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本編 (紘目線)
面白くない
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初めの印象は、面白くない奴だった。
クラスで一番モテるのは俺なはずなのに、クラスに何故か三倉莉緒派がちらほらいることを知った。
クールで大人とか女子と積極的に話さないのがいいとかなんとか。
俺が努力してモテようとしてるっていうのに、あいつは座っているだけで好感度が上がっていく。
面白くない。
実に面白くない。
なんで重い荷物をもってやったり黒板代わりに消したりクラス委員長に立候補したりしたと思ってるんだ。
親切心?否!全てモテのためだ!
なのにあいつときたら頬杖をついて髪が靡くだけできゃーきゃー言われやがって!
腹が立つ!
あの透かした野郎の弱味、弱点ないしは不名誉を露にしないと気が済まない!絶対に負かしてみせる!
三倉が放課後に1人で教室に滞在するのは知っていた。情報収集するにはもってこいだ。
「三倉?この教室テニス部が使うらしいから残るなら隣の教室いった方がいいぞ。」
声をかけると三倉は無表情で俺を見ていた。
「ありがとう。」
三倉はゆったり荷物を鞄にしまう。
この落ち着きようがクールと言われる所以か。
「三倉って部活とか決めた?」
「いや、まだだけど。」
「そっかー。運動部?」
「厳しそうなのはちょっと。」
「ふーん。俺はテニスかサッカー。やっぱり王道なのはここだよな。」
絶対に運動神経では負けないからな。
そう決意を燃やし三倉についていく。
こいつ、立つまで分からなかったけど俺よりも身長が高いだと!?
「へー。三倉、少し俺より身長大きいのな。」
三倉の頭を押して縮めと呪いをかける。
帰り道も話し続けたけど、三倉は口数が少ないから弱味なんて吐いてくれなかったし身長も俺より高いままだった。
口数が少ないクールキャラなんて滅びればいいのに。
三倉はグループに属さず1人でいることが多い。一匹狼キャラか?一丁前にキャラ付けしやがって。
そんな三倉のモテ度を下げるため、俺は三倉に話しかけに行く。最近は俺に懐いたようで、少し口数が増えた。別に、それが嬉しいからって話しているわけではない。俺が一番にモテるために話しかけているんだ。
「三倉ってさ、彼女とかいねーの?」
「いない。」
即答された。いたら人気半減したのに。作戦一は失敗だ。だがここで終わる俺ではない。
「欲しいとかないわけ?」
「欲しくはある。」
「へー。タイプは?」
「…タイプ?」
「あるだろ?綺麗とか可愛いとかさ。」
特定のタイプをあぶり出すことで聞いてる人に具体的な人物像を想像させ「そういう子が好きなんだ。」と三倉への恋を諦めさせる!
「笑顔が可愛いとか、ロングとかボブとか。身長とか!」
女子は髪型とか煩いからな。具体的な例を挙げれば挙げるほど「そんなこと言える外見してるの?」とか「お前のために髪型決めてねえよ。」という具合に非モテポイントが加算されていくんだ。さあ三倉、俺の作為に嵌まれ!
「身長は僕より低い方が可愛いと思う。でもあんまり容姿では選ばないかな。」
「お、俺だって別に顔で選んでるわけじゃね~よ。」
今でこんな解答をした高校生がいただろうか。そもそも三倉より背の大きな女子見たことない。それにこれじゃあ具体例を出した俺の方が容姿に拘ってるみたいじゃないか。
「でも笑顔が可愛いこは素敵だと思うよ。僕の隣にいて笑っていてくれるって大切なことだと思う。」
嘘だろ!?お前は本当に高校生なのか?
完璧な解答を前に俺は頷くしかなかった。
「そ、そうだよな!うんうん。それと?」
「…道徳心があるこ?」
無いって言う奴の方が少ないだろ!さては三倉、お前もモテようとしてるんだな?そうじゃなきゃこんな完璧な解答を用意してないはず。まさか俺が嵌められたのか?完全に三倉のペースだし、三倉への好感度はうなぎ登りじゃないか!
「皆が困ってるとき、率先しているところは特にカッコいいと…」
いきなり具体的になった三倉。くっ。これ以上どんな正解を導きだすんだ!
「ど、どうした三倉。」
「僕」
何故かそこで言葉を区切り俺を見つめる三倉。初めて見る無表情以外の顔に目が離せなくて、次に三倉から発せられた言葉の理解に苦しんだ。
「君のことが好きかも。」
…いったいそれは、どういうモテテクなんだ?
クラスで一番モテるのは俺なはずなのに、クラスに何故か三倉莉緒派がちらほらいることを知った。
クールで大人とか女子と積極的に話さないのがいいとかなんとか。
俺が努力してモテようとしてるっていうのに、あいつは座っているだけで好感度が上がっていく。
面白くない。
実に面白くない。
なんで重い荷物をもってやったり黒板代わりに消したりクラス委員長に立候補したりしたと思ってるんだ。
親切心?否!全てモテのためだ!
なのにあいつときたら頬杖をついて髪が靡くだけできゃーきゃー言われやがって!
腹が立つ!
あの透かした野郎の弱味、弱点ないしは不名誉を露にしないと気が済まない!絶対に負かしてみせる!
三倉が放課後に1人で教室に滞在するのは知っていた。情報収集するにはもってこいだ。
「三倉?この教室テニス部が使うらしいから残るなら隣の教室いった方がいいぞ。」
声をかけると三倉は無表情で俺を見ていた。
「ありがとう。」
三倉はゆったり荷物を鞄にしまう。
この落ち着きようがクールと言われる所以か。
「三倉って部活とか決めた?」
「いや、まだだけど。」
「そっかー。運動部?」
「厳しそうなのはちょっと。」
「ふーん。俺はテニスかサッカー。やっぱり王道なのはここだよな。」
絶対に運動神経では負けないからな。
そう決意を燃やし三倉についていく。
こいつ、立つまで分からなかったけど俺よりも身長が高いだと!?
「へー。三倉、少し俺より身長大きいのな。」
三倉の頭を押して縮めと呪いをかける。
帰り道も話し続けたけど、三倉は口数が少ないから弱味なんて吐いてくれなかったし身長も俺より高いままだった。
口数が少ないクールキャラなんて滅びればいいのに。
三倉はグループに属さず1人でいることが多い。一匹狼キャラか?一丁前にキャラ付けしやがって。
そんな三倉のモテ度を下げるため、俺は三倉に話しかけに行く。最近は俺に懐いたようで、少し口数が増えた。別に、それが嬉しいからって話しているわけではない。俺が一番にモテるために話しかけているんだ。
「三倉ってさ、彼女とかいねーの?」
「いない。」
即答された。いたら人気半減したのに。作戦一は失敗だ。だがここで終わる俺ではない。
「欲しいとかないわけ?」
「欲しくはある。」
「へー。タイプは?」
「…タイプ?」
「あるだろ?綺麗とか可愛いとかさ。」
特定のタイプをあぶり出すことで聞いてる人に具体的な人物像を想像させ「そういう子が好きなんだ。」と三倉への恋を諦めさせる!
「笑顔が可愛いとか、ロングとかボブとか。身長とか!」
女子は髪型とか煩いからな。具体的な例を挙げれば挙げるほど「そんなこと言える外見してるの?」とか「お前のために髪型決めてねえよ。」という具合に非モテポイントが加算されていくんだ。さあ三倉、俺の作為に嵌まれ!
「身長は僕より低い方が可愛いと思う。でもあんまり容姿では選ばないかな。」
「お、俺だって別に顔で選んでるわけじゃね~よ。」
今でこんな解答をした高校生がいただろうか。そもそも三倉より背の大きな女子見たことない。それにこれじゃあ具体例を出した俺の方が容姿に拘ってるみたいじゃないか。
「でも笑顔が可愛いこは素敵だと思うよ。僕の隣にいて笑っていてくれるって大切なことだと思う。」
嘘だろ!?お前は本当に高校生なのか?
完璧な解答を前に俺は頷くしかなかった。
「そ、そうだよな!うんうん。それと?」
「…道徳心があるこ?」
無いって言う奴の方が少ないだろ!さては三倉、お前もモテようとしてるんだな?そうじゃなきゃこんな完璧な解答を用意してないはず。まさか俺が嵌められたのか?完全に三倉のペースだし、三倉への好感度はうなぎ登りじゃないか!
「皆が困ってるとき、率先しているところは特にカッコいいと…」
いきなり具体的になった三倉。くっ。これ以上どんな正解を導きだすんだ!
「ど、どうした三倉。」
「僕」
何故かそこで言葉を区切り俺を見つめる三倉。初めて見る無表情以外の顔に目が離せなくて、次に三倉から発せられた言葉の理解に苦しんだ。
「君のことが好きかも。」
…いったいそれは、どういうモテテクなんだ?
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