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5歳
おしおき(直哉side1)
しおりを挟む書き終わった用紙を一通り見直して裏返す。
よし、終わった
今週から始まったテストがやっと今日終わった。結構出来てると思う。
常に学年一位を維持している僕だが、今回のテストは難しかった。
1週間前にでた範囲表で全ての教科の範囲が思っていたより長く少し焦り、確実に高得点を取るため家庭教師の時間を長くしてもらった。
そのため、優と遊ぶ時間もほぼ勉強に消えた。
やっと優と沢山遊べる!
何をしようか考えているとチャイムがなり、後ろから紙が送られて来てまた前にまわす。
「直哉、どうだった?」
「んー、まぁあまぁあかな?」
「とか言ってまた1位とるやつだお前は……」
こいつは後ろの席の玉井 海斗。少し遠巻きにされている僕にも話しかけてくる。
僕の家のせいか、あまり話しかけてくる人は居ない。大半親から粗相をするなとでも言われているのだろう。ここは子供の親が後ろから光りすぎている。そのためピラミッドのようなものも出来てしまっているのだ。
そしてこの海斗も父と肩を並べる大企業の子息なわけでクラスで唯一の友達という訳だ。フレンドリーな性格でクラスメイトとも仲が良い。
僕は休み時間は本を読んだり勉強したり、優の写真を見たり……と集中しているためか誰も話しかけてこない。話しかけてくるのは……1部の女子くらいだろうか?月都も困っているらしい。
家柄や顔だけしか見ない人が大半だからあまり近寄りたくはないが社交辞令はする。
「直哉?どした?」
「いや、なんでもないよ。早く帰りたいね」
「また噂の優くんか?」
「うん……早く優に会いたいよ」
そんなことを嘆いていると担任の先生が私語を静止させた
『今日はホームルームは無しとします。お疲れ様でした。』
この先生話が長いから良かった。
これで少しでも早く優に会いに行ける。
「じゃあな直哉また来週」
「うん。またね」
さ、茜を迎えに行こう。
今日は茜と一緒に帰る約束をしている。優へプレゼントを買うためだ。別に誕生日が近い訳でもない。今は9月で優の誕生日は12月、まだ時間はある。
今回は本とぬいぐるみを買いに行くのだ。
優が部屋の本を読み終わってしまったようなので、新しい本を探しに行くのと、ただ単に優にぬいぐるみが似合いそうなのでプレゼントしようと思ったのだ。1人でも行けたが女の子のセンスも必要だと思ったので茜を連れていくことにした。
いつもはネットで買って渡すだけなので自分で見て選んで優にあげたかった。
楽しみだ。
高等部を出て中等部へと向かう。
車で待っててもいいけど早く終わったので迎えに行くことにした。
ーーーーーーーー
3-2
ここだ
中を覗くと、もうホームルームも終わっているようだった。
あ、いた
「茜!迎えに来たよ」
視線を一気に感じる。
「兄様!迎えに来てくださったのですか?」
茜が直ぐに僕に駆け寄ってきた。
「うん、早く終わってしまってね」
「そうなのですね、いまさっき日誌を書き終わったので出るのが遅くなってしまいました、すぐ準備しますね」
そう言うと日誌を男子に渡して鞄を持った。
同じ日直なのだろう。その子はペコッと頭を下げて教室を出た。
「兄様行きましょうか」
数ヶ月前まで使っていたこの教室に懐かしさを覚えた。
僕が中等部にいるのが珍しいからかいつもより視線を多く感じる。
もう慣れてしまったけれどね
ーーーーーーーー
「お帰りなさいませ直哉様、茜様。」
相槌を打って車に乗り込む。
「茜どこにいこうか」
「んーそうですね……」
「お話の途中で申し訳ありません。旦那様からのご連絡で直哉様、茜様、月都様、寿人様に会食に参加してくれとのご連絡が……」
「ん?急に……?」
眉間に皺がよるのがわかる。
「はい。昨日突然旦那様に会食の連絡があったらしく、旦那様の予定は変更出来ないため断ったそうなのですが、それではご子息をと言われたらしいです。それまでも何度か先方からの誘いがあったのですが、旦那様の予定が合わずいつも断られておりました。ですので今回は流石に押し切れず、今日の夜に決まったそうです。」
「よりによって今日なんて……」
茜の落胆した声が耳に届く。
「申し訳ありません。手違いでお伝えするのが遅くなってしまいました……」
「相手は誰だい?」
「はい。結城様です。」
結城……か。最近父の会社で取引をし始めた企業の社長か…それは押し切れないか。
「仕方ないね。優へのプレゼント選びは後日にしよう。」
ーーーーーーーーーーーーー
「今日はどうでしたか?」
「はい。とても楽しめました。ありがとうございます。」
ニッコリと作り笑いをする。
結果的に言えば本当につまらなかった。
多分父が来れないと分かっていての会食だったのだろう。
結城の3人の娘達を紹介させられただけの会だった。だれか1人でも僕らの中からくっつけば取引も続き結城の会社は安泰。そんな事を考えているのが見え見えだ。
寿人なんてまだ12歳。テスト勉強でさえ忙しかったのに夜まで会食で疲れた顔をしている。
早く帰りたい。兄弟みんな思っているだろう。
早く優に会いたい。
ーーーー
その後家に着いたのは夜の11時。とても眠い。
優の寝顔みてから休もう。
「僕は優の寝顔見に行くよみんなは?」
「私も行きます!」
「俺も……!」
「すみません……先に休みます……」
月都が青い顔でよろよろと歩いていった。
昨日あまり寝てなかったらしいし、あの後の会食。月都があんな顔をしているのも頷ける。
優の部屋に着いた。
当たり前だが電気が消えていて、小さいノックをして部屋に入る。
部屋の奥にあるベッドにすぐに目がいく。
優が毛布を被って僕達に背を向ける状態で寝ていた。
小さな男の子がベッドに寝ているだけでこんなに癒されるなんて僕はどうかしてる。弟なのに。
横向きの顔を覗き込むと天使の寝顔が目の前にあった。
「……寝てるね。」
少しドキドキした胸を隠すように言葉を発する。
「あんなつまらない会食に出るなら優と遊びたかったよ…せっかくテストが終わったと言うのに」
本当に。あんな会食に行くなら優の写真をずっと見てる方がマシだと思えるくらいつまらなかった。
明日は優と沢山遊ぼうと皆で話して部屋を出た。
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本当は直哉side1話で終わらしたかったのですがめっちゃ長くなりそうだったので本編に合わせてここで一旦切りました!!!
次も直哉sideです!
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初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
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