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本編
第二十一話 騎士で王子様
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ルージュとライトは親同士も認め、公的に発表している婚約者同士ではあるけれど、それでもライトへ仄かな恋心を抱く御令嬢は後を絶つことがない。
「……ライト?」
柱の向こう。死角ぎりぎりの場所でライトの姿を見つけたルージュは、こんなところでなにをしているのだろうと声をかける。
「! あぁ、ルージュ」
突然声をかけられたことに一瞬驚いた様子を見せたライトだが、すぐに相手がルージュだとわかると、ふわりと柔らかな微笑みを浮かべた。
けれど。
「……ぁ……っ」
ライトの元まで小走りで駆け寄りかけたルージュは、柱の影にいる人物に気づいて慌てて歩みを止めていた。
「……え、と……。ごめんなさい。お話の邪魔をしちゃった?」
そこには、金髪の緩いウェーブを腰まで靡かせた可愛らしい少女の姿。意志の強そうな瞳をした少女は、ルージュも夜会などで何度か言葉を交わした記憶のある侯爵家の御令嬢だった。
「大丈夫だよ。もう済んだから」
「っ、ライト……ッ!」
すぐにルージュの元へ向かおうとするライトに、少女の批難めいた声が上がる。
「行こう」
けれど、すぐに隣に立ったライトにそっと背中を押され、ルージュは戸惑いの色を浮かべて少女の方へと視線を投げる。
「え……。ラ、ライト……?」
まだ話は終わっていないとでも言いたげな表情をしている少女に、ルージュは「いいの?」とライトの顔を見上げて確認する。
話の邪魔をしてしまったのは明らかにルージュの方だ。
二人がなにを話していたかなど……、なんとなく想像はついているものの、だからといって少女から我が物顔でライトを引き離す権利はルージュにはない。
「いいから。ね?」
ちらちらと少女を気にするルージュに、ライトはにこりと笑うと多少強引にルージュをその場から連れていく。
後には、悔し気に唇を噛み締める少女の姿だけが残されていた。
そして、そんなことがあった次の日の昼休みのことだった。
「ライトに相応しくないくせに……っ!」
「……え……?」
食堂で昼食を食べ終えたルージュがアメリアと共に階段の踊り場に差し掛かった時。一人の少女が擦れ違いざまに放った言葉に反応したのは、それを言われたルージュではなく、むしろ一緒にいたアメリアの方だった。
「! ちょっとそこの貴女……! 待ちなさいよ……っ!」
「ア、アメリア……ッ!?」
手を伸ばし、ぐいっ、と少女を振り向かせたアメリアの行動に、ルージュは慌ててしまう。
「今、ルージュに失礼なこと言ったでしょう……!」
謝りなさいよ! と声を上げるアメリアの目は吊り上がり、完全に憤慨していた。
「ア、アメリア……。私はいいから……っ」
ルージュのことを思ってくれる親友の行動は嬉しいけれど、こんなことで騒ぎを起こしてほしくないとも思い、ルージュはふるふると首を横に振る。
実際、この程度のことを気にしていてはきりがないのは本当だ。ルージュとライトが正式に婚約を発表してからはそうそうこういったことはなかったものの、それまではルージュに嫉妬する少女たちからの嫌がらせはそれなりにあったのだ。
先日、ルージュとライトが喧嘩をしているらしいという噂が広まった時も、あわよくばと考える少女たちは少なくなかっただろう。
ライトは、少女たちが憧れる“王子様”。
それをわかっていて隣にいるのだ。こんなことを気にしてはいられない。
そしてなによりも、真摯に自分のことを想ってくれているライトの気持ちを疑って不安になるなど、ライトに対して失礼だ。
「よくないわよ!」
だが、完全に頭に血の昇っているらしいアメリアは、ぷりぷりと眉根を吊り上げる。
「どうせライトにあっさり振られた腹いせなんでしょうけど!」
「アメリア……ッ」
買った喧嘩に嫌味のような言葉を返すアメリアを、ルージュは焦ったように窘める。
階段の上下からは、一体なにごとかとこちらを窺う視線をいくつも感じた。
これ以上の騒ぎになることは避けた方がいいだろう。
「っ、そんな女のどこがいいのよ……!」
けれど、そんなルージュの思いに反し、少女はぎりりと唇を噛み締めると、憎々し気にルージュの顔を睨みつけてくる。
「母親同士が親友だからって、それだけのことでしょう……!?」
ルージュとライトの母親同士が親友であることは有名で、初めてパートナーとして二人で社交界に出た時から、“母親同士が親友だから仕方なく”という陰口は常に少女たちの間で囁かれていた。
「身分だってそう高くない。貴女を妻に迎えても、ライトにはなんの恩恵もないじゃないっ」
それを言われるとルージュは弱い。
ルージュもれっきとした伯爵家の人間だが、王家の血も入った公爵家の跡取りであるライトと釣り合いが取れるほどかと言えば……、堂々と胸を張れるほどのものではない。
ルージュはライトの結婚相手として、現宰相を務めるライトの父親になにか有益なものをもたらすことができる相手ではないのだ。
「……まるで自分であればライトに利益を与えられるとでも言いたげな物言いね?」
「はぁ? 貴女まさか、わたくしのことを知らないとでも?」
そこで鼻で笑って挑発するアメリアへ、少女は呆れたように笑い飛ばす。
まるで自分は有名人だとでも言いたげな彼女は、昨日、ライトと柱の影で話していた人物でもあり――……。
「知ってるわよ。我儘で身勝手な侯爵家の御令嬢」
「な……っ!?」
親に甘やかされ、まるで女王様のような振る舞いをすると有名な、ルージュたちの同級生でもあった。
「貴女こそ、とてもライトのためになるようなものをお持ちとは思えませんけど?」
むしろこんな女を妻にしたらライトの評価がガタ落ちするとわざとらしく呆れて見せるアメリアに、少女の顔はあまりの怒りから真っ赤になる。
「……っ、失礼な……っ! 貴女なんてわたくしが一言お父様に……」
「嫌ぁね。そうやって父親の権力を笠に着て」
「なんですって……!?」
この国には確かに身分制度はあるが、実際にそこまで上下関係は厳しくない。アメリアはルージュと同じ伯爵家の令嬢だが、父親が商売の才覚があり、下手な高位貴族よりも財力があることが強味だった。
「っなんて失礼な……っ!」
「! アメリア……ッ!」
少女の手が高く上がり、それがアメリアを平手打ちしようとしていることがわかって、ルージュは咄嗟に二人の間に割って入る。
「ルージュ……!?」
――パシーン……ッ! と。
小気味いい音が階段に響き渡り、アメリアの瞳が大きく見開かれた。
なぜなら。
「……あ……っ?」
運悪く、割って入った勢いに平手打ちの衝撃が加わって、ルージュの身体はぐらりと不安定に傾いた。
そしてさらに、転倒を免れようと踏みしめた場所は、階段の縁だった。
当然勢いを止められるはずはなく、脚は階段を踏み外し、そのままバランスを失ったルージュの身体は空中へと投げ出されていた。
「! ルージュ……ッ!」
悲鳴に近いアメリアの声が遠く聞こえた気がした。
そして、もう一つ。
「ルージュ……ッ!?」
どうやら騒ぎを聞きつけてやってきたらしいライトの声が響き、ライトが大きく地を蹴った。
一瞬にしてライトの身体には風が生まれ、その一蹴りで投げ出されたルージュの元まで跳ぶと階段半ばの空中でルージュの身体を抱き留める。
だが、ライトが纏った風の効果はそこまでだった。
本来であれば呪文が必要な魔法を、なんの詠唱もなしに発動したのだ。不可能なことではないが、生み出される魔法の程度はたかがしれている。
「……きゃ――っ!」
誰かの悲鳴が上がり、二人の身体は重力のまま階段から転がり落ちる。
「っ! ルージュ……ッ! ライト……ッ!」
顔面蒼白になったアメリアの叫び声が上がる中、なにか衝撃を和らげるような魔法の気配を感じたような気もするが、それもやはりたいしたものではない。
「……く……っ」
押し殺したライトの呻き声がルージュの耳を掠め、二人分の重さと勢いもあり、堪え切れずライトの頭が床に強く打ち付けられた。
「ルージュ……ッ!」
「ライト……ッ!」
事態を見守っていた生徒たちからも悲鳴のような声が上がり、辺りは「早く医者を……!」などという声で騒然となる。
「……っ……」
「ルージュ!? 大丈夫!?」
衝撃ですぐには起き上がることも声を出すこともできなかったルージュだが、慌てて階段を駆け下りてきたアメリアが「自分のせいで」と泣きそうに顔を歪める姿に無理矢理笑みを作って見せる。
「……わ、たしは……、だい、じょうぶ……」
あちこち痛いけれど、大きな怪我をしていないことだけはなんとなくわかる。
けれど、その一方で。
「……ぅ……っ」
「! ライト……ッ!?」
強打した頭を押さえて苦痛の表情を浮かばせるライトに、アメリアの瞳が見開かれる。
「ラ、イト……ッ?」
痛む身体で無理矢理起き上がったルージュの姿を、うっすらと開かれたライトの瞳が映し込む。
「……ルー……、ジュ……。怪我は……、ない……?」
こんな時でさえ自分のことよりもルージュの身体を一番に心配してくれるライトに、ルージュは泣きそうになりながらこくこくと首を振る。
「……よか……っ、た……」
心底安心したかのような吐息を洩らし、ライトの瞳はそのまま力なく閉ざされる。
「!? ライト……!? ライト……ッッッ!?」
そうしてライトは、次の日になっても目を覚ますことはなかった。
「……ライト?」
柱の向こう。死角ぎりぎりの場所でライトの姿を見つけたルージュは、こんなところでなにをしているのだろうと声をかける。
「! あぁ、ルージュ」
突然声をかけられたことに一瞬驚いた様子を見せたライトだが、すぐに相手がルージュだとわかると、ふわりと柔らかな微笑みを浮かべた。
けれど。
「……ぁ……っ」
ライトの元まで小走りで駆け寄りかけたルージュは、柱の影にいる人物に気づいて慌てて歩みを止めていた。
「……え、と……。ごめんなさい。お話の邪魔をしちゃった?」
そこには、金髪の緩いウェーブを腰まで靡かせた可愛らしい少女の姿。意志の強そうな瞳をした少女は、ルージュも夜会などで何度か言葉を交わした記憶のある侯爵家の御令嬢だった。
「大丈夫だよ。もう済んだから」
「っ、ライト……ッ!」
すぐにルージュの元へ向かおうとするライトに、少女の批難めいた声が上がる。
「行こう」
けれど、すぐに隣に立ったライトにそっと背中を押され、ルージュは戸惑いの色を浮かべて少女の方へと視線を投げる。
「え……。ラ、ライト……?」
まだ話は終わっていないとでも言いたげな表情をしている少女に、ルージュは「いいの?」とライトの顔を見上げて確認する。
話の邪魔をしてしまったのは明らかにルージュの方だ。
二人がなにを話していたかなど……、なんとなく想像はついているものの、だからといって少女から我が物顔でライトを引き離す権利はルージュにはない。
「いいから。ね?」
ちらちらと少女を気にするルージュに、ライトはにこりと笑うと多少強引にルージュをその場から連れていく。
後には、悔し気に唇を噛み締める少女の姿だけが残されていた。
そして、そんなことがあった次の日の昼休みのことだった。
「ライトに相応しくないくせに……っ!」
「……え……?」
食堂で昼食を食べ終えたルージュがアメリアと共に階段の踊り場に差し掛かった時。一人の少女が擦れ違いざまに放った言葉に反応したのは、それを言われたルージュではなく、むしろ一緒にいたアメリアの方だった。
「! ちょっとそこの貴女……! 待ちなさいよ……っ!」
「ア、アメリア……ッ!?」
手を伸ばし、ぐいっ、と少女を振り向かせたアメリアの行動に、ルージュは慌ててしまう。
「今、ルージュに失礼なこと言ったでしょう……!」
謝りなさいよ! と声を上げるアメリアの目は吊り上がり、完全に憤慨していた。
「ア、アメリア……。私はいいから……っ」
ルージュのことを思ってくれる親友の行動は嬉しいけれど、こんなことで騒ぎを起こしてほしくないとも思い、ルージュはふるふると首を横に振る。
実際、この程度のことを気にしていてはきりがないのは本当だ。ルージュとライトが正式に婚約を発表してからはそうそうこういったことはなかったものの、それまではルージュに嫉妬する少女たちからの嫌がらせはそれなりにあったのだ。
先日、ルージュとライトが喧嘩をしているらしいという噂が広まった時も、あわよくばと考える少女たちは少なくなかっただろう。
ライトは、少女たちが憧れる“王子様”。
それをわかっていて隣にいるのだ。こんなことを気にしてはいられない。
そしてなによりも、真摯に自分のことを想ってくれているライトの気持ちを疑って不安になるなど、ライトに対して失礼だ。
「よくないわよ!」
だが、完全に頭に血の昇っているらしいアメリアは、ぷりぷりと眉根を吊り上げる。
「どうせライトにあっさり振られた腹いせなんでしょうけど!」
「アメリア……ッ」
買った喧嘩に嫌味のような言葉を返すアメリアを、ルージュは焦ったように窘める。
階段の上下からは、一体なにごとかとこちらを窺う視線をいくつも感じた。
これ以上の騒ぎになることは避けた方がいいだろう。
「っ、そんな女のどこがいいのよ……!」
けれど、そんなルージュの思いに反し、少女はぎりりと唇を噛み締めると、憎々し気にルージュの顔を睨みつけてくる。
「母親同士が親友だからって、それだけのことでしょう……!?」
ルージュとライトの母親同士が親友であることは有名で、初めてパートナーとして二人で社交界に出た時から、“母親同士が親友だから仕方なく”という陰口は常に少女たちの間で囁かれていた。
「身分だってそう高くない。貴女を妻に迎えても、ライトにはなんの恩恵もないじゃないっ」
それを言われるとルージュは弱い。
ルージュもれっきとした伯爵家の人間だが、王家の血も入った公爵家の跡取りであるライトと釣り合いが取れるほどかと言えば……、堂々と胸を張れるほどのものではない。
ルージュはライトの結婚相手として、現宰相を務めるライトの父親になにか有益なものをもたらすことができる相手ではないのだ。
「……まるで自分であればライトに利益を与えられるとでも言いたげな物言いね?」
「はぁ? 貴女まさか、わたくしのことを知らないとでも?」
そこで鼻で笑って挑発するアメリアへ、少女は呆れたように笑い飛ばす。
まるで自分は有名人だとでも言いたげな彼女は、昨日、ライトと柱の影で話していた人物でもあり――……。
「知ってるわよ。我儘で身勝手な侯爵家の御令嬢」
「な……っ!?」
親に甘やかされ、まるで女王様のような振る舞いをすると有名な、ルージュたちの同級生でもあった。
「貴女こそ、とてもライトのためになるようなものをお持ちとは思えませんけど?」
むしろこんな女を妻にしたらライトの評価がガタ落ちするとわざとらしく呆れて見せるアメリアに、少女の顔はあまりの怒りから真っ赤になる。
「……っ、失礼な……っ! 貴女なんてわたくしが一言お父様に……」
「嫌ぁね。そうやって父親の権力を笠に着て」
「なんですって……!?」
この国には確かに身分制度はあるが、実際にそこまで上下関係は厳しくない。アメリアはルージュと同じ伯爵家の令嬢だが、父親が商売の才覚があり、下手な高位貴族よりも財力があることが強味だった。
「っなんて失礼な……っ!」
「! アメリア……ッ!」
少女の手が高く上がり、それがアメリアを平手打ちしようとしていることがわかって、ルージュは咄嗟に二人の間に割って入る。
「ルージュ……!?」
――パシーン……ッ! と。
小気味いい音が階段に響き渡り、アメリアの瞳が大きく見開かれた。
なぜなら。
「……あ……っ?」
運悪く、割って入った勢いに平手打ちの衝撃が加わって、ルージュの身体はぐらりと不安定に傾いた。
そしてさらに、転倒を免れようと踏みしめた場所は、階段の縁だった。
当然勢いを止められるはずはなく、脚は階段を踏み外し、そのままバランスを失ったルージュの身体は空中へと投げ出されていた。
「! ルージュ……ッ!」
悲鳴に近いアメリアの声が遠く聞こえた気がした。
そして、もう一つ。
「ルージュ……ッ!?」
どうやら騒ぎを聞きつけてやってきたらしいライトの声が響き、ライトが大きく地を蹴った。
一瞬にしてライトの身体には風が生まれ、その一蹴りで投げ出されたルージュの元まで跳ぶと階段半ばの空中でルージュの身体を抱き留める。
だが、ライトが纏った風の効果はそこまでだった。
本来であれば呪文が必要な魔法を、なんの詠唱もなしに発動したのだ。不可能なことではないが、生み出される魔法の程度はたかがしれている。
「……きゃ――っ!」
誰かの悲鳴が上がり、二人の身体は重力のまま階段から転がり落ちる。
「っ! ルージュ……ッ! ライト……ッ!」
顔面蒼白になったアメリアの叫び声が上がる中、なにか衝撃を和らげるような魔法の気配を感じたような気もするが、それもやはりたいしたものではない。
「……く……っ」
押し殺したライトの呻き声がルージュの耳を掠め、二人分の重さと勢いもあり、堪え切れずライトの頭が床に強く打ち付けられた。
「ルージュ……ッ!」
「ライト……ッ!」
事態を見守っていた生徒たちからも悲鳴のような声が上がり、辺りは「早く医者を……!」などという声で騒然となる。
「……っ……」
「ルージュ!? 大丈夫!?」
衝撃ですぐには起き上がることも声を出すこともできなかったルージュだが、慌てて階段を駆け下りてきたアメリアが「自分のせいで」と泣きそうに顔を歪める姿に無理矢理笑みを作って見せる。
「……わ、たしは……、だい、じょうぶ……」
あちこち痛いけれど、大きな怪我をしていないことだけはなんとなくわかる。
けれど、その一方で。
「……ぅ……っ」
「! ライト……ッ!?」
強打した頭を押さえて苦痛の表情を浮かばせるライトに、アメリアの瞳が見開かれる。
「ラ、イト……ッ?」
痛む身体で無理矢理起き上がったルージュの姿を、うっすらと開かれたライトの瞳が映し込む。
「……ルー……、ジュ……。怪我は……、ない……?」
こんな時でさえ自分のことよりもルージュの身体を一番に心配してくれるライトに、ルージュは泣きそうになりながらこくこくと首を振る。
「……よか……っ、た……」
心底安心したかのような吐息を洩らし、ライトの瞳はそのまま力なく閉ざされる。
「!? ライト……!? ライト……ッッッ!?」
そうしてライトは、次の日になっても目を覚ますことはなかった。
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