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二章 ―少年から青年へ― (読み飛ばしOK)
―ドラゴンの初恋― 5
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あのあと二人は仲良く街を歩き、一緒に昼ごはんを食べて幸せな時間を過ごして別れた。その時にまた会う約束をしたことは言うまでもないだろう。
アイネを家の近くまで送り、城に向かっている途中、ドラゴンは自分に向けられている殺気に気付いて足を止めた。
「……出てきたらどうだ? 俺の首は、ここにあるぞ?」
ドラゴンが挑発をした瞬間、物陰からいくつもの暗器が飛んできた。しかしドラゴンは魔法剣を抜いて全ての暗器をかわし、剣で叩き落とし、暗器が飛んできた方向に向かって走った。
「チッ」
暗器を投げた賊は、一つもかすらないドラゴンに苛立たしげに舌打ちをすると、ドラゴンと剣を交えた。
「依頼主は誰だ?」
「はっ、言うわけねぇだろ」
つばぜり合いをしながら言葉を交わすと、互いに剣を弾いて間合いを取った。しかしドラゴンは間髪いれずに男に向かっていき、素早い斬撃を繰り出した。男はそんな素早いドラゴンの斬撃を全て受け止めて、身軽な動きで少し距離を取ると、至近距離で暗器を投げつけてきた。
「くっ」
さすがにかわしきれず、腕をかすると、男はニヤッと笑った。
「俺の勝ちだな。暗器には毒が塗られている。時期に毒が回って死にいたるだろ──」
「甘い」
ドラゴンは油断していた男を蹴り飛ばして、壁に叩きつけると、腹を踏みつけて喉元に剣を突きつけた。
「死にたくなければ、依頼主を答えろ」
「っ……。ふ、俺達は死んでも依頼主を裏切らねぇ。殺すなら、殺せよ」
「………なら、死ね」
ドラゴンは冷めた目で男を見下ろすと、剣を振り上げてそのまま振り下ろした。……首皮一枚をかすらせて、真横すれすれの地面に剣を突き立てるように。ドラゴンは剣を振り下ろした瞬間に男のみぞおちを思い切り蹴っていたので失神していて、ドラゴンは近くの家から縄を貰って男を縛り上げた。
「…ふっ…はぁ……これは、キツい毒だな……」
縛り上げた直後、気が抜けたのかドラゴンの額に脂汗が浮かび始め、猛烈な吐き気と倦怠感、そして全身の筋肉を引きちぎられるような激痛がドラゴンを襲い始めた。
「うっ…グゥッ……」
(ここで倒れていたら…危ない。離れないと…)
ドラゴンは本能のようなもので危険を察知すると、壁に手をついて痛みを訴える身体を無理やり立たせた。しかし、胃からせり上げる不快感を堪えることができず、思わず吐いてしまった。しかし一度吐き始めると吐き気が止まらず、ガクッと膝をついて何度もその場で吐いて体力を消耗させた。
「お? こんなところで何してんだ?」
「うげっ、汚ったねぇなぁ。こいつ、吐いてやがる」
「あー、毒にやられてるんじゃねぇか? ほら、このダガーに血が付いてる。暗殺ギルドの奴らはみんな武器に毒を塗ってるからな」
「暗殺ギルドってことは、こいつを殺したらギルドから何かもらえるんじゃねぇか?」
「ハハッ、確かにいい考えだな! じゃあ──」
朦朧とする意識の中で男達の会話を聞き、ドラゴンは歯を食いしばって立ち上がろうとするが、男達に背中を蹴られて倒れこみ、背中を踏みつけられた。
「止めな──は、アタシの──」
(アイネ…さん?)
朦朧とする意識の中でアイネに似た声が聞こえ、我ながら女々しいものだと思いながら、意識を保つことが出来ず、沼に沈むようにゆっくりと闇の中に飲み込まれていった。
はっ、と目を覚ましたとき、ドラゴンの目にロウソクの光に照らされた、古びた木材の天井が真っ先に目に入ってきた。ドラゴンはいまだ鈍痛を訴える身体に力を入れて起き上がり、家の中の様子を見た。
家の中は狭く、必要最低限のものしか置いてない事から、質素な暮らしをしている事がすぐに見てとれ、不意に目に入った窓には呆然としている自分の姿が映っていた。
「んぅ……」
不意に聞こえてきた寝息に、ドラゴンは視線を下に動かすと、ベッドに突っ伏して眠るアイネの姿が見えた。アイネの横には水を張った桶が置かれていて、起き上がったときに額から落ちたタオルでずっと介抱してくれていたのだと察した。
その献身的な姿に、ドラゴンは愛しさが込み上げてきて、眠るアイネの額に触れるだけのキスをした。
「ありがとうございます、アイネさん」
「…ふふ、どういたしまして」
クスッと笑って目を開けたアイネに、ドラゴンははっと今しがたした行動がアイネに気付かれた事に羞恥を覚えて赤面した。
「っ、い、いつから起きて……」
「ドラゴンさんの優しいキスで起きました。身体の調子はどうですか?」
クスクスと優しく笑うアイネに、ドラゴンは耳まで赤くしつつもこの優しい時間を幸せに思えた。
「迷惑をかけたみたいで、すみませんでした。まだ本調子とはいきませんが、身体は大分楽になりました。その…ここはアイネさんの家ですか?」
「はい。立派な近衛騎士のドラゴンさんから見たら、物置のような部屋でしょうけどね」
「いえ、そんな風には思いませんよ。しっかりと掃除の行き届いた、清潔感のある素敵な部屋です。それで、一つ聞きたいことがあるのですが、いいでしょうか?」
ドラゴンは次第にはっきりとしてくる記憶に違和感を覚え始め、少し笑顔を引っ込めてアイネを見つめた。そんなドラゴンの様子にアイネはきょとんと首を傾げつつも「えぇ、いいですよ」と答えて質問を待った。
「……アイネさんはどうやって俺を家まで運んだんですか? あと、俺を見つけた時、誰かが近くにいませんでしたか?」
ドラゴンの質問に、アイネは少し記憶をさかのぼるように沈黙し、そしてポンと手を叩いた。
「あぁ、いましたよ。私の兄です。偶然近くに来たみたいなので私の所に来てくれたんです。それで、兄二人がドラゴンさんを見つけてくれて、私の家まで運んでくれたんです。それにしても、心配したんですよ? ドラゴンさんが倒れているところを見て、本当に肝が冷えました。さらに、三日間も目を覚ましてくれなくて──」
「三日!? 俺はそんなに眠っていたのか」
(いつもならせいぜい丸一日眠ればなんとかなっていたのに、どれだけ強い毒を仕込んでいたんだ。〈ソウル〉の魔法剣がなければ死んでいたな)
この頃、ドラゴンは自分が持つ〈ソウル〉の魔法剣の性質を知り、それを使いこなすための訓練も行っていた。
ドラゴンが持つ紫の〈ソウル〉には、英雄ザラギの手によって【イーター】と呼ばれる力が備わっていた。【イーター】とはその名の通り『喰らうもの』であり、〈ソウル〉自身が主と認めた者の意思一つで、力、魔力、魂までもを喰らう。そのため別名『悪食の剣』とも呼ばれていて、〈ソウル〉の中で唯一自我を持つ宝玉だった。
ただ、〈ソウル〉が自我を持っていることをこの現世で証明できる者はおらず、ドラゴンもたびたび【イーター】の力を発揮させるべく挑戦しているが、今まで〈ソウル〉がドラゴンに反応することはなかった。
しかし、リオが摘んできた毒草をうっかり食べてしまった時、本来ならば一日熱を出して苦しむところだが、〈ソウル〉を腰に差していたためなのか全く症状が出ず、念のために医者に診てもらうも毒素は体内から検出されなかった。その疑問を解消するべく様々な実験をし、その結果紫の〈ソウル〉が体内の毒素を喰らったのではないか、という結論に至ったのだ。
「はい。ずっとうなされていて、心配しました。でも、ちゃんと私を見てくれるドラゴンさんを見て、安心しました」
ホッとしたように微笑むアイネに、ドラゴンは衝動的にアイネを抱きしめて肩に顔をうずめた。
「ありがとうございます…アイネさんが側にいてくれて、良かった」
「私も、ドラゴンさんが生きていてくれて良かった」
アイネもドラゴンの背に腕を回してギュッとドラゴンを抱きしめ、ドラゴンの首にチュッと軽いキスをした。それで火が付いたドラゴンは、アイネをベッドに押し倒しつつも何とか残っていた理性をかき集めて、確認を取った。
「……アイネさんの全てが、欲しいです。俺に、くれますか?」
「…ん、私…ドラゴンさんとなら多分怖くない…。でも、優しくお願い…ね?」
色気が駄々洩れのドラゴンにアイネは真っ赤になって息を呑みつつも、微笑んでドラゴンに抱き着き、承諾した。その理性がすべて吹っ飛びそうなほど可愛らしいアイネの姿に、ドラゴンは本当に理性が飛びそうになったが、「優しくお願い」という言葉と体内に残る毒による倦怠感によってなんとかすべての理性を失わずに済んだ。
「……分かりました。嫌だったら、言ってください。すぐにやめます」
この夜、ドラゴンとアイネはぎこちなくも優しい愛撫と幸せの絶頂に酔いしれながら、共に夜を明かしたのだった。
アイネを家の近くまで送り、城に向かっている途中、ドラゴンは自分に向けられている殺気に気付いて足を止めた。
「……出てきたらどうだ? 俺の首は、ここにあるぞ?」
ドラゴンが挑発をした瞬間、物陰からいくつもの暗器が飛んできた。しかしドラゴンは魔法剣を抜いて全ての暗器をかわし、剣で叩き落とし、暗器が飛んできた方向に向かって走った。
「チッ」
暗器を投げた賊は、一つもかすらないドラゴンに苛立たしげに舌打ちをすると、ドラゴンと剣を交えた。
「依頼主は誰だ?」
「はっ、言うわけねぇだろ」
つばぜり合いをしながら言葉を交わすと、互いに剣を弾いて間合いを取った。しかしドラゴンは間髪いれずに男に向かっていき、素早い斬撃を繰り出した。男はそんな素早いドラゴンの斬撃を全て受け止めて、身軽な動きで少し距離を取ると、至近距離で暗器を投げつけてきた。
「くっ」
さすがにかわしきれず、腕をかすると、男はニヤッと笑った。
「俺の勝ちだな。暗器には毒が塗られている。時期に毒が回って死にいたるだろ──」
「甘い」
ドラゴンは油断していた男を蹴り飛ばして、壁に叩きつけると、腹を踏みつけて喉元に剣を突きつけた。
「死にたくなければ、依頼主を答えろ」
「っ……。ふ、俺達は死んでも依頼主を裏切らねぇ。殺すなら、殺せよ」
「………なら、死ね」
ドラゴンは冷めた目で男を見下ろすと、剣を振り上げてそのまま振り下ろした。……首皮一枚をかすらせて、真横すれすれの地面に剣を突き立てるように。ドラゴンは剣を振り下ろした瞬間に男のみぞおちを思い切り蹴っていたので失神していて、ドラゴンは近くの家から縄を貰って男を縛り上げた。
「…ふっ…はぁ……これは、キツい毒だな……」
縛り上げた直後、気が抜けたのかドラゴンの額に脂汗が浮かび始め、猛烈な吐き気と倦怠感、そして全身の筋肉を引きちぎられるような激痛がドラゴンを襲い始めた。
「うっ…グゥッ……」
(ここで倒れていたら…危ない。離れないと…)
ドラゴンは本能のようなもので危険を察知すると、壁に手をついて痛みを訴える身体を無理やり立たせた。しかし、胃からせり上げる不快感を堪えることができず、思わず吐いてしまった。しかし一度吐き始めると吐き気が止まらず、ガクッと膝をついて何度もその場で吐いて体力を消耗させた。
「お? こんなところで何してんだ?」
「うげっ、汚ったねぇなぁ。こいつ、吐いてやがる」
「あー、毒にやられてるんじゃねぇか? ほら、このダガーに血が付いてる。暗殺ギルドの奴らはみんな武器に毒を塗ってるからな」
「暗殺ギルドってことは、こいつを殺したらギルドから何かもらえるんじゃねぇか?」
「ハハッ、確かにいい考えだな! じゃあ──」
朦朧とする意識の中で男達の会話を聞き、ドラゴンは歯を食いしばって立ち上がろうとするが、男達に背中を蹴られて倒れこみ、背中を踏みつけられた。
「止めな──は、アタシの──」
(アイネ…さん?)
朦朧とする意識の中でアイネに似た声が聞こえ、我ながら女々しいものだと思いながら、意識を保つことが出来ず、沼に沈むようにゆっくりと闇の中に飲み込まれていった。
はっ、と目を覚ましたとき、ドラゴンの目にロウソクの光に照らされた、古びた木材の天井が真っ先に目に入ってきた。ドラゴンはいまだ鈍痛を訴える身体に力を入れて起き上がり、家の中の様子を見た。
家の中は狭く、必要最低限のものしか置いてない事から、質素な暮らしをしている事がすぐに見てとれ、不意に目に入った窓には呆然としている自分の姿が映っていた。
「んぅ……」
不意に聞こえてきた寝息に、ドラゴンは視線を下に動かすと、ベッドに突っ伏して眠るアイネの姿が見えた。アイネの横には水を張った桶が置かれていて、起き上がったときに額から落ちたタオルでずっと介抱してくれていたのだと察した。
その献身的な姿に、ドラゴンは愛しさが込み上げてきて、眠るアイネの額に触れるだけのキスをした。
「ありがとうございます、アイネさん」
「…ふふ、どういたしまして」
クスッと笑って目を開けたアイネに、ドラゴンははっと今しがたした行動がアイネに気付かれた事に羞恥を覚えて赤面した。
「っ、い、いつから起きて……」
「ドラゴンさんの優しいキスで起きました。身体の調子はどうですか?」
クスクスと優しく笑うアイネに、ドラゴンは耳まで赤くしつつもこの優しい時間を幸せに思えた。
「迷惑をかけたみたいで、すみませんでした。まだ本調子とはいきませんが、身体は大分楽になりました。その…ここはアイネさんの家ですか?」
「はい。立派な近衛騎士のドラゴンさんから見たら、物置のような部屋でしょうけどね」
「いえ、そんな風には思いませんよ。しっかりと掃除の行き届いた、清潔感のある素敵な部屋です。それで、一つ聞きたいことがあるのですが、いいでしょうか?」
ドラゴンは次第にはっきりとしてくる記憶に違和感を覚え始め、少し笑顔を引っ込めてアイネを見つめた。そんなドラゴンの様子にアイネはきょとんと首を傾げつつも「えぇ、いいですよ」と答えて質問を待った。
「……アイネさんはどうやって俺を家まで運んだんですか? あと、俺を見つけた時、誰かが近くにいませんでしたか?」
ドラゴンの質問に、アイネは少し記憶をさかのぼるように沈黙し、そしてポンと手を叩いた。
「あぁ、いましたよ。私の兄です。偶然近くに来たみたいなので私の所に来てくれたんです。それで、兄二人がドラゴンさんを見つけてくれて、私の家まで運んでくれたんです。それにしても、心配したんですよ? ドラゴンさんが倒れているところを見て、本当に肝が冷えました。さらに、三日間も目を覚ましてくれなくて──」
「三日!? 俺はそんなに眠っていたのか」
(いつもならせいぜい丸一日眠ればなんとかなっていたのに、どれだけ強い毒を仕込んでいたんだ。〈ソウル〉の魔法剣がなければ死んでいたな)
この頃、ドラゴンは自分が持つ〈ソウル〉の魔法剣の性質を知り、それを使いこなすための訓練も行っていた。
ドラゴンが持つ紫の〈ソウル〉には、英雄ザラギの手によって【イーター】と呼ばれる力が備わっていた。【イーター】とはその名の通り『喰らうもの』であり、〈ソウル〉自身が主と認めた者の意思一つで、力、魔力、魂までもを喰らう。そのため別名『悪食の剣』とも呼ばれていて、〈ソウル〉の中で唯一自我を持つ宝玉だった。
ただ、〈ソウル〉が自我を持っていることをこの現世で証明できる者はおらず、ドラゴンもたびたび【イーター】の力を発揮させるべく挑戦しているが、今まで〈ソウル〉がドラゴンに反応することはなかった。
しかし、リオが摘んできた毒草をうっかり食べてしまった時、本来ならば一日熱を出して苦しむところだが、〈ソウル〉を腰に差していたためなのか全く症状が出ず、念のために医者に診てもらうも毒素は体内から検出されなかった。その疑問を解消するべく様々な実験をし、その結果紫の〈ソウル〉が体内の毒素を喰らったのではないか、という結論に至ったのだ。
「はい。ずっとうなされていて、心配しました。でも、ちゃんと私を見てくれるドラゴンさんを見て、安心しました」
ホッとしたように微笑むアイネに、ドラゴンは衝動的にアイネを抱きしめて肩に顔をうずめた。
「ありがとうございます…アイネさんが側にいてくれて、良かった」
「私も、ドラゴンさんが生きていてくれて良かった」
アイネもドラゴンの背に腕を回してギュッとドラゴンを抱きしめ、ドラゴンの首にチュッと軽いキスをした。それで火が付いたドラゴンは、アイネをベッドに押し倒しつつも何とか残っていた理性をかき集めて、確認を取った。
「……アイネさんの全てが、欲しいです。俺に、くれますか?」
「…ん、私…ドラゴンさんとなら多分怖くない…。でも、優しくお願い…ね?」
色気が駄々洩れのドラゴンにアイネは真っ赤になって息を呑みつつも、微笑んでドラゴンに抱き着き、承諾した。その理性がすべて吹っ飛びそうなほど可愛らしいアイネの姿に、ドラゴンは本当に理性が飛びそうになったが、「優しくお願い」という言葉と体内に残る毒による倦怠感によってなんとかすべての理性を失わずに済んだ。
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