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衝撃の新事実
しおりを挟む「優秀だな。その話が本当だとしたら……」
「ええ。本当に賢いのね、あなた。私、そこまで考えたことないわ」
「い、いやぁ……」
粦、そろそろ黙ってほしい。
そろそろ中身が小学校一年生女児ではないとバレてしまいそう!
あとシンプルに褒められるの恥ずかしい!
「あのクソババアにこの優秀さがバレたら……どんな扱いを受けるかわかったものではないわね。今は別邸に住んでいると言っていたけれど、なにか言ってきたりしないの?」
「今は――私の母のあとに嫁いできた方が男の子を妊娠中だそうなので、興味が完全にそちらに移っているそうです」
「ああ、あの色狂いババアは年齢関係なく男ならなんでもいいものね」
「も、もう、春月……子どもの前でなんてことを言うんだい」
「あ、そうだった。ごめんね、気にしないで」
「い、いえ……」
結構ズバズバ言うタイプの人だなぁ!
旦那さんに止められてからやっとハッとして、笑ってごまかしたがもう遅い。
いや、まったくもって同意なんだけれども。
「でもそういうことなら血の繋がりのある私が自立のお手伝いをするわ。できることがあればなんでも頼ってちょうだい?」
「え、え、え?」
「仕事の申請? とか、必要な手続きとか手伝うわよ! 親戚なんだから大丈夫でしょう! いいわよね、理人さん」
「もちろん。支援するのは構わないよ。君の事業も最近軌道に乗ってきているし、足りなければ僕も出すし」
「姪のためのお金は私が出すの!」
「かわいい……」
「も、もう、なにを言っているの」
急にいちゃいちゃ始まった。
でも、安部家の当主様が惚れて千頭山家から掻っ攫ったという話、この様子を見ると本当なんだなぁ。
「そうだ。携帯電話持っている? 連絡先を交換しましょう」
「も、持っています。あのー……善岩寺家の奥様に契約していただいて……」
「え?」
目を泳がせながら白状すると、非常に怪訝そうな顔をされる。
これは話が長くなるぞ、と思ったので「後日ゆっくりお話しでもいいでしょうか? ご子息も退屈そうになさっていますし」と言うと夫妻はハッとした表情。
「うー」
「ああ、瑛人のおむつを替えてくるよ。確かに今日じゃなくてもいいかもね。もしなにかあれば安部の家も動くといえば菊子さんも無茶しないだろう」
「あ、お願い。まあ、すぐ終わる話ではないものね。連絡先の交換だけして、後日お茶会にご招待するわ。今夏休み中よね? なにか予定はあるかしら?」
「あ、えっと……明後日から宇治家のお家の方と大栄町の方に旅行に行きます。そちらでたくさんパワースポットに行こうという話をしています」
「大栄町? ああ、あそこはいい町よね。パワースポットも多いのだけれど、魚が美味しいの! 結界の中でも海に面している数少ない町なのよ。お刺身や海鮮丼が特におすすめ!」
「へー」
海側の町なんだ。
お魚……たまに粦が買ってきて料理してくれるけれど、やはり結界の中の海に面しているところは少ないのか。
お魚も貴重ってことだよね?
高かったんだろうな。
「ぜひ食べてみたいと思います。ありがとうございます!」
「こちらこそ。話せてよかったわ。粦もすごく綺麗になって、異母姉として嬉しい限りよ。じゃあね」
「は、はい……」
「…………。ん?」
今なんか……。
粦が、春月さんの――ん? え?
「いま……」
恐る恐る見上げると、非常に居心地悪そうな粦の表情。
今、今……じゃあ、今の……き、聞き間違いではない、の?
「り、粦……春月さんと、異母、姉妹……なの?」
「は……はい」
えっと。
えっと……。
ちょ、ちょっと家系図を整理しよう。
「わたしは――家から出て他の女性のところに行っている旦那様――道様の娘なんです。えっと、つまり、真宵お嬢様の……叔母、ということになるんでしょう」
「え……えええ……!?」
粦が私の……叔母ぁ!?
どういうこと?
春月さんが伯母。
確か、マザコンクソ親父の姉。
マザコンクソ親父の上にもう一人お兄さんがおり、祖父は家を出て他の女性と別の家庭を築いて穏やかに生活している。
確か、祖父には内縁の妻との間に子どもも孫もいたはず。
えっと、つまり――。
「く、クソ親父の、腹違いの妹……?」
「そうです」
えええええええ!?
「それがどうして本家にいたの!? 一緒に過ごしていないの!?」
「実はわたしが生まれてすぐの頃、父の体調が悪くなり母がつきっきりになってしまったんです。当時の兄……真宵お嬢様のお父様の異父弟はすでに成人済みで家を出て結婚したばかり。赤ん坊のわたしを育てることは難しかったんです。母も、産後の肥立ちが悪くて父で手一杯。どこで知ったのか、菊子奥様がわたしを預かると申し出てくださり……そのまま本家に預けられたと聞いています」
「なんで!? そんなことしたら粦がどうなるかなんて、粦のお父さんはわかっていたはずでしょう!?」
「母方の実家は一般家庭だったんです。わたしの霊力が高いのは、生まれてすぐにわかっていたことだったので……」
「っ……」
一般家庭で霊力の高い子を育てるのは色々と危ない。
でも、だからって――……。
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