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7歳
お友達
しおりを挟む「ん~!気持ちいい!」
心地よい風邪を感じるように息を吸う
「優、嬉しい?」
俺をみる茜姉様はとても嬉しそうで、そんな姉様をみて頬をふくらませる
「……けど、少しせきが出ただけなのに1週間お庭禁止なんて……まだなっとくしてないです…」
1週間前にお庭で父様とお茶をしていた時少し咳をしてしまったのだ。
それが原因だった。お茶が喉の変な所に入ってしまって噎せただけなのに、過剰に反応した父様が1週間お庭禁止令を出したのだ。
ただ噎せただけ、1週間は長いと懇願したものの直ぐに却下されてしまった。
そういうことも度々起こらないことも無いわけで、対策をしているのがこの俺!
少し前に父様が買ってくれた全12冊の長編小説を、こういう(緊急)時のために楽しみに残して置いていたのだ!
その本はとても面白くて1週間全部使って読み切った。
「仕方がないわ優の事が大切で、熱を出して苦しんでいる優を見たくないの」
思い出したように悲しい顔をする茜姉様に罪悪感を感じた。
いや、けど噎せただけなんだよなぁ……
「……はい…」
「ほら!優の好きなケーキやお菓子がいっぱいあるから沢山お食べ」
俯いた俺に焦った声を出す姉様。
俺達は今、玄関を出てすぐ横にあるテーブルでお茶をしている所だ。
テーブルの上にはショートケーキやチーズケーキ…本当に俺の好きな物が沢山ある…
毎回こんな量が出てくるが、優の身体ではあまり食べれないので普通の1人サイズのケーキの½を食べている。
本当は全部食べたい!!!!けど食べれないし……
……俺がたくさん食べれる身体だったら一瞬で太ってたんだろうなぁ……
こんな俺だが一応毎食量を少しずつ増やしてみたりしている。それでも昔と胃の大きさが変わらないのは何故なのだろう?
「そうだわ。明日直哉兄様の予定だったけど今回も勉強と父様の手伝いで無理そうだって」
「…………そうですか……残念です…」
基本的に平日はお庭のお散歩やお茶にはメイドさんや執事さんが付いていてくれるのだが、夕方にお散歩する場合は学校から帰ってきた兄様や姉様が、父様や母様は仕事が休みの時に付き添ってくれている。
直哉兄様は高校3年で付属大学への内部進学を選択しているが、毎回学年1位を維持するというレベルの高い勉強と手伝いを並行しているので会えない日がとても多い。
父様が兄様に頑張りすぎだと言ったらしいが、本人は割と楽しいようでハードスケジュールを淡々とこなす。
本当は明日、直哉兄様と散歩の約束をしていたのだが用事が出来てしまったようだ……
あの日から2年。
直哉兄様に少し距離を置かれている気がするのは気のせいかな……?
あの後なんどもお風呂に誘っても一緒に寝ようと誘ってみても全部さりげなく断られてしまった。
直哉兄様にされた事は……少し怖かったけれど……不思議と嫌では無かった。
俺がおかしいのか…?
あー!もう、分かんないよ!
何度も何度も兄様とあの日の話をしてみようとしても話を変えられてしまうし、次第に兄様もスケジュールがハードになっていくにつれて、以前より格段に話す事が少なくなってしまった。
けど、兄様と本気でお話したいんだ……
それで明日は絶好のチャンスだと思っていたのに、上手くいかないものだ。
「……はぁ……」
大きくため息をつくと姉様は不思議そうな顔で俺を見た
「優も、12月で7歳かぁ……早いわね。だって寿人ももう中等部2年よ?」
寿人兄様ももう中学生2年生。
サッカーをしているらしく体も筋肉質になってきてイケメン度も増している。
俺はいつ小学校に行けるんだ……?
今は5月。時期的にもう入学式は過ぎてる筈だ。
「ね、姉様!僕のにゅーがくしきはいつですか?」
「……」
「優?入学式なんてどこで知ったの?」
「ほ、本に書いてありました!」
なるほどと頷く姉様に安心する。
やっべぇー!!!さっきの茜姉様の顔めっちゃ怖かった!!!
「うん……そうね。優は小学校には行けないわ」
今日一の笑顔を見せる姉様に微塵の悪意さえ感じない。
……ま、まじか?!
いや、やっぱりか……。
「え、でも兄様も姉様もがっこーに行ってますよね?」
「うん。けどね優は別よ?こんな可愛い子、まだ他人に見せたくないもの」
涼しい顔でヤバいことを言う姉様に少し慣れてしまった。
「……でも僕しょーがっこう行きたいです!」
「でも……」
「おともだち作りたいんです!」
「……友達ね……私達ではだめなの?」
「いや、そんなこと……けど、あの……」
兄弟だから!!!!なんでも話せる友達が欲しいよ!!!
「……分かったわ。お友達が欲しいのね?」
「?そ、そうです!……おともだち(?)…いゃ………………しょーがっこう」
なんか良い風に変換されてしまったようだが、何か外に出れそうな進展でもあるならなんでも変換されてやろう!
この時の俺に言ってやりたい。
やめとけ
と。
「はじめまして。…………ぼ、僕を下僕にして下さい!」
「はい。…………はいっ?!」
変な人が来てしまうんだと。
俺に下僕(?)が出来てしまうんだと!
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