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私のパーティーメンバーが勇者よりも強い件〜IF・アレク編〜
その国、名をミュオール
しおりを挟む「えー、皆さまにお知らせがあります。この船は漂流しました」
「なんで事後報告」
メディレディアの港街、ゴドバを発ってから五日目の早朝。
真顔のアレク様が目に光のない船長へ即座に切り返した。
いや、本当に。
おかしいだろう、どうしてそうなった⁉︎
「冷静に言ってるけど普通に大ピンチじゃない?」
「なのだね」
「お二人も十分冷静ですね⁉︎」
「まぁ、慌てても事態が好転するわけじゃないしね~」
「ク、クリス様……」
この状態で慌てているのは私だけ⁉︎
「とりあえず状況をもう少し詳しく説明してくれないか?」
「は、はい……」
アーノルス様も冷静に船長へ状況の説明を求める。
す、すごい、さすが勇者!
私も見習わなければ!
「ふご! ふごぶごぶー!」
「落ち着けカルセドニー、慌てても仕方ない」
あ、慌てふためくカルセドニーを見ていたら一気に心が冷静になった。
そうか、慌てる人間がいると逆に冷静になるのか。
「マスキレア王国の港『サカザス』までは、船でおよそ三週間かかります。ここは、ミュオール海域に入る手前の海ですね」
「漂流理由は?」
「舵が壊れました。直す手立てがありません」
「なんで壊れたのー?」
「乗組員が上から落ちてきた鳥のフンに驚いて飛び上がった際、ぶつかって壊れました」
「脆すぎでしょ…」
こ、壊れた理由が酷いな……。
「手立てがないと言っていたが、どうして直せないんだい?」
「普段は船大工が常駐してるんですが、下痢でゴドバに置いて来ちまったんです」
「…………」
真顔で何を言ってるんだこの船長は……。
「……どっちも理由がもう◯ち……」
「下品よ、リガル」
「ごめんなさーい」
「…………」
「で、ではどうしますの?」
リリス様にポカリと殴られるリガル様。
そして、私の横で不安そうなエリナ姫。
顔は包帯でわからないがカルセドニーからも不安げな雰囲気が漂ってくる。
確かに。
我々の中に船の構造に詳しい者は居ないしな。
さすがのアレク様たちにもこれはどうすることも出来ないだろうし……。
「クリスー、修繕魔法よろー」
「オケ~」
「直せるの、クリスちゃん⁉︎」
「壊れて間もない簡単な破損ならね~」
「ミュオール? って王国の海域が近いんだよね? じゃあその国の港で降ろしてよー。そこでちゃんと直してもらうのがいいと思いまーす。修繕魔法は一度壊れたものを元に戻す事はできるけどー……」
「壊れたという事実は残るの~。イコール同じ壊れ方をしやすくなるんだよね~。しかも壊れてから時間が経つと効果も薄いし~。壊れたのいつ~?」
「昨日の夜です」
「マジ万死~」
「…………」
と、言うことのようなので、修繕魔法は「応急処置~」……らしい。
「昨日の夜から乗客に情報を開示しなかったのか。クリスではないが万死に値するのだよ」
「ホントよねぇ。でもミュオールかぁ……ワタシあの国苦手なのよね~」
「え、どうしてですか?」
ミュオール……私たちも通ったことのある国だ。
中央大陸と西の大陸を繋ぐ巨大な橋がミュオール王国にはある。
普通の冒険者はそこを通り、西の大陸へと行くのだ。
同じように、東北の大陸と中央大陸も巨大な橋がある。
しかし、橋はシン帝国の管理下で通行料が半端ない。
船の乗船料より高いのだ。
勇者ということで、エリナ姫がシン帝国に掛け合い、なんとか通してもらったけれど……。
どうやら我々の通行料はマティアスティーンが負担するという話になったようなのだ。
つまり、普通の冒険者や商人のキャラバンも、あの橋は通れない。
東北の大陸から中央大陸へ渡るにはヤン国から港でマスキレア王国の東にあるタハミネ港に渡るのが一般的だ。
ヤン国からの船の乗船料は、格安らしいので。
…………もっと早く聞いていれば遠回りになってもヤン国からマスキレアに行けたのに。
はあ、今思い出しても勿体ない!
あ、ではなく……。
「どうしてって、あの国ご飯美味しくないじゃない」
「あ、ああ……」
だいたいニガヤシのソースでしたよね。
確かにナナリーが居なかったら、あの国の滞在はきつかったな。
「食に関心が少ない国のようだからね……」
「そうなのー? どこにでもあるんだねー、そういう地域ー」
「アレク様の国にもおありなんですか」
「うーん、っていうかー……種族的な問題?」
「なんですかそれ」
「それに彼らのコト言えないしねー、僕ら。味覚は普通だと思うんだけど、たまに無性にドラゴンの肉が食べたくなるのー」
「……そうですね」
普通、ドラゴンの肉は食べませんものね……。
「でもミュオールには中級ダンジョンがあるんだよ!」
「ダンジョン?」
話に突如入ってきたリガル様。
その言葉に首を傾げるアレク様。
そういえばアレク様たちに、話した事はなかったかもしれない。
「魔王軍が侵攻の拠点として打ち立てる塔の事です。中は迷宮になっていて、強力な魔物が最奥で待ち構えています。勇者や冒険者はそういったダンジョンを破壊して、魔王軍の侵攻を防いでいるのですが……」
「世界中に気が付くと似たようなダンジョンが建ってるのよ。かと思えばそれまで何もなかったところに新しく出来ていたりもするし……」
「放置すれば瘴気の雲が濃くなり、そして広がって行く。魔物のレベルもどんどん上がって強くなる為、放って置かずに見付けたらすぐに潰さなければならんのだよ」
「……ふぅーん」
ダンジョンは外から破壊しようとしても、傷一つ付かない。
それは剣や魔法は元より聖剣でも、だ。
故に中に入って、最奥に控える強力な魔物を倒す。
そうすると、ダンジョンは跡形もなく消え去るのだ。
しかし、時間が経つと同じ場所に同じダンジョンが出現してしまう。
とは言え放置すればよりの瘴気が強力になり、中の魔物も強くなる。
自ずと、最奥の魔物もより強い魔物になってしまうので放置は出来ないのだ。
そしてダンジョンは初級から中級、上級と三種類に分かれる。
判別はダンジョンに入る扉の色。
初級は青、中級は黄色、上級は赤。
初級の推奨レベルは10~20、中級は40~50、上級は80~100……とされている。
まあ、上級ダンジョンは南西の大陸にしか存在しないけれど……。
「そうね、そろそろあのダンジョンは潰しておかないと危ないわね」
「その国にも勇者がいるんじゃないの?」
「アキレス様ですね」
「アキレスは比較的レベルが低い勇者なのだよ。レベルは57。アキレスの仲間はもっと低い」
「マジでー」
「え、わ、私よりもレベルが低いのですか⁉︎」
「そうよー? それに、アキレスのパーティーメンバー……初期からの仲間は一人もいないんじゃなかったかしら? あの子、ちょっとアレなのよ……性格が……」
せ、性格が⁉︎
「勇者一人では、さすがにダンジョンの魔物の相手はしきれんのだよ。それなりに入り組んでいるし、魔物の巣窟故に戦闘も連戦になる。ダンジョンへ挑むのなら最低五人はパーティーメンバーが必要だね」
「アーノルスなら一人でもいけそうだけどねぇ~。…ボスの魔物はダンジョンの平均よりも強い魔物が現れるから、油断は禁物なのよ」
「ミュオールに行ったらみんなでダンジョン行こうよ!」
「…………」
「…………」
冷たい目でリガル様を見るリリス様とローグス様とアレク様。
だが、私はその三人の視線に気付かない。
むしろ、その言葉に盛大な魅力を感じた。
だって、だって中級ダンジョン!
「はい! 行きましょう‼︎」
「え、ええー……? オルガなんでテンション上がってるのー?」
「だって中級ダンジョンですよ⁉︎ カルセドニーたちと旅をしていた頃は危なくて入れないと言われた中級ダンジョン!」
夢にまで見た中級ダンジョン!
カルセドニーたちの平均レベルが35前後で、入れるダンジョンは初級のみ。
それもカルセドニーが面倒くさがって素通りしたり、ボス部屋の前で引き返したりを繰り返す日々……。
「中級ダンジョンは一度挑んでみたかったのです!」
「平均レベル40~50なんて雑兵もいいところじゃーん……」
「…………」
それは……アレク様のレベルからすると、そうでしょうね……。
なにしろ、アレク様のレベルは1000を超えている。
上級ダンジョンすら一人で攻略出来そう……。
「えー、アレクくん! 行こうよ! 絶対楽しいよ⁉︎」
「何が面白いのー?」
「それはもう、強い魔物がたくさん連続で出て来るんだよ!」
「前から思ってたけ、どわんこ騎士って頭ヤバくない?」
「今気付いたのかね?」
「気付くの遅いわよ」
「え? どこがヤバイのですか?」
「…………」
「……いや、オルガは気にしないでくれたまえ……」
私もすごく楽しそうだと思うのだが?
体力の限界に挑めるなんて、最高の修行場所ではないか。
初級では物足りないものな!
「おーい、ローグス! リリス! クリス君が修繕魔法を使うところを見なくていいのかーい!」
「行って来るのだよ!」
「ごめんまた後でね!」
「あ! 俺も俺も! 俺も見て見たーい!」
「おお……」
脱兎の如く、とても魔法使いの素早さとは思えない速さで、操舵室へ駆け上がっていくリリス様とローグス様……とリガル様。
姿が見えないと思っていたアーノルス様は、船長に進路の相談を受けていたようだ。
…私とした事が…。
進路の事なら私も話に加わらなければならなかったのに…。
仮にも勇者となったのだ、アーノルス様に全てお任せしていいはずがない。
「はぁ……」
「…………。オルガ、ほんとにあの金髪勇者とデートするの?」
「え? はい」
「はいって、意味わかってる?」
「修行ですよね!」
「うん、違う」
違う⁉︎
「な、なにが違うんですか⁉︎」
「デートの意味が違う。オルガのデートの認識って僕の知ってるデートじゃないと思う」
「そ、そうなんですか? デートってどういう意味なんですか?」
「デートは………、…………いや、合ってるのかな……?」
「え?」
「デートの定義って、男女が事前に待ち合わせて出掛ける事だから……」
「合ってるんですか……?」
「うん……合ってるね。ごめんなさーい……」
「え! いえ、そんな!」
アレク様が謝るようなことじゃない。
私なんて、デートの定義さえ知らなかった。
「私はデートって、恋人同士が仲良く出掛けることだと思っていましたし!」
「……………………」
「アレク様?」
すごい無表情になった⁉︎
「いや、まあ、別にオルガがあの金髪勇者と恋人同士になってもいいって思ってるからデートを了承したならそれはそれでいいんだけどね」
「ここここ恋人⁉︎ 私とアーノルス様がですか⁉︎ そんな、恐れ多いですよ!」
「ふーん? 向こうはその気満々みたいだけど?」
「そ、そ……そう、なんですか?」
アーノルス様……確かに私以外、アーノルス様の修行にはついてこれない、みたいな事を仰っていた気がするな?
「…………。アレク様……その、私はこの通り無骨者でして……」
「うん、なに?」
「男女の機微といいますか、恋愛ごとには大変に疎く……」
「うん」
「……なので、分からないのですが……」
「うん」
「アーノルス様の言う恋人とは、修行仲間の事を指すのでしょうか?」
「それは、正直僕に聞かれても……」
「そ、そうですよね……」
でも父さんも母さんも最初は敵同士だったと言うしな……?
幾度となく殺し合い、そして芽生えた認め合う心。
私にもそういう人と結婚をしろ、と言っていた。
うーん、しかし私とアーノルス様は別に敵同士でもないし……。
「オルガは恋愛に興味はあるのー?」
「い、一応年頃というやつですので、ない事もないのですが。私はそもそも初見で女に見られないので……」
「え? そうなの? どうして?」
「え? ど、どうしてって……」
私の容姿はごつい。
最近はクリス様に髪を整えられ、化粧を施され、服や装備も選んでもらっているけれど……。
少し前の自分は髪はボサボサ、化粧などしたこともなく、服や装備は防御力重視で見た目のデザインにこだわりはない。
当然装備は男女兼用のものを使い、入るなら男物も使っていた。
そんな私を誰が初見で女と見抜けるだろう。
自分の事なのだが、今思い返すとひどいな……。
「アレク様は私を女だと思いましたか?」
「うーん、というか僕とクリスはあんまり人の性別に興味がないんだよね。まぁ、クリスは見ての通りだと思うけど」
「あ、はい」
そうですね、そんな感じですね!
むしろクリス様はクリス様という新ジャンルなんですもんね!
性別以前の、別の問題なんでしょう。
はい、その辺りはなんとなくわかっております。
「それにオルガは男の声にしては高いし」
「こ、声ですか……」
声か……それは盲点だったな。
でも話していても気付かれることはあまりないぞ?
「だからどっちでもいっかなって。能力や人柄に男も女もないでしょう?」
「アレク様!」
さすが王子!
なんて懐の広い!
「それに……わあ?」
「アレク様?」
「ねえ、オルガあの鳥は何ー? 知ってる?」
「え? ああ、あれはミュオールカモメですよ。この海域にのみ生息するそうです」
「カモメ! あれがそうなんだ⁉︎ 僕、船も初めてだし海の生き物も初めてだから新鮮続きだよー」
「…………」
********
ミュオール王国。
中央大陸の西に位置する国である。
気候は西に位置する、といってもやや南国寄りなので暖かくカラッとした天気が続く温暖な地であり、名産はニガヤシ。
ニガヤシは名の通り苦いヤシの実。
苦い上クセが強く、ミュオールの料理が不味いと他国から来た者に不評なのはこれが理由と思われる。
現地の者からすると「この苦味とクセが良い」らしいのだが、私には残念ながら理解できなかった。
この国の勇者はアキレス様。
レベルが57だなんて、アレク様とクリス様に出会った頃の私のレベルではないか。
「ふう……」
「久し振りの大地、ホッといたしますわね」
「そうですね」
ミュオール王国の港町『キェミュ』。
丸一日かけてなんとか辿り着いた港で、我々は船を降りることにした。
船の運賃は高いし、その船が壊れたのでは出立がいつになるか分からない。
他の船に乗ってもいいのだろうがダンジョンの話をしてからアレク様が「それなら陸路でダンジョン潰しながら金髪勇者たちの国に行くー?」と仰ってくださったので……そうすることにした。
うーん、やはりマティアスティーンは遠いなぁ……。
橋から降りてくるエリナ姫へ手を伸ばし、不安定な足場で転ばないようにお支えする。
姫が降りたら次はカルセドニーだな。
顔面包帯でぐるぐる巻きだから足元がよく見えないだ……ろ、う……?
「ふごごごごごご!」
「カルセドニー!」
簀巻きにされて転がり落ちてきただとー⁉︎
「なにがあったカルセドニー⁉︎ 敵襲か⁉︎」
「あ、ごめん! うっかり落としちゃった!」
「リガル様⁉︎」
船から駆け下りて来られるリガル様。
なんだ、どうした、どういう事だ?
聞けば「最近カルセドニーの体重じゃ軽く感じてきたから、少し重みを増そうと思って!」と明るく仰っていたので……ん? いや、だからどういう事だ。
「カルセドニーで筋トレしていたら慣れてきちゃったんだ! だから重り付きの布団で簀巻きにして抱えながら船の上でスクワットしてみたらうっかり落としちゃって!」
「そうだったのですか……ってなにをなさっているんですか! カルセドニーは筋トレ器具ではありません!」
「え? でもエリナ姫がいいよって…」
「姫!」
「カルセドニーなど筋トレ器具になる使い道があるだけましですわ」
「エ、エリナ姫……」
ほほほ、と笑顔で言い放つ。
ちょ、ちょっと根に持ちすぎではなかろうか。
ううん、しかし……一国の姫を怪我をしたまま放置したのは、死刑になってもおかしくない重罪。
だ、だが……。
「それよりもミュオール王国に来たからには、ミュオール王にご挨拶しなければなりません。我が国の勇者が貴女になった事も、立ち寄る国々に周知させねばなりませんから」
「は、はい」
そうか、それもあった。
そうなると中級ダンジョンよりもミュオールの首都へ行くのが先、だろうか?
地図、地図………、……あった。
ええと、ここから北東の方角のようだな。
「オルガ? 地図なんて開いて何しているんだい?」
「あ、アーノルス様」
エリナ姫も地図を覗き込む。
そこへアーノルス様が……アーノルス様……。
「?」
「っ」
柔らかく微笑まれる。
お美しいお顔立ち。
なのに、この世界で最もレベルが高い剣聖。
そんなお方に……わ、私は……。
「ミュオールの首都へ行くお話をしておりましたの」
「ああ、そうか。オルガが新たなるマティアスティーンの勇者であると報告も兼ねて、中級ダンジョンに挑む件もお伺いを立てなければならないものね」
「んー? ダンジョンに挑むのに王様の許可がいるのー?」
「変なの~?」
あ、アレク様とクリス様が来てしまった。
アーノルス様にきちんとお答え出来なかった!
あああ、私のバカ~!
「他国で活動する場合は城に上がって王へ挨拶と報告をしなければならないんだよ。シン帝国は勇者に監視が付くらしいしね」
「ふーん。まあ、それはそうだよねー」
「他所の勇者に好き勝手歩き回られたくないもんね~」
「それよりお腹すかなーい?」
「すいた~! ねぇ、ご飯食べるところはどこ~?」
「えーと、私もこの街は初めて来たからな。このあたりの人に聞いてみよう」
「一緒に行くー! お腹すいたー」
「ボクも~! お腹すいた~」
あ、相変わらずマイペースな……。
まあ、でもあのお二人かなり食べるしな…船の上は決まった量しか食べさせてもらえなかったから、当たり前か。
成長期なんだものな!
「さてと、我々は宿を探しておきましょうか」
「そうですわね」
エリナ姫と気絶したカルセドニーを引きずりながら共に町の人に聞き込みし、宿を取る。
勇者御一行という事で、思いの外早く部屋を取る事が出来た。
さすがアーノルス様だな!
だが、その宿での夕食時、看板娘に奇妙な噂を聞いた。
「ダンジョンに勇者が入ったきり戻ってこない…? どこの勇者だ?」
「我が国の勇者、アキレス様です。元々少々……いや、なかなか、いや結構……かなりの、ちょっと、いえ、相当? まあ、あの、控えめに申し上げても……変わったお方ではあったのですが……」
そ、そんなに変な人だったのか?
言い方が全然優しさに包めていないぞ。
この国に以前来た時は、アキレス様は隣国ゼスルスのダンジョン攻略に協力するべく留守だったからお会いしたことはない。
リリス様とローグス様も大層嫌そうな表情で顔を見合わせておられる。
しかし、普通に考えてダンジョンに行って帰ってこないというのは……。
「ついにくたばったのかしら? でも、そんな感じには見えないというか……」
「うむ、そんなタマではないのだよ」
ど、どんな人なんだ、本当に……。
「あ、あの、勇者のお話ですよね?」
「ええ、一応ね」
「勇者の資質があれば性格はそこまで真面目じゃなくても問題ないもんね~」
「そ、そうなのですか?」
「そこに前例がいるじゃな~い」
「ふ、ふご」
クリス様に指差されるカルセドニー。
う……うーーん……。
「だがダンジョンから戻らないのは心配だな…。ミュオール王に報告してから我々もそのダンジョンに向かおう」
「億劫ね~」
「なのだよ」
「ミュオールの王都かぁ~。俺もあそこ嫌いだな~」
「…………?」
リリス様たちの億劫さ全開の表情。
アーノルス様も表情が固いように見える。
しかし、この国の国王陛下はお優しい方だったように思うのだが?
私が不思議そうにしていたのでアレク様が「なんかヤバイの?」と言いながら焼いた魚をニガヤシソースをたっぷり付けて口に放り込んだ。
う、うわぁ……⁉︎ アレク様勇者!
「…………」
ギュッ、と眉が寄るアレク様。
だ、だから言ったのに……に、苦かったんですね……。
「うっ!」
……クリス様もか。
も、もう少ししっかりと説明しておけばよかったなぁ。
「どうだい? 勇者のお仲間さん! うちの国の名産品ニガヤシの特製ソースだよ!」
「……フ、フレディ兄様が好きそうな味……」
「た……たしかに~…」
「だ、大丈夫ですか?」
「ジュース飲むかい?」
「ジュース?」
「ニガヤシの味を消す爽やかなトロピカルジュースだよ! 初心者さんは一緒に注文することが多いんだ。どうする?」
「そうなのか? では娘さん、すまないがトロピカルジュースをおかわりで……」
「はいよ! 毎度!」
両手で口を抑えるお二人。
我々は一度この味を味わっているのでソースは付けずに食べていた。
リリス様が「初心者にはきついわよねー」と苦笑いしながら水を差し出す。
間もなく、看板娘がトロピカルジュースを二つ持ってきてくれる。
ニガヤシよりトロピカルジュースの方が絶対名産品に相応しいと思うのだが、何故頑なにニガヤシを推すのだこの国は…。
「ねえオルガ、お金足りるの?」
「はい?」
もぐもぐと豪快に魚の頭をかじるリガル様。
お金足りるの?
ローグス様が眉を寄せ、メニュー表を手渡してくると……は、はあ⁉︎
「た、高い⁉︎ な、なんですかこの法外な値段は⁉︎」
「オルガ、この国初めてじゃないんじゃないの? ニガヤシソースで苦しむ客に、トロピカルジュースを売りつけるのはこの国の常套手段よ?」
「え⁉︎」
「わたくしたちはトロピカルジュースは頼んだことがありませんわ! こ、こんなに高いのですか⁉︎」
「そうなのかい? ああ、でも海沿い以外だとスイーツの場合もあるよね」
「⁉︎」
「!」
「そっちは覚えがあるみたいね?」
顔を見合わせる私とエリナ姫。
そ、そうだ、初めてこの国に来た時、ニガヤシソースで苦しんだ我々は、その店のオススメのケーキを頼んだ。
材料費が高いから、スイーツは高額だけど…と店員が親切に教えてくれたが耐えられない苦味だった。
舌が痺れるような苦味に、ケーキの甘さが広がるとそれはもう癒されたのを覚えて、いるが……ま、まさか……。
「しかし、港町(ここ)は容赦がないのだよ。あのソースの恐怖を知っている身としては二人がトロピカルジュースを飲むのを止めることは出来んがね」
「うっ……」
た、確かに……。
水ではとてもどうにか出来るものではないですものね!
「そもそもニガヤシってホントはニガヤシ酒っていうお酒の原材料なのよね。ニガヤシソースの方がインパクト強いけど、地元民はお酒にして料理や医療なんかに使うんですって。普通に飲んでもそこそこ美味しいのよ」
「うむ、ニガヤシ酒は消毒液や毒消しの原材料の一つなのだよ。消毒能力の高い酒だ。医療分野では注目度が高い酒なのだよ」
「あ、あれお酒になるんですか?」
「結構美味しいんだよ! オルガはお酒まだ飲んだ事ないの?」
「は、はい」
そ、そうか、少し子供っぽ感じはあるけどリガル様も成人されているのか。
そうだよな、アーノルス様の学友という話だったし……。
リリス様も年齢不詳だが、成人はなさっているよな。
「あら、じゃあ飲んでみたら?」
「この国は十五歳で酒が解禁されるらしからな。良い経験になるかもしれんのだよ」
「え? そうなの? じゃあ僕らも飲めるのー?」
「ほんと⁉︎ 飲みたい飲みた~い!」
「勇者ね、あんたたち。今し方ニガヤシソースの洗礼を受けたばっかりなのに……」
「え、苦いの~⁉︎」
「普通の酒よりはいくらかね」
「…………」
「…………」
やや困り笑顔のアーノルス様の答えに、顔を見合わせるアレク様とクリス様。
トロピカルジュースは効果抜群だったようだが、立て続けによくニガヤシの酒を飲みたいなんて。
け、見聞を広める……?
い、いやぁ、それはまだ知らなくてもいいような……?
「やめとくー」
「やめとく~」
「無難ね。オルガとエリナ姫はどうする? あとカルセドニー」
「ふご! ふごごごふごふごふご!」
「なんて?」
「飲む。ここで逃げたら男じゃない、と」
「もうオルガのカルセドニーの解読能力は一種の魔法か何かのように感じるのだよ……」
「じゃあ頼もうか」
「わ、わたくしは遠慮致しますわ」
「オルガはどうするの? ワタシと乾杯しちゃう?」
「い、いえ、私もまだお酒は……」
あと、初めて飲む酒がニガヤシ酒なのは遠慮したい。
付け加えるとアーノルス様が優しく微笑まれる。
「そうだな、せっかくだし……オルガの初酒は我が国の地酒はどうだろう? フォン酒という果汁酒だよ」
「果汁酒ですか、美味しそうです」
「ええ、それならわたくしも飲めそうですわ」
「あら? お姫様は確か十六歳じゃなかった? マスキレアもお酒は十八歳からよ?」
「わたくしはあと二年ですのね」
「まあまあ落ち込まないで! 二年なんてあっという間よ~。お姫様の誕生日には盛大に飲み明かしましょ!」
「明かす必要はないけど、誕生日にパーティーをするのは楽しそうだね」
「はい!」
エリナ姫様は本来、マティアスティーンの王女として盛大に城でパーティーを開いて祝われるべきだ。
魔王討伐のためとはいえ、姫様が大切な青春時代をこのように過ごされるのは心が痛む。
せめて成人なさる時は私も出来る限りの事をしてお祝いして差し上げたい!
「まあ皆さま……うふふ、楽しみにしておりますわ」
「ふ、ふごふご……」
「お黙り」
「…………ひ、姫様……」
恐らくカルセドニーも「姫様……」とお声がけしたのだろう。
カルセドニーの方を見る事も、笑顔を崩すこともなくエリナ姫はカルセドニーを黙らせる。
む、無理ないこととはいえ……あわわわわ……。
「…………」
「? どうしたのアレク~?」
「いや……なんか、ほら……あれ」
「……?」
「お二人ともどうかされましたか?」
アレク様が店の外を指差す。
数人のボロ布を纏った年端もいかぬ少女たちを連れた二人組の男。
少女たちはまだ十代前半……かなり幼い。
靴も履いていないし、無表情で俯いて男たちについて行く。
「……アバロンで見たことある光景だねー」
「あ~……」
「クリスちゃん、アバロンって?」
「うちのお隣の大陸の国だよ~。気高き白き竜への祈りと感謝を忘れて大地が半分になった国々~」
「だ、大地が半分? それに、竜、ですか?」
それって魔物?
しかし、気高い魔物?
魔物への祈りや感謝って一体……。
「女の子がああいう顔をしていると、気分が悪いねー……」
「アレク様?」
「殺さないようにしなよ~? アレクは手加減上手いから大丈夫だと思うけど~」
「勿論。簡単に殺しちゃったらつまんないでしょー」
「へ?」
物騒な⁉︎
にこやかに立ち上がり、店の外へと歩いて行くアレク様。
あんな物騒な発言の後では追いかけないわけにいかない。
クリス様とローグス様とエリナ姫を残して、私たちもアレク様を追う。
「アレク様、お待ちください」
「あれ、みんな来たの?」
「何を見付けたんだい?」
「あれ」
アーノルス様とリガル様がアレク様の指差す方を見る。
ニヤついた男二人に挟まれるように歩く三人の少女。
それで察したらしいアーノルス様たちが表情を歪める。
「奴隷商人だわ」
「やはりそうなのですか」
「ふご……!」
噂には聞いたことがある。
姫やナナリーは可愛いから奴隷商人に気を付けろって……ミュオールに初めて来た時に、国の役人に忠告された。
シン帝国にすら奴隷はいないというのに、なんておぞましい。
け、けれど確か奴隷制度はミュオールでも廃止されていたような…。
「やはりって事は……」
「ミュオール王国とゼスルス王国の一部には奴隷制度があったんだ。我が国と国交を行う間にゼスルスは奴隷制度を廃止したのだが……」
「ミュオールが奴隷制度を廃止したのはつい最近なんだよ。ほんの二年くらい前!」
「二年前? あー……それでまだああいう奴らがうろついてるんだねー」
「そうね。仕方ないわ、見付けちゃったからには放って置けない。役人を呼んできましょう。オルガたちはあいつらが逃げないように見張っていてくれる?」
「分かりました」
「え、殺しちゃおーよ」
「すごくダメなやつです」
「……ぶぅー」
物騒ですアレク様。
一体どうなされたのだろう?
いつものアレク様ではないような……。
「ふごふごふごふごふごごふごふごふごごご」
「なんて?」
「それに奴らをやっつけても女の子たちをどうするつもりだ、と」
「あー、確かにねー。そこまで考えてなかった」
「あら、アレクちゃんにしては冷静さを欠いてるわね?」
「ああいう人種を見ると殺したくなるのー」
「……オルガ、アレク君を頼むよ」
「はい!」
アーノルス様とリガル様とリリス様が手分けして役人を探しに行ってくれる。
我々は男たちと少女たちの行方をこっそり追跡した。
木製の家が多いこの町は、あまり広くはない。
しかし家々は密集していて、その隙間を縫うように男たちは少女らを連れて進む。
そうして辿り着いたのは船着場だ。
ま、まずい……まさかあいつらあの少女たちを船で運ぶつもりでは……!
「ねー……」
「ダメです。殺してしまっては」
「なんでー」
「ふごふごふご」
「なんてー?」
「えーと、他にもいるかもしれないと。つまり、奴らの仲間や、他にも捕まっている子供がいるかもしれません」
「そっかー……」
ざ、残念そう……。
「というか、アレク様はなんでそんなに奴隷商人が嫌いなのですか?」
「え、奴隷商人好きな奴とかいないでしょ」
「それはそうですがアレク様は嫌いすぎでは……」
「……僕らの国の民にも手を出すんだもの。嫌い」
「…………」
ものすごく王子らしい理由だった。
「船沈めちゃおうよ」
「ふご」
「……アレク様、とりあえずアーノルス様たちを待ちましょう? ね?」
「チッ。分かったよー。……クリスが居れば下半身石化の呪いでも掛けて下から少しずつ砕いてやったのに」
「…………」
クリス様ってそんな怖いことも出来るんだっ。
絶対に怒らせないようにしなければ……アレク様も考える事が怖い!
「オルガたち今「なにその考え怖」とか思ったでしょー」
「普通に怖いですよ。思うに決まっているではありませんか」
「言っておくけど一番上の兄様はもっと怖いからねー。首から下を凍らせて、痛覚を麻痺させてから四肢の先端を割り砕き、凍ったところを溶かす……するとどうでしょう……痛覚がゆっくり戻ってきて…じわじわと…」
「ひいいいぃ!」
「ふごおおおおぉっ」
「お待たせ。……なに? こんな状況で怪談話でもしてたの?」
「リリス様~!」
「ふごおおおぉっ」
アレク様のお兄様怖い!
と、私とカルセドニーが縮み上がっていたところに役人を連れたリリス様とアーノルス様、リガル様が到着した。
船の方を見ると、男たちが少女たちを船へ乗せようとしている。
まずい! 早く助け……。
「…………」
「…………。どうしたんだい、オルガ?」
「…………。……腰が抜けました」
「ふご……」
「え? そ、そんなに怖い話ししてたのかい? 大丈夫かい、オルガ。君が腰を抜かすなんて……」
「なんでこのタイミングでそんな怪談話してるのよ~」
「ごめん。すごいごめん」
私とカルセドニーは腰が抜けて立てなくなっていた。
アレク様のお兄様すごく怖い。
いや、実話ではないのかもしれないけれど、一国の王子の拷問と考えるとありそうだし……。
アーノルス様が腰に手を添えて撫でてくれるが、それでなんとかなる腰ではない。
「まあいいや。もう殺してもいいよね?」
「生け捕りよ」
「他にも捕まっている女の子がいるかもしれないよ! アレクくん!」
「そうか。じゃあ……『永遠追雷縛(エタームス・ジ・ゲツルド)』!」
アレク様のお国の言葉?
この世界の言葉とも、これまで聞いた強化魔法の術名とも些か違う響の魔法を唱えるアレク様。
両手を掲げ、術名を叫びその両手を大地に叩きつけるようにすると、手のひらが光る。
その手のひらの側から出てきた無数の光が、暗い闇夜を照らしながら男たちの元へと向かっていく。
ひい、という男の声。
逃げ出した二人の男を、瞬く間に捉えて拘束する光の帯。
更に、その帯には追加効果があったようで……。
「ぎゃああああああ!」
え……。
ひ、悲鳴? な、なぜ?
転がった男たちが突然叫ぶ。
その、苦悶の表情たるや……な、なんだ⁉︎
「はーい、動くと電気が流れまーす。逃げようとすると痛い事になるよー。自殺防止効の電撃心臓マッサージ機能付きだから諦めて洗いざらい吐いちゃった方が幸せだねー。……そのあとゆっくり手足を痺れさせて両目を潰してあげるよー。うちの国で、奴隷商人は目を潰すのが法律で決まってるんだー」
「アレク君、アレク君、ここはミュオールだから! ミュオールの役人に任せてくれないか⁉︎」
「じゃあ片目で許してあげるよー。僕、奴隷商人だーぁいっ嫌いー。命を取らないだけマシだと思えー」
「アレク君!」
アーノルス様がなんとか引き止めて、アレク様が肩を竦める。
その間に役人が五人ほど駆け寄って、男二人を縄で拘束し、少女たちを保護した。
普通ならここで一件落着……なんだが……。
「アレク君、もう魔法を解いても大丈夫だよ」
「というか、そんな魔法で拘束してたら役人の人たちがきちんと縛れないわよ、アレクちゃん」
「他にも捕まった子がいるかどうか調べるんでしょう? この魔法は術者の任意で電撃を味あわせる事が出来るから、素直に答えてもらおうよ」
「鬼なの? 奴隷商人になにか恨みでもあるの? さっきから奴隷商人にあたりきつすぎない? アレクちゃん⁉︎」
「うちの国でも奴隷商人が幅を利かせててねー……見つけ次第両目を爆破するのー」
「素直に吐いた方が身のための様だぞ、君たち」
「話します話しますお話しさせてください!」
アーノルス様が見下ろしながら奴隷商人の男二人に告げる。
う、うん、あれは喋りたくなるな。
アレク様、始終笑顔で怖すぎる。
涙ながらに男たちは洗いざらい、役人やアーノルス様が聞いた事に答えていく。
アジトの場所、仲間の人数や特徴、奴隷の売買ルート、価格や取引相手に至るまで……なんか段々可哀想になってきた……。
「……なかなかの規模の様だな。まだ奴隷制度が廃止されて二年、この国では奴隷が根強いというわけか」
「ミュオールの王様に会う時、苦言という形で釘を刺しておいた方がいいわね。今出た名前って確か……」
「ああ……」
「どうしたんですか?」
「オルガ! 腰はもう大丈夫なの⁉︎」
「は、はい、リガル様……もう大丈夫ですよ」
なんだろう、最近リガル様の背中に尻尾が見える。
幻覚なのは分かっているんだが、なんでかな?
あ、いや、それよりもリリス様とアーノルス様の深刻な表情が気になる。
奴隷を買い付けている取引相手の名前……ええと確か……。
「その、ゲテムという名前がどうかしたのですか?」
聞くとアーノルス様たちよりもミュオールの役人たちが分かりやすく目を逸らす。
これは、なかなかの大物……なのか?
役人たちがこの反応って、まさか……。
「ゲテム……ゲテム・ルッスドーリスというこの国の大臣の息子だ」
「! 大臣の……」
それは役人たちも目を逸らすわけだ。
……。……いや、ではなく……。
「大臣の息子が奴隷の売買に関わっているのですか⁉︎」
「さらりとヤバいこと知っちゃったわね~。……まさかアキレスはこの事を知ってダンジョンから帰ってこないのかしら?」
「ありえるな…」
「ん? この国の勇者がなんでそこに関係してるのー?」
アレク様が首を傾げる。
……私はこの国の勇者と面識はないし、ほとんど存じ上げない。
ただ、この国の勇者が選定された事でこの国から奴隷制度がなくなったと聞いた。
勇者となったアキレス様がそれを王に望んだのだそうだ。
それを聞いた時はなんて素晴らしい方なのだろうと思ったけれど……。
「この国の勇者、アキレスはゲテム・ルッスドーリスの奴隷だったんだよ。本当にたまたま、偶然聖剣に“触れ”、名もなき奴隷の青年が聖剣を“倒して”しまった。……そう言われている」
「…………。なるほど。でも、地面に突き刺さっていた聖剣は触れた程度では倒れないよ」
「ああ、抜いた私もそう思うよ。ただ、一部の者たちはまだ彼のこたを勇者と認めていないのさ。愚かな事だがね」
「……そっか、それで彼はダンジョンに行って帰ってこないのか……なるほどねー」
アレク様が先程とは違う意味で微笑む。
なるほど、つまりアキレス様はダンジョンの中でやられてしまったか……あるいは……。
「こ、抗議の意味も込めて、まさか、聖剣をダンジョンの中に……?」
「可能性はある。彼はそういう事を“やりそう”な人間だからね」
「やりそうっていうか、やるわよ。あいつなら」
「あはははは! 僕、そういうの好きー」
「アレク様、笑い事ではありません」
これは、とんでもない事になっている予感しかしない。
勇者アキレス様……ご無事なら良いのだが……。
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