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42 R‐18

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 素直に部屋に戻ったアリアナは、いつの間にか運び込まれていた大きな天蓋付きのベッドに横たわると自分の行動を反省し、後悔していた。しかし、アリアナの心を乱すのはそれだけではなく、一番はロゼに嫌われてしまったのではないかという不安だった。今まで大切にされていた分、ロゼに冷たく突き放されたことは思った以上に辛いことに気付き、それがアリアナの不安をあおっていた。
 服を着替える余裕もなく、ただただその場にうずくまっているとコンコンとノックが聞こえた。そして返事を待たずにドアが開かれると、そこにはロゼ、ネオ、デュオの三人がいて、怯えて震えるアリアナに構わずにずかずかと部屋に入ってきた。
「さて、早速だけど私に無断であの男に会いに行った罰と、あの男を頼ろうとした罰として、今ここでアリアナのヴァージンをこの二人に奪ってもらうわ」
 アリアナの目の前に来たロゼは、仁王立ちで怯えるアリアナを見下ろし、前置きもなしにそう言い放った。
「ロゼさん…ごめ、なさい。私、もう居場所を失いたくなくて…ロゼさんに、死んで欲しくなくて…。私のせいでみんなが死んじゃうって考えたら、怖くて…。でも、それ以上にロゼさんに嫌われたって事が…辛い」
 自分の体を抱き、震えながら目に涙を浮かべるアリアナに、デュオとネオがベッドに上がり、至近距離で震えるアリアナを見つめた。
「おやおや、随分と甘く見られたものですね。ネオとソヴァンはともかく、少なくとも私はあんな雑兵に後れを取るほど弱くありませんよ」
「俺だってあんな窮屈な服を着てなかったら後れなんて取らない。…本当はあまり気が乗らないが、ロゼの願いだからな。俺達の全力を以ってお前を抱く」
「…アリアナ。今一度、あなたは誰の物なのかを知りなさい。あぁ、でも勘違いしないでね? アリアナの事は今も大好きだし、他のクルーと同じくらい愛してるわ。だから、二人に抱かれる貴女の様子は全部見ていてあげる」
 椅子に腰を掛けてロゼが笑うと、それが合図のようにデュオとネオが動き出し、頭側にデュオ、下はネオが陣取ると心の準備が出来ていないアリアナの服を脱がせ始めた。
「やっ、まって…!」
「待ちませんよ。これはお仕置きなのですから。あなたの体に徹底的に快楽を叩きこんであげますね」
 デュオはそう言いながら白衣のポケットからピンクの液体が入った小瓶を何本も取り出してそのうちの一本の蓋を開けると自分で飲み、すぐにアリアナに口づけをした。アリアナはいきなりの事で驚いたが、顔を背けてキュッと口を引き結びデュオを拒んだ。
「ふっ、可愛らしい抵抗ですねぇ。キスのやり方、ソヴァンに教わらなかったんですか? 痛い思いをしたくなければ、私達を受け入れてすべて身を任せた方が賢明ですよ?」
「そうだぞ。俺もデュオもそれなりに大きいからな。入れる時はどうしても痛いと思う。デュオの媚薬はよく効くから飲んでおいた方がいいぞ」
 ボタンを一つ一つ丁寧に外しながらネオもソヴァンが持ってきた小瓶の中身を飲み干してニッと笑った。
「まあ、初めてだと飲むのは怖いかもしれないが、毒じゃないから安心していいぞ」
「ネオは本当に優しいな。優しく抱くのも悪くはないが、せっかくお仕置きなんだからこの嫌がる姿も楽しんでみたらどうなんだ?」
「俺はデュオほどサディストじゃない。まあ…理性があるうちは優しく抱いてやろうと思うよ」
 ドレスや下着を脱がせてショーツのみを着た状態にしつつ、うっすらと残るソヴァンがつけたキスマークを見てネオは「マーキングすごいな」とそのうちの一つを指でなぞった。
「ソヴァンとの夜は、気持ち良かったか?」
 ソフトタッチでいくつもつけられたキスマークを一つ一つ撫でられる感触に、アリアナは反応しまいと体に力を入れるものの、感じる所に触れられれば体は素直に反応し、ソヴァンと過ごした夜を思い出す。
「……他の男を思い出して感じているのは感心しませんね。アリアナにはもっと濃厚で刺激的なコトを教えて差し上げますから、こちらを向きなさい」
 今までアリアナが感じる様子をジッと眺めていたデュオだったが、唐突に気に入らないと無理やり背けていた顔をデュオに戻させた。そして抵抗をする暇を与えずにいきなり深く口づけをしてアリアナの意識をデュオに向けさせた。アリアナは突然の事に驚いたが、それ以上にデュオのテクニックと甘い唾液に酔いしれて、抵抗する気力が徐々に奪われているのを感じた。
「…ハァ……。唾液は残さずに飲み込みなさい。一滴たりともこぼしてはいけませんよ。こぼしたら、その度に私の作った媚薬を飲んでもらいますからね」
 カチャと媚薬の入った小瓶を大量に見せるデュオに、アリアナは反射的に飲み込みながら恐怖心が湧き上がり、酔いしれた気持ちは一気に覚めた。
「ふふっ、よく出来ましたね。いい子」
「こら、俺の事を忘れるなよ」
 ネオもそう言うやアリアナの濡れた唇にキスをし始め、そのキスは徐々に深く甘いものになる。デュオのテクニックに当てられたばかりのアリアナは少しキスをしただけで甘い声を上げるようになり、その自分の声とは思えない声に羞恥心が煽られた。
「ネオ、お前がアリアナに覆いかぶさったら私が攻められないでしょう」
「…ん、わりぃな」
 ネオは素直に謝ると、グイッとアリアナの体を抱き寄せて起き上がらせると自分の膝の上に向かい合うように座らせた。
「これでいいか?」
「えぇ、十分です。アリアナ、ネオと私とのキスでとてもとろけた顔をして…可愛いですね。キスはそんなに良いですか? あぁ、でも唾液はちゃんと飲み込んでくださいね? じゃないと、これを飲む羽目になりますよ」
 耳元でたっぷりの吐息とともに囁くデュオに、アリアナはゾクゾクと腰から脳天まで快感が駆け上がり、その拍子に飲み込めなかったどちらのものとも分からない唾液が口の端からこぼれた。
「ふっ、この程度で反応するなんて、本当に可愛らしいですね」
 キュポッと栓を開けて自分の口に含むと、ネオがアリアナから離れたタイミングでデュオがキスをしながらアリアナの口腔内に媚薬をゆっくりと注ぎ込み、その細い喉がコクリと動くのを確認するまでアリアナの口腔をまさぐった。

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