかしたら、『聖女の法衣』で無力化したんじゃないかしら?」
ナンシーさんの予想。
すごく合ってそう。
ドラゴンは口を閉じて、少し頭を傾けている。
あいつもあまりわかっていないようだ。
前に勇者と戦った時は聖女はいなかったんだろうか?
考えていると、体が動くようになった。
すぐにリリアを抱きしめる。
「リリア。危ないじゃないか。こんなことは二度とするなよ」
「でもでも、エリオットが危なかったし」
いつものリリアだ。
あたたかくてやわらかくて、良い匂いがする。
僕は泣き止ませるように強く抱きしめる。
「あの、流石に今はイチャつく時じゃないわ」
「そうです。あまり見せつけないでくださるかしら」
ナンシーさんとシルビア様。
だが、今がいいんだ。
「あと5分」
「ダメですわ。エリオット。これが終わったら好きなだけチューチューしてから、今は立ちなさい」
「あ、はい」
僕は立ち上がり、リリアに手を貸して立ち上がらせる。
いつの間にかニコニコ顔だ。かわいい。
「はぁ、後にしなさいって言ってるのに、見つめあって微笑み合わないで」
「いいじゃありませんか。ナンシー大司教。これくらい余裕なほうが良いでしょう」
「はい。シルビア様。さて、あのダークドラゴンも厄介ですが、城下町にドラゴンより強力な魔力を感じました。ドラゴンの頭が治っていく時に、その魔力が強くなったわ。恐らく、その魔力の使い手がドラゴンを治したのでしょう」
ナンシーさんの見事な予測。
頼りになる。
「なるほど。その魔法使いを倒せば、ドラゴンも倒せそうですね」
「そうね。あとは、誰が倒しに行くかね」
ナンシーさんが考え込んでいる。
リリアならドラゴンの攻撃を防げるかもしれない。
しかし、僕はリリアが炎に包まれるかもしれない可能性を無視できない。
「なんだ。お前らで倒せそうじゃないか。俺は逃げるぜ」
アレン。まだいたのか。
ガクガクしている足で立ち上がる。
いや、腰が抜けて動けなかったようだ。
アレンの傍に執事っぽい服を着た白髪の爺さんが急に現れる。
「アレンお坊ちゃま。ささ、急ぎましょう」
執事じいさんはアレンを抱えると浮かびだす。
え?すげえ。
「あれは、ペガサスのスキルよ。空を飛べるとても珍しいスキルよ」
「とても便利そうですね」
すると、ドラゴンが空飛ぶアレンとペガサス執事に向けて口を開ける。
ペガサス執事も気づいたのか素早く空へ飛び上がる。
そして、ドラゴンの炎が空飛ぶアレンたちへ放たれた。
ゴオオオッ
なんとか避けれたようだ。
あれ?ドラゴンはアレンを狙ってる?
「いいものが見れたわ。ドラゴンはアレンを狙っているのね」
「そうみたいですね。よし、僕たちは魔法使いを倒しましょう」
「ええ。行きましょう」
「リリア。もう少し戦えるか?」
「当たり前よっ。アタシの弓で魔法使いを倒してあげる」
強気なのはいいが、今までのリリアの弓は僕にばっかり当たる。
別にいいんだけどね。
ドラゴンが移動を始める。
と同時に、紫色の半透明のドームが城下町を囲むように作られていく。
「あの魔法使いね。どうやら、アレンを逃がさないようにしているわ」
アレンを見ると、ドームの内側から出れないようだ。
ドラゴンが再び炎を出す。
なんとか避けている。
まだ持ちそうだが、早めに倒してあげよう。
あいつが倒されると、次は誰が狙われるかわからないからな。
「勇者エリオット様。私たちはここを離れることができません。王族として城を守る責任があるのです。ですから、どうかよろしくお願いします」
シルビア様や宰相、周りの兵士が頭を下げている。
そんなことをしてもらわなくても、僕がすることは変わらない。
「任せてください。僕があのドラゴンも倒します」
僕はナンシーさんの後を走ってついていく。
リリアを見ると、まだニコニコしている。
やっぱり笑顔のリリアはかわいい。
ドラゴンから放たれた炎が僕たちを
燃やしはしなかった。
おや?
炎はリリアの前で消え去り、何事もなかったかのように、そこにリリアが立っていた。
「りりあ?」
リリアはペタンとお尻から落ちて女の子座りになり、涙目で僕を見上げる。
「なんか、大丈夫っぽい」
よくわからないが、早く抱きしめたい。
だけど、まだ動けない。
リリアは目をグシグシこすっている。
「もしかしたら、『聖女の法衣』で無力化したんじゃないかしら?」
ナンシーさんの予想。
すごく合ってそう。
ドラゴンは口を閉じて、少し頭を傾けている。
あいつもあまりわかっていないようだ。
前に勇者と戦った時は聖女はいなかったんだろうか?
考えていると、体が動くようになった。
すぐにリリアを抱きしめる。
「リリア。危ないじゃないか。こんなことは二度とするなよ」
「でもでも、エリオットが危なかったし」
いつものリリアだ。
あたたかくてやわらかくて、良い匂いがする。
僕は泣き止ませるように強く抱きしめる。
「あの、流石に今はイチャつく時じゃないわ」
「そうです。あまり見せつけないでくださるかしら」
ナンシーさんとシルビア様。
だが、今がいいんだ。
「あと5分」
「ダメですわ。エリオット。これが終わったら好きなだけチューチューしてから、今は立ちなさい」
「あ、はい」
僕は立ち上がり、リリアに手を貸して立ち上がらせる。
いつの間にかニコニコ顔だ。かわいい。
「はぁ、後にしなさいって言ってるのに、見つめあって微笑み合わないで」
「いいじゃありませんか。ナンシー大司教。これくらい余裕なほうが良いでしょう」
「はい。シルビア様。さて、あのダークドラゴンも厄介ですが、城下町にドラゴンより強力な魔力を感じました。ドラゴンの頭が治っていく時に、その魔力が強くなったわ。恐らく、その魔力の使い手がドラゴンを治したのでしょう」
ナンシーさんの見事な予測。
頼りになる。
「なるほど。その魔法使いを倒せば、ドラゴンも倒せそうですね」
「そうね。あとは、誰が倒しに行くかね」
ナンシーさんが考え込んでいる。
リリアならドラゴンの攻撃を防げるかもしれない。
しかし、僕はリリアが炎に包まれるかもしれない可能性を無視できない。
「なんだ。お前らで倒せそうじゃないか。俺は逃げるぜ」
アレン。まだいたのか。
ガクガクしている足で立ち上がる。
いや、腰が抜けて動けなかったようだ。
アレンの傍に執事っぽい服を着た白髪の爺さんが急に現れる。
「アレンお坊ちゃま。ささ、急ぎましょう」
執事じいさんはアレンを抱えると浮かびだす。
え?すげえ。
「あれは、ペガサスのスキルよ。空を飛べるとても珍しいスキルよ」
「とても便利そうですね」
すると、ドラゴンが空飛ぶアレンとペガサス執事に向けて口を開ける。
ペガサス執事も気づいたのか素早く空へ飛び上がる。
そして、ドラゴンの炎が空飛ぶアレンたちへ放たれた。
ゴオオオッ
なんとか避けれたようだ。
あれ?ドラゴンはアレンを狙ってる?
「いいものが見れたわ。ドラゴンはアレンを狙っているのね」
「そうみたいですね。よし、僕たちは魔法使いを倒しましょう」
「ええ。行きましょう」
「リリア。もう少し戦えるか?」
「当たり前よっ。アタシの弓で魔法使いを倒してあげる」
強気なのはいいが、今までのリリアの弓は僕にばっかり当たる。
別にいいんだけどね。
ドラゴンが移動を始める。
と同時に、紫色の半透明のドームが城下町を囲むように作られていく。
「あの魔法使いね。どうやら、アレンを逃がさないようにしているわ」
アレンを見ると、ドームの内側から出れないようだ。
ドラゴンが再び炎を出す。
なんとか避けている。
まだ持ちそうだが、早めに倒してあげよう。
あいつが倒されると、次は誰が狙われるかわからないからな。
「勇者エリオット様。私たちはここを離れることができません。王族として城を守る責任があるのです。ですから、どうかよろしくお願いします」
シルビア様や宰相、周りの兵士が頭を下げている。
そんなことをしてもらわなくても、僕がすることは変わらない。
「任せてください。僕があのドラゴンも倒します」
僕はナンシーさんの後を走ってついていく。
リリアを見ると、まだニコニコしている。
やっぱり笑顔のリリアはかわいい。
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