デッドエンド済み負け犬令嬢、隣国で冒険者にジョブチェンジします

古森真朝

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第二章:

I Will Rock You!⑤

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 確かにウロコがある、って見た目だけなら似てるけど、熱砂蛇はあまり長生きなわけでもないし、人間を始めとした他の種族の言葉を理解したり、自分で話すことは出来ないみたいだった。
 一方のドラゴンや海蛇――名前の通り、海に棲んでいるでっかい蛇なわけだけど、こちらは大変知能が高くて長生きなのが特徴だ。個体によりけりだが、他種族の文化に興味を持って言葉を覚えていたり、何ならそれぞれを両親に持った種族上のハーフ、なんていうのも登場していた。それだけ生態に差異がある者同士なのに、どんなきっかけで知り合ってつがいになったんだろう……
 いや、それは今いいんだ、うん。問題なのは魔法キャンセルの方なんだって。
 「ショウさん、この子相手の魔法をキャンセル出来るみたいです!! えーっと、多分だけどドラゴンとか、その辺の種族の血が混ざってるのかも!!」
 「竜種との混血ですと? 成程、それであのような……」
 「ふむ、高等な魔法生物であれば、相手の得意とする魔法を察知するのは難しくない。術者の周辺を包む魔力に現れるものだからな。
 ただ、相手の手札に関わらず強制的に封じられるのであれば、これはなかなかに厄介だぞ」
 横から言い添えたマックスさんのアドバイスも納得だ。魔法キャンセルは『エトクロ』本編に登場する敵さん側のワザだけど、使ってくるのは中ボス級以上に限られていた。前者だったらまだ良いが、もしも後者だった場合、こっちは何の備えもなしにハイレベルな相手と戦うハメになるんだから。
 出来ればボス戦の時みたいに、大人数で囲い込んで一気に片を付けたい。だけど他のメンバーと霊獣さんたちは、舞踏会のお客さんたちを誘導するためにホールから出たばかりだ。もしかしなくてもすごく賢いらしき蛇さんが、呼び戻しにいくための時間とスキを与えてくれるだろうか……
 「――じゃあ、ちょっと試してみるかい? 上手くいけば化けの皮を剥がせるかもしれないし」
 「え、りっくん作戦あるの?」
 「勿論。その代わり、ちょっとだけ君に手伝ってほしいんだけど。……ちょっと失礼」
 エルお父さんの側についてくれていたりっくんが、気が付けば護衛対象共々駆けつけてくれていた。思いがけない提案に目をぱちぱちさせていると、ちょっと笑った騎士さんが耳元でひそひそ教えてくれる。……うん、地味にくすぐったい。
 でも話は分かった。いま出来る範囲では、多分これが一番リスクが低くて安全だ。さっと思いついちゃう辺り、さすが名実ともにエリートさんである。
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