26 / 53
第二章 出会いは魔剣と紅茶と共に
第二十五話 魔導競技体育大会⑧
しおりを挟む
えっ? 何言ってるの、ラルス……。
じっとラルスを見ていると、「あっ、そうか」と一人小声で呟いてから、くるりと後ろを向いた。背中を見せながらわたしを見つめてもう一度叫んだ。
「こっちに来い!」
……どういう意味?
少し悩むリア。困惑した顔のシャルロット先輩とも目が合う。
「リアちゃん……」
センパイ、やっぱり痛そうだなぁ。
わたし、退いたほうがいいよね……と思った時、はい、わたしゃピンと来ましたよ!
「そういうことー?」
えーっ、楽しくなってきたー!
ふふふ、ラルスの華麗でミステリアスな戦略にも気付けたわ。何故ならわたしは『ミステリアスな女』だから。
「ちょっとゴメンね」
騎馬の皆さんに声を掛けると騎馬の上で立ち上がる。
「ちょっとちょっと、リアちゃん危ない……」
心配そうなシャルロット先輩。
おっとっと、ここで落ちたら悲しいわ、うふふー。
では、ラルス、行くわよー!
「とーーぅっ!」
ラルスの背中にポーンと飛び乗って肩車になった。
ほらほら、これには誰も気付けなかったでしょ。皆さんビックリしてるわね。顔がニヤけちゃう。
ここから二人の力を合わせて大逆転を演出するわよ!
『――おぉーっと! このピンチにリアとラルス、因縁の二人が協力だぁ!』
シャーリーのアナウンスが観客を煽るから、観客も拍手喝采よ!
って、あれ……? あっ……えぇ? すっごく恥ずかしくなってきた! よく考えたらわたし、チアのユニフォーム着てるのよ!
「あ、あの……ラルス……汗臭かったらゴメンね。あと、重くない?」
耳元にこんなこと囁くのも恥ずかしいわ! ヤバい、顔が赤くなってきた。暑い暑い! やだ、汗出てきちゃうって、そもそも今日は汗を沢山かいてるし、えーっ、ちょっと、いやーん、恥ずかしー!
「や、柔らかい。羽の様に軽い。それに、凄く良い匂いがする……」
きゃーーー!
ラルスったら、何呟いてんのよ!
「ま、ま毎日お風呂入ってるし……って、そんなこと伝えてくれなくて良いから!」
「えぇっ? あっ……すまない……」
こんなのモジモジするしかないわよ。ラルスは逆に微動だにしなくなっちゃったし。
『――おーっと、立ち止まる二人、何かトラブルかぁ? もしかして、リアはおトイレにでも行きたくなったのか?』
観客から笑いが起きたところでハッとした。シャーリーは後でコロスとして、先ずはラルスの頭をペシっと叩く。真っ赤な顔をしたラルスがこちらを向いてくれた。
そこに握り拳を突き出す。
「ラルス……勝つよ! 恥ずかしい思いまでして負けたら大損よ!」
「あ……あぁ、分かった。ま、先ずは追いかけるぞ!」
ぎこちなくグータッチすると、ラルスも状況を把握したのか青チームの騎馬に向かって走り始めた。既に青チームの騎馬は陣地まで二十メートルほど。こちらとの距離はまだ楽に五十メートルほどはある。
ラルスが走り始めると歓声が湧いた。
『――さぁ、動き始めた赤チームのペア! さぁ、他の騎馬に対して、さしずめ軽装騎兵というところでしょうか。機動力を活かせるか、といってもこの距離追いつけるのかぁ!』
シャーリーのアナウンスが煽る煽る。
しかし、この安定感。まるで高級車のようよ。
まぁ、乗ったことないんだけどね。
「リア! 落ちるなよ」
「アイアイサー!」
敬礼しながら元気良く返事をした。
ラルスならなんとかしてくれる!
そう信じれた。ワクワク感に勝手に笑顔が溢れて楽しそうな声色になる。
「よしっ!」
ラルスが声を上げた瞬間、肩やわたしの膝辺りを持つ手に、とんでもない力が溢れ出すのを感じた。自分が乗っているのが軽自動車だと思ったらレーシングカーだったという感じ。
もちろんレーシングカーなんて乗ったこと無いんだけどね!
「えいえい、ゴーゴー!」
一歩、二歩と進むほどに速度が上がる。
「えいえい、ゴー……って、ひゃあーーー!」
三歩、四歩で落ちたら大事故と身体が恐怖した。五歩目から正しく大型バイクの二人乗りだ。ラルスの背中で仰反る形になってしまった。
こ、これは……ジェットコースターよ、『ド○ドンパ』な感じよー!
ラルスの肩に両手をかけてなんとか気合いで前傾姿勢になることに成功。
みるみる青チームの騎馬が近づいてくる。
「リア、奪い返せ!」
「うほほーい! まっかされましたよーっ!」
テンション爆上がりだけど、今のわたしの目は獲物を狙う鷹の様に鋭いわよ、多分。
視野が狭くなるほどのスピードの中で狙いを定める。
さぁ、集中しろっ、リア!
「狙いは……やっぱりー……」
近づく青チームの騎手が持つ赤いフラッグがヒラヒラと揺れ動く。ぐんぐん距離が近づく。右手をラルスの肩から離して居合抜きをイメージして構える。
「しまった、時間をかけすぎちゃった! 気をつけてーっ!」
スリーAのアレクシア先輩の声が聞こえた。
ははっ、もう遅い。
追い抜きざまに騎手がつける青いハチマキを狙って抜き打ち。
「こっちよ! 取ったぁー!」
リアの右手が青チームのハチマキを奪うことに成功。
『――やったー、リアが青のハチマキを奪ったーっ! これで青の男子チームは失格です。そこで止まってください!』
シャーリーの変なテンションのアナウンスが最高に心地イイわ!
目を瞑ってハチマキを持った腕をまっすぐ上に上げると歓声が響いた。
今のわたし、サイコーにカッコいいわ。
前髪を掻き上げながらクールに目を開くと場外ラインが目の前にあった。
『――おーっと、赤チームの軽装騎兵、思わず場外に飛び出てしまうのかー』
「ラルス、前っ! 場外は失格よー!」
負けちゃう!
身体がキュッと縮こまる。ラルスの頭に思わずしがみついた。その時、胸にラルスの体温を感じた。
「やわら……」
「えっ?」
何かを言いかけたラルスは刹那に身体を傾けて体勢を無理やり変える。
「曲っがっれーーっ!」
遂にラインに足がかかる。
「曲がってー!」
そうだ! 掌を場外に向けて風の魔導を全開にする。たまたま近くに居たラインズマンが吹き飛んでいくのが見えた。ゴメンナサイ!
その甲斐あって何とかギリギリ耐えたわよ。青チームのいる場所まで歩いて戻って赤フラッグも奪い返すことに成功。
「よーしっ、残るは二騎のみ。我々に勝機あり!」
「そうねっ、うふふ、やーっておしまい!」
ラルスは腕を組むわたしの下で指の関節を鳴らしている。
「どうするー? 『筋肉オバケ』君と『腹ペコ暴れん坊』ちゃんの二人組……」
「あーっ! まだその二つ名でわたし呼ばれてるの! 腹ペコって、もう失礼しちゃう!」
相変わらず腹ペコって憤慨モノよ! 最近はテラスではケーキを一個だけに我慢してるのに。
「でも、リアちゃんのケーキの食べ方は見てて気持ち良いから大人気よ」
「そうそう。大きなケーキが綺麗に無くなっていくのが可愛いわよね」
「ですよねー! リアってテラスでは一個しか食べないけど、外のカフェだと四個くらい食べるとこもカワイイです!」
「うん。それで良く貴族院の外でも暴れてるでしょ? 前も痴漢捕まえてたじゃない。お礼のケーキは結局一人で食べちゃうし……」
「ホールケーキを八等分したら、七個食べるんですよ。それも美味しそうに最後まで」
「見てた見てた。その後でパンケーキ食べてたの。感激しちゃった」
スリーAとミレーネが矢継ぎ早でわたしの痴態を説明している。なんかラルスに聞かれるの今日恥ずかしい。あ、お腹出てないよね?
うー、みるみる顔が赤くなってるのが分かるわよ。一応、わたしだって恥じらいくらいあるのよ!
「ひっどーい! ラルス! こうなりゃ四人とも木端微塵よ!」
『――さぁ、ラルスの上で地団駄を踏む腹ペコ暴れん坊。流石は筋肉オバケ。体幹がしっかりしてるぞ』
シャーリー最低でも二回はコロス。よーし、勝ったらラルスにご褒美あげちゃおっと。何にしようかなぁ。やっぱりケーキかな。しかし……一人でチアのユニフォーム着てるから時々恥ずかしくなるわね。恥ずかしいから耳元で小声で伝えよっと。
「ねぇ、ラルスー、勝ったら二人で――」
あっ、でもケーキっていうの恥ずかしい!
「――(ケーキ食べて)お祝いしましょ……」
耳元でそっと囁くとラルスが少し痙攣した。
ん? 何だろ? 暑くなってきた?
「その勝負、受けますわ、返り討ちよ!」
アリス先輩、騎馬の先頭で演劇みたいに情感たっぷりで返してきたわ。正座の男子一同も大歓声を上げている。
「ラルス君とリアちゃん、恨みはないけど……私達、勝利がご飯よりも、おやつよりも大好きなの。優勝は私達のものよっ!」
ラルスも少年漫画の主人公の様に大声で返す。
「わ、わ、わ分かりました先輩! 最後の勝負、受けます!」
よーし、どんどん場全体の空気がおかしくなってきたわ。シャーリーのアナウンスも観客を最終決戦に向けて煽り始めたわね。
『――さぁさぁ盛り上がってまいりました。残るはスリーAとミレーネの青チーム! 対するはラルスとリアの赤チーム。さぁ……』
「ちょっと待ったーですわ!」
あ、あれは……。
じっとラルスを見ていると、「あっ、そうか」と一人小声で呟いてから、くるりと後ろを向いた。背中を見せながらわたしを見つめてもう一度叫んだ。
「こっちに来い!」
……どういう意味?
少し悩むリア。困惑した顔のシャルロット先輩とも目が合う。
「リアちゃん……」
センパイ、やっぱり痛そうだなぁ。
わたし、退いたほうがいいよね……と思った時、はい、わたしゃピンと来ましたよ!
「そういうことー?」
えーっ、楽しくなってきたー!
ふふふ、ラルスの華麗でミステリアスな戦略にも気付けたわ。何故ならわたしは『ミステリアスな女』だから。
「ちょっとゴメンね」
騎馬の皆さんに声を掛けると騎馬の上で立ち上がる。
「ちょっとちょっと、リアちゃん危ない……」
心配そうなシャルロット先輩。
おっとっと、ここで落ちたら悲しいわ、うふふー。
では、ラルス、行くわよー!
「とーーぅっ!」
ラルスの背中にポーンと飛び乗って肩車になった。
ほらほら、これには誰も気付けなかったでしょ。皆さんビックリしてるわね。顔がニヤけちゃう。
ここから二人の力を合わせて大逆転を演出するわよ!
『――おぉーっと! このピンチにリアとラルス、因縁の二人が協力だぁ!』
シャーリーのアナウンスが観客を煽るから、観客も拍手喝采よ!
って、あれ……? あっ……えぇ? すっごく恥ずかしくなってきた! よく考えたらわたし、チアのユニフォーム着てるのよ!
「あ、あの……ラルス……汗臭かったらゴメンね。あと、重くない?」
耳元にこんなこと囁くのも恥ずかしいわ! ヤバい、顔が赤くなってきた。暑い暑い! やだ、汗出てきちゃうって、そもそも今日は汗を沢山かいてるし、えーっ、ちょっと、いやーん、恥ずかしー!
「や、柔らかい。羽の様に軽い。それに、凄く良い匂いがする……」
きゃーーー!
ラルスったら、何呟いてんのよ!
「ま、ま毎日お風呂入ってるし……って、そんなこと伝えてくれなくて良いから!」
「えぇっ? あっ……すまない……」
こんなのモジモジするしかないわよ。ラルスは逆に微動だにしなくなっちゃったし。
『――おーっと、立ち止まる二人、何かトラブルかぁ? もしかして、リアはおトイレにでも行きたくなったのか?』
観客から笑いが起きたところでハッとした。シャーリーは後でコロスとして、先ずはラルスの頭をペシっと叩く。真っ赤な顔をしたラルスがこちらを向いてくれた。
そこに握り拳を突き出す。
「ラルス……勝つよ! 恥ずかしい思いまでして負けたら大損よ!」
「あ……あぁ、分かった。ま、先ずは追いかけるぞ!」
ぎこちなくグータッチすると、ラルスも状況を把握したのか青チームの騎馬に向かって走り始めた。既に青チームの騎馬は陣地まで二十メートルほど。こちらとの距離はまだ楽に五十メートルほどはある。
ラルスが走り始めると歓声が湧いた。
『――さぁ、動き始めた赤チームのペア! さぁ、他の騎馬に対して、さしずめ軽装騎兵というところでしょうか。機動力を活かせるか、といってもこの距離追いつけるのかぁ!』
シャーリーのアナウンスが煽る煽る。
しかし、この安定感。まるで高級車のようよ。
まぁ、乗ったことないんだけどね。
「リア! 落ちるなよ」
「アイアイサー!」
敬礼しながら元気良く返事をした。
ラルスならなんとかしてくれる!
そう信じれた。ワクワク感に勝手に笑顔が溢れて楽しそうな声色になる。
「よしっ!」
ラルスが声を上げた瞬間、肩やわたしの膝辺りを持つ手に、とんでもない力が溢れ出すのを感じた。自分が乗っているのが軽自動車だと思ったらレーシングカーだったという感じ。
もちろんレーシングカーなんて乗ったこと無いんだけどね!
「えいえい、ゴーゴー!」
一歩、二歩と進むほどに速度が上がる。
「えいえい、ゴー……って、ひゃあーーー!」
三歩、四歩で落ちたら大事故と身体が恐怖した。五歩目から正しく大型バイクの二人乗りだ。ラルスの背中で仰反る形になってしまった。
こ、これは……ジェットコースターよ、『ド○ドンパ』な感じよー!
ラルスの肩に両手をかけてなんとか気合いで前傾姿勢になることに成功。
みるみる青チームの騎馬が近づいてくる。
「リア、奪い返せ!」
「うほほーい! まっかされましたよーっ!」
テンション爆上がりだけど、今のわたしの目は獲物を狙う鷹の様に鋭いわよ、多分。
視野が狭くなるほどのスピードの中で狙いを定める。
さぁ、集中しろっ、リア!
「狙いは……やっぱりー……」
近づく青チームの騎手が持つ赤いフラッグがヒラヒラと揺れ動く。ぐんぐん距離が近づく。右手をラルスの肩から離して居合抜きをイメージして構える。
「しまった、時間をかけすぎちゃった! 気をつけてーっ!」
スリーAのアレクシア先輩の声が聞こえた。
ははっ、もう遅い。
追い抜きざまに騎手がつける青いハチマキを狙って抜き打ち。
「こっちよ! 取ったぁー!」
リアの右手が青チームのハチマキを奪うことに成功。
『――やったー、リアが青のハチマキを奪ったーっ! これで青の男子チームは失格です。そこで止まってください!』
シャーリーの変なテンションのアナウンスが最高に心地イイわ!
目を瞑ってハチマキを持った腕をまっすぐ上に上げると歓声が響いた。
今のわたし、サイコーにカッコいいわ。
前髪を掻き上げながらクールに目を開くと場外ラインが目の前にあった。
『――おーっと、赤チームの軽装騎兵、思わず場外に飛び出てしまうのかー』
「ラルス、前っ! 場外は失格よー!」
負けちゃう!
身体がキュッと縮こまる。ラルスの頭に思わずしがみついた。その時、胸にラルスの体温を感じた。
「やわら……」
「えっ?」
何かを言いかけたラルスは刹那に身体を傾けて体勢を無理やり変える。
「曲っがっれーーっ!」
遂にラインに足がかかる。
「曲がってー!」
そうだ! 掌を場外に向けて風の魔導を全開にする。たまたま近くに居たラインズマンが吹き飛んでいくのが見えた。ゴメンナサイ!
その甲斐あって何とかギリギリ耐えたわよ。青チームのいる場所まで歩いて戻って赤フラッグも奪い返すことに成功。
「よーしっ、残るは二騎のみ。我々に勝機あり!」
「そうねっ、うふふ、やーっておしまい!」
ラルスは腕を組むわたしの下で指の関節を鳴らしている。
「どうするー? 『筋肉オバケ』君と『腹ペコ暴れん坊』ちゃんの二人組……」
「あーっ! まだその二つ名でわたし呼ばれてるの! 腹ペコって、もう失礼しちゃう!」
相変わらず腹ペコって憤慨モノよ! 最近はテラスではケーキを一個だけに我慢してるのに。
「でも、リアちゃんのケーキの食べ方は見てて気持ち良いから大人気よ」
「そうそう。大きなケーキが綺麗に無くなっていくのが可愛いわよね」
「ですよねー! リアってテラスでは一個しか食べないけど、外のカフェだと四個くらい食べるとこもカワイイです!」
「うん。それで良く貴族院の外でも暴れてるでしょ? 前も痴漢捕まえてたじゃない。お礼のケーキは結局一人で食べちゃうし……」
「ホールケーキを八等分したら、七個食べるんですよ。それも美味しそうに最後まで」
「見てた見てた。その後でパンケーキ食べてたの。感激しちゃった」
スリーAとミレーネが矢継ぎ早でわたしの痴態を説明している。なんかラルスに聞かれるの今日恥ずかしい。あ、お腹出てないよね?
うー、みるみる顔が赤くなってるのが分かるわよ。一応、わたしだって恥じらいくらいあるのよ!
「ひっどーい! ラルス! こうなりゃ四人とも木端微塵よ!」
『――さぁ、ラルスの上で地団駄を踏む腹ペコ暴れん坊。流石は筋肉オバケ。体幹がしっかりしてるぞ』
シャーリー最低でも二回はコロス。よーし、勝ったらラルスにご褒美あげちゃおっと。何にしようかなぁ。やっぱりケーキかな。しかし……一人でチアのユニフォーム着てるから時々恥ずかしくなるわね。恥ずかしいから耳元で小声で伝えよっと。
「ねぇ、ラルスー、勝ったら二人で――」
あっ、でもケーキっていうの恥ずかしい!
「――(ケーキ食べて)お祝いしましょ……」
耳元でそっと囁くとラルスが少し痙攣した。
ん? 何だろ? 暑くなってきた?
「その勝負、受けますわ、返り討ちよ!」
アリス先輩、騎馬の先頭で演劇みたいに情感たっぷりで返してきたわ。正座の男子一同も大歓声を上げている。
「ラルス君とリアちゃん、恨みはないけど……私達、勝利がご飯よりも、おやつよりも大好きなの。優勝は私達のものよっ!」
ラルスも少年漫画の主人公の様に大声で返す。
「わ、わ、わ分かりました先輩! 最後の勝負、受けます!」
よーし、どんどん場全体の空気がおかしくなってきたわ。シャーリーのアナウンスも観客を最終決戦に向けて煽り始めたわね。
『――さぁさぁ盛り上がってまいりました。残るはスリーAとミレーネの青チーム! 対するはラルスとリアの赤チーム。さぁ……』
「ちょっと待ったーですわ!」
あ、あれは……。
0
あなたにおすすめの小説
転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜
上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】
普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。
(しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます)
【キャラクター】
マヤ
・主人公(元は如月真也という名前の男)
・銀髪翠眼の少女
・魔物使い
マッシュ
・しゃべるうさぎ
・もふもふ
・高位の魔物らしい
オリガ
・ダークエルフ
・黒髪金眼で褐色肌
・魔力と魔法がすごい
【作者から】
毎日投稿を目指してがんばります。
わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも?
それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
七億円当たったので異世界買ってみた!
コンビニ
ファンタジー
三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。
ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。
「異世界を買ってみないか?」
そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。
でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。
一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。
異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。
チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる