僕の私の夢は超イージーモード。だった・・・

ma-no

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一章 夢の中での出会い

06 堀口純菜3

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 メルヘンチックなお城にリーゼント頭のヤンキーが乱入するまさかの展開で、夢はフリーズ。もう一人の王子も動かす事も出来ずに、ヤンキーのハイキックを受けてフリーズしたままの体勢で倒れる事に。

「え? どういうこと?」

 ここは純菜の明晰夢。純菜の考えたシチュエーションしか行われ無い場所。それなのに考えた覚えの無いヤンキーが登場したのだから純菜も驚きを隠せ無い。

「あ、そういえば、スマホでヤンキー物の漫画を読んだわね。たまにはそういう話もいいかと寝る前に考えていたかも……」

 有り得無い状況でも、夢の中なら有り得ること。純菜はブツブツとシナリオを修正したら、もう目の前にヤンキーが立っていたので台詞を喋る。

「あなたが本当の王子様……助けてくれて有り難う御座います」
「は??」

 すると、何故かヤンキーは首を傾げたので、純菜には意味が分から無いから質問してしまう。

「え? 助けたんだから、ここはキスで大団円でしょ??」
「あぁ~……そういう感じか」

 その質問にヤンキーは納得したような顔をしたから益々不思議に思う純菜。

「では、姫……愛してます」
「は、はい……」

 自分ならもっと気の利いた台詞を言うのにと純菜が首を傾げると、ヤンキーに抱き締められた。その角度がキスをするには丁度いい角度だった為、二人は間を置かずに唇を重ねる。

「「ん……ん? んん~~~!!」」

 約二秒後、純菜とヤンキーは同時に相手を突き飛ばしたのであった……


「は? え? ……なになになに!?」

 夢の中でヤンキーを突き飛ばした瞬間に、現実に戻って跳び起きた純菜。真っ暗な中、唇を擦っている。

「何あの感触……」

 明晰夢とは、自分が経験した事しか五感を再現出来無い物。イジメられていた純菜には、キスなんてする相手なんか居ないので知る訳が無い。

「舌……舌が入って来たわよね……私も入れた事あるけど、あんな感触は初めて……」

 せいぜい二本の指か、曲げた肘の内側としかキスをした事が無いので、それ以外の生々しい感触に驚いてヤンキーを突き飛ばしたのだ。

「夢よね? アレは夢。ファーストキスじゃない。今までより想像力が豊かになっただけ。そうそう。いい事じゃない!」

 自分がレベルアップしたと無理矢理喜んだ純菜は布団を被って眠りに就こうとする。

「あぁ~……せめて王子様だったら……なんでヤンキーだったのよ~~~」

 だが、ディープキスの感触とヤンキーの顔が頭の中にこびり付いているので、中々寝付けない純菜であった。


 翌日……

 純菜はスマホのアラームを止めて部屋を出ると、仕事から帰って来て料理をしていた母親の晴美が驚いた。

「わっ! 居たの!?」

 純菜が音も無く近付いたからだ。

「そんなに驚かなくてもいいのに……」
「だって~。凄く顔色悪いんだもん。大丈夫? 風邪引いたんじゃない??」

 いや、あの後純菜は一睡も出来無かったから、寝不足で顔はゲッソリしていたので晴美にはゾンビのように見えたから驚いたのだ。

「たぶん大丈夫……」
「無理しなくていいのよ? 体調悪いなら学校に連絡するから」
「じゃあ……しんどいから休む」

 心配掛けたく無いから無理してでも行くべきだと純菜は考えたが、晴美から勧められたのだからここはお言葉に甘える。事実、純菜は眠くて立っているのもやっとだから、学校に行くと何をされるか分からないからだ。
 それから純菜は飲み物だけ飲んで、朝食はお昼にでも食べると告げて自室に戻る。そうしてベッドに倒れた純菜は、睡魔に誘われるがままに眠りに就いたのであった。


 お昼過ぎに目覚めた純菜は、朝食の残りとお弁当まで平らげたら、歯磨きをしながら晴美の部屋をコッソリと覗き見る。晴美は眠ったままだったので純菜は静かに自室に戻り、またベッドに横になった。

「まだ口の中が変な感じ……」

 昨夜のキスがいまだに頭から離れない純菜。一時は想像力がアップしたと無理矢理納得はしたのだが、よくよく思い出してみると体温や味のような物も感じていたからだ。
 だが、いくら考えても答えが出る訳が無い。なので分かる問題から消化しようとスマホを握った。

「やっぱりこの漫画のサブキャラだ……でも、顔が違った気がするな~」

 服装や髪型はヤンキー漫画のキャラで一致していたから納得しようとしたけど、まだ謎が残る。こちらは自分のキャラ設定が甘かったのでは無いかという事で落ち着いた。

「ま、気になる事はあるけど、あの感触を自由自在に操れたら、夢の中がまた楽しくなるわね。今日は推しをいっぱい登場させて……ムフフ。早く夜にならないかな~?」

 今は寝起きで眠気が無い。今宵の夜を楽しむ為に、純菜は推しのイケメン画像を見続けて夜を待つのであった……
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