聖女スキルの幼馴染は僕が守る。そんな僕のスキルは『はかいビーム』

維瀬ゆうに

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ドラゴン魔王(1)

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 城の近くにダークドラゴンという魔王があらわれたらしい。

「なんだよあれ? あんなの勝てねーよ」

 アレンが半泣きの声をあげ、少し後ろに下がる。

「アレン様」

 シルビア様の落ち着いた声。
 こんな時にも冷静。すごい。

「勇者や聖女の力は魔王へとても高い効果があります。その力であのドラゴンを倒してくださいませ」
「ちくしょう。やればいいんだろ」

 アレンは聖剣を上に掲げる。

「サンダーボルト」
 ドガァァンッ

「全然効いてねぇぞ。でかすぎる」
「アレン様。諦めずに戦う方法を考えましょう」
「バカ言うな。俺は逃げるぜ。俺は国王になって女にモテるためにこの城に来たんだ。あんなバケモノと戦うためじゃねぇ」

 アレンは大声で叫ぶ。
 大きな声で情けないことを言う。逆にすげぇ奴。
 ちなみに、アレンに絡みついていた3人の女性は既に逃げている。

 ナンシーさんもあきれている。

「はぁ。これが勇者……そんなこと言ってる場合じゃないわ。またドラゴンが何かしようとしてるわ」

 僕も嫌な感じがしてくる。

 と、体が動くようになった。
 急いで女王様の方向を見ると、この城より大きく、山みたいにバカでかいドラゴンがいる。
 ここからの距離は100メートルくらいか?
 ドラゴンは口を大きく開けてこちらに向けている。
 あそこから何かを出すのか!?

「みんな、僕の後ろに下がってください」

 僕は女王様がいるところより前へ移動し、両手をドラゴンの頭へ向ける。
 全力で吹き飛ばしてやる。

「はかいビーム」
 ギガギャリリリリリー

 白い光と激しい音。


 ドラゴンを見ると、首から上がなくなっていた。
 今回もうまくいった。

「すごーい。エリオットやったね」
「なんとまあ、勇者エリオット様こそ、本物の勇者です」

 リリアとシルビア様の喜んだ声。
 まわりの人もワーワー喜んでいる。
 みんなを助けられたのも良かったけど、リリアが無事でよかった。

「ちょっと待って、変な魔力を感じるわ」

 ナンシーさんの声でみんなが静かになる。

 すると、ドラゴンの首に紫色の光があふれだした。
 だんだんと、頭が元に戻っていく。
 まるでリリアの治癒魔法のようだ。

 驚いたまま見ていると、ドラゴンの頭が完全に復活した。
 え?どゆこと?

 ドラゴンが口を開ける。
 くそっ、まだ体が動かない。
 やられる。

「エリオットはアタシが守るんだからねっ」

 リリアが僕の前に立ってドラゴンに向かい両手を広げる。

「ダメだ。下がってろリリア」
「いつもありがとう。エリオット。ずっと前から大好きだったよ」

 リリアの泣き声。
 泣いてる声なんて聞きたくない。
 僕はリリアを守るためにずっと生きてきたんだ。
 でも、今の僕には声を出すことしかできない。

「僕も大好きだ。リリア」

 ドラゴンの口から大きな炎が放たれる。
 この謁見の間より大きい炎が近づく。

 だけど、リリアは僕の前からどいてくれなかった。
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