1 / 39
プロローグ
しおりを挟む
セスクは、その髪と同じ深いアメジスト色の瞳を大きく見開き、愕然とバルコニーを見上げていた。
庭園に面する、白亜の建物。その、二階にあるバルコニーへと続く大きなガラス扉の向こう側に、一組の男女の影が重なり合っていた。
豊満とは言えないけれど、服から零れ落ちた形の良い白い乳房がガラスに押し付けられて変形している様を見れば、その男女がなにをしているかなど明白だ。
捲り上げられた青いスカートの裾からは少女の陶器のような白い脚が覗く。華奢な少女の脚の間に男の腰が打ち付けられる度に、閉じられなくなったピンク色の唇から熱い吐息が洩れるのがわかった。スカートの影に隠されて、その部分がどうなっているかは見えないが、彼らがしっかりと繋がり合っているであろうことは想像できた。
そして。
誰かの視線を感じたのか、ふいに男が顔を上げ、
「ーーっ!」
目が、合った。
ふっ、と。男が愉しそうに口元を歪ませたのが遠目からでもわかる。
背後から少女の胸を揉みしだき、腰を打ち付けながら、男がその耳元へとなにかを囁きかけている。
快楽に酔っていたかのような少女の焦点が庭園の方へと向けられて、直後、その瞳が絶望にも似た色を浮かべて見開かれた。
「ーーっ」
セスクは、ギリリと唇を噛み締めるとぐっと拳を握り込む。
与えられる激しい律動に少女は喘ぎ、すぐにその大きな瞳は閉じられた。
他人に自分達の情交が見られていることがわかっても、少女がそれを男へ訴える様子はない。
可憐で美しい少女は、セスクのものではない。
百合の花のようにたおやかな少女は、彼女を抱く男の"持ち物"だ。
それ以上を見ていられずに、セスクは踵を返すとその場を後にする。
閉じられた少女の瞳からは、一筋の涙が伝い落ちていた。
庭園に面する、白亜の建物。その、二階にあるバルコニーへと続く大きなガラス扉の向こう側に、一組の男女の影が重なり合っていた。
豊満とは言えないけれど、服から零れ落ちた形の良い白い乳房がガラスに押し付けられて変形している様を見れば、その男女がなにをしているかなど明白だ。
捲り上げられた青いスカートの裾からは少女の陶器のような白い脚が覗く。華奢な少女の脚の間に男の腰が打ち付けられる度に、閉じられなくなったピンク色の唇から熱い吐息が洩れるのがわかった。スカートの影に隠されて、その部分がどうなっているかは見えないが、彼らがしっかりと繋がり合っているであろうことは想像できた。
そして。
誰かの視線を感じたのか、ふいに男が顔を上げ、
「ーーっ!」
目が、合った。
ふっ、と。男が愉しそうに口元を歪ませたのが遠目からでもわかる。
背後から少女の胸を揉みしだき、腰を打ち付けながら、男がその耳元へとなにかを囁きかけている。
快楽に酔っていたかのような少女の焦点が庭園の方へと向けられて、直後、その瞳が絶望にも似た色を浮かべて見開かれた。
「ーーっ」
セスクは、ギリリと唇を噛み締めるとぐっと拳を握り込む。
与えられる激しい律動に少女は喘ぎ、すぐにその大きな瞳は閉じられた。
他人に自分達の情交が見られていることがわかっても、少女がそれを男へ訴える様子はない。
可憐で美しい少女は、セスクのものではない。
百合の花のようにたおやかな少女は、彼女を抱く男の"持ち物"だ。
それ以上を見ていられずに、セスクは踵を返すとその場を後にする。
閉じられた少女の瞳からは、一筋の涙が伝い落ちていた。
10
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる