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第二十四章 アメリカ大陸編其の三 南米で遺跡発掘にゃ~
693 マチュピチュ観光にゃ~
しおりを挟む「はは~」
「「「「「はは~」」」」」
マチュピチュに住む長の老人に続き、原住民は何故か土下座。
「にゃにしてるにゃ?」
「シラタマ殿は太陽の化身ですじゃ~。はは~」
「「「「「はは~」」」」」
「猫って言ってるにゃろ~~~!!」
どうやらわしが、マチュピチュの全容を見たいが為に風魔法で霧を晴らしてしまったから、このように神を崇めるような事をしてるっぽい。太陽の化身とか言われるとアマテラスが夢に現れそうなので、マジでやめて欲しい。
「わしは猫の国の王、シラタマにゃ~! 歓迎の宴でも開けにゃ~~~!!」
なので、正式な立場を教えて偉そうにしてみた。
「王? シラタマ殿は、王様なのですか??」
すると老人は王様に反応したので、わしは不思議に思う。
「王様にゃんて、ここに居るにゃ?」
「はい。首都に居るはずなんですけど……」
老人の話は長くなりそうなので、身の上話はストップ。どこか見晴らしのいい所でお茶しながら話そうと言って、この神殿のバルコニーに連れて行ってもらった。
そこにはびっちゃびちゃの椅子やテーブルがあったので、水分は全て水魔法で除去。人数分の椅子は無かったから、わしの次元倉庫から出したテーブルと椅子に、コリスとオニヒメを座らせる。
あとは、老人がお茶を用意してくれるらしいが、時間が掛かりそうなので次元倉庫から飲み物を配膳。お昼が近かったので、昼食やデザートも出してあげた。
「うまっ! ブッーーー!! にがっ!?」
「落ち着けにゃ~」
老人はがっついて昼食を食べてコーヒーを吹き出していたので、飲み物はコーン茶に変えてあげた。
「うちのお茶より美味しいですね」
「我が国自慢の料理人が入れてくれたからにゃ。それよりにゃんだったかにゃ~……あ、そうそう。王様の話だったにゃ」
「かなり昔の話なのですが……」
老人の話ではおよそ六百年前、突如山の下に黒い森が生まれ、首都との連絡が取れなくなったとのこと。それからマチュピチュに滞在していた位の高い一族が統率し、民を守って来たそうだ。
その首都に連絡を取ろうとしなかったのかと聞くと、昔は人を派遣したが戻って来る者がおらず、数十年経つと強い獣から逃げ帰るのがやっとだったらしい。
それからは、王家からの助けが来るのを静かに待ち、今日に至ったそうだ。
「にゃるほどにゃ~。その国の名前はなんにゃの?」
「クスコ王国です。王の名はウィラコチャです」
「何代も前の名前を出されてもにゃ~……死んでるにゃろ?」
「はあ……アレから十代は代わっているでしょうから、そうでしょうね」
「それよりも、生きてる人にゃ。じいさんの名前を聞いてないにゃ~」
「あ、これは遅れまして……クシと申します」
クシの名乗りのあとに、わしももう一度自己紹介をやり直し、敵意がない事と握手を交わした。
「先も言った通り、わし達はあにゃた達に危害を加えるつもりは一切ないにゃ。にゃんだったら、クスコ王国の首都もどうなってるか見て来てやるにゃ」
「そんなことが出来るのですか!?」
「わし達は空を飛べるから楽勝にゃ~」
「空を!? やはり神様なのでは……」
「猫で王様って言ってるにゃろ~」
また神様呼ばわりされたので、すかさず訂正。下手したらアマテラスの信者を白猫教が奪ってしまうから当然だ。だから夢に出ませんように!
「ま、もう日が暮れそうにゃし、今日のところは質素に歓迎の宴にゃんか開いて欲しいにゃ~」
「そうですね……準備もありますし、盛大にするのは明日にしましょう。あ、そう言えば泊まる家が納屋ぐらいしか……いえ、私達が納屋に移動しますので、うちを使ってください!」
「家は大丈夫にゃから、無理するにゃ~」
VIP対応は嬉しい限りだが、長のクシ家族を追い出してまで使いたくない。料理はそこでいただくとして、その近くに広い空間があればなんとかなると言って案内してもらった。
そこにキャットハウスを出したら、また神様扱い。さっさと歓迎しろとクシの家に向かい、民族料理を出してもらった。
もちろん味はいまいちだったので、猫の国料理を出してクシ家族にも振る舞う。高級料理を食べたクシ家族はバッタバッタと倒れたが、クシには起きていてもらわないと困るので活を入れてやった。
「ご察しの通り、うちはけっこう発展した国にゃ。これ、写真と言ってにゃ。見た物をそのまま絵にした物にゃ」
「そんなことまで……こんなにウサギがいっぱい!?」
クシに猫の国のアルバムを見せてあげたら「ウサギの国の間違いでは?」と、べティみたいな事を言って来たので、黒猫ワンヂェンの写真も見せる。
でも、「これが奥方」とか言わないで欲しい。王妃はこの二人しかいないからね~? イサベレはややこしくなるから愛人とか言うな!
ワンヂェンとの仲を疑われたわしは、リータとメイバイにスリスリ。イサベレには塩対応。クシが「獣が人と……」とか言ってる時に無駄な情報を入れるとパンクしそう……ほら? 頭が破裂した。
今日はもう話が出来ないと感じ、わし達はキャットハウスに撤退するのであったとさ。
キャットハウスではお風呂と夜食。それから布団に横になってゴロゴロ。今日の出来事を語り合う。
「体調のほうはどうかにゃ?」
「いまのところ何もないですね」
「みんなはどうにゃ~?」
高山病の症状が出ていないかリータ以外からも確認を取ると、大丈夫そうでよかった。いまから下山となると面倒だからな。
「それにしても、霧が晴れてからは綺麗な景色でしたね。ここはなんと言う場所なんですか?」
「あ、言い忘れていたにゃ。ここはわしが探していた遺跡、天空都市『マチュピチュ』にゃ~」
「え? 遺跡じゃありませんよ??」
「わしの世界では誰も住んでない遺跡だったんだけどにゃ~。歴史が変わっているから、いまだ現役の街みたいにゃ」
「その歴史はどんなのだったニャー?」
「インカ帝国ってのがにゃ。スペインって国に滅ぼされてにゃ~」
メイバイの質問に応えて、元の世界でのマチュピチュの歴史を語り、夜が更けて行くのであった……
翌日は、朝食を食べていたら外が騒がしくなって来たので無視。たぶん大通りにいきなり建物が出来ていたから、住民が気になって集まってしまったのだろう。
そうして準備も済ませた頃に、ノックの音が響いたのでコリスだけ残して、わしはメイバイに抱かれて外に出る。
「おはようございます」
ノックをした人物は、思った通り長のクシ。その相手はリータに任せ、ちょうど住人が集まっているので、わし達の紹介をしてもらった。
「こちらは、猫の国のシラタマ王じゃ」
「はじめにゃして~。この子達は猫の国の王族と友達にゃ~」
クシの紹介に、メイバイがわしを掲げるようにするので恥ずかしい。それに住人は騒がしい。
しかし、自己紹介はしないと後が支えている。クシに通訳してもらい、リータから名前を告げる。
「オオトリは、コリス王女様にゃ~」
クシの通訳のあとに、オニヒメがキャットハウスを開けると、ノシノシと歩く巨大な白いリスが……
「コリスだよ~」
「はい?? 昨日は幼い女の子だったような……」
「こっちが元の姿にゃ。かわいいにゃろ? みんにゃにも怖くないと説明してにゃ~」
「ホロッホロッ」
わし達がコリスを囲んで撫で回すと、コリスはご満悦。それを見てかどうかわからないが……まぁ十中八九、王族だからクシが通訳してくれた。
「歓迎会は夕方になるのかにゃ?」
「はあ……いやいや、その大きなリスは!?」
「さっき紹介したにゃろ。コリスにゃ」
「危険は……」
「そうにゃ! わしからもプレゼントがあったにゃ。ちょっとそこ開けてにゃ~」
クシは今ごろコリスについて聞いて来たので、ここは必殺話逸らし。住人がどいてくれた場所に、10メートルオーバーの黒い獣を出してあげた。
「こ、こんな大きな獣を狩れるのですか!?」
「まぁにゃ。てか、ここの人では無理にゃの?」
「よくてこの半分ぐらいがやっとです。運ぶのも大変ですし」
ふ~ん……黒い獣を倒す術は持っておるんじゃな。ただ、狩り場は山を下りないとダメってことか。
「ま、これで宴は盛り上がるにゃろ?」
「はい! 有り難う御座います!!」
とりあえずクシはコリスの存在を忘れてくれたので、畳み掛ける。捌けるかと聞いたら余裕とまではいかないようなので、わしがある程度解体。コリス以上に驚かれたが、うまい肉にありつけるから怖がられている感じはない。
それからマチュピチュ観光をしたいからガイドを頼んだら、神官だと紹介を受けた中年男性が案内してくれるとのこと。
楽しそうに宴の準備をしている住人の横を抜け、わし達はマチュピチュ観光を始めるのであった。
歩きながら神官には、マチュピチュの事を矢継ぎ早に質問。どうやらこのマチュピチュは神殿の意味合いが強く、その次は王族や貴族の保養地として使われていたそうだ。
建設の方法は詳しく知らないようなので、あとで詳しい人を紹介してくれる事になったから、わしはウキウキ。謎の多いマチュピチュの事を詳しく聞けるのだから、楽しくって仕方がない。
リータ達は念話でわし達の話を聞いていたようだけど、途中から飽きて念話は切っていた。それでも、わし達の暮らしとは違うので、写真を撮ったりこれは何かと喋って楽しそうにしていた。
皆が楽しそうにしていたので、わしも仲間に入れてもらえるように話に入ってみる。
「どうかしたにゃ~?」
「あ、この湧水がどこから来てるか聞いてください」
「それはわしも知りたかったにゃ~!」
リータ達は水路の水が気になっていたので、神官に質問。まさかの水の引き方にわし達は驚いたが、この方法は秘密じゃ。
それから段々畑の説明を聞いたり神殿を見せてもらったが、リータ達が一番興味を持ったのは家畜。わしを差し置いて突撃して行った。
「待ったにゃ! 正面に立つにゃ~!!」
「ペッ!!」
いきなり唾を吐き掛けて来た家畜は、アルパカ。全員、さっと避けてモフリまくっている。コリス以外。
「かわいいですね~」
「この子、うちで飼えないかニャー?」
「わしが居るにゃろ~。あと、ウサギもいっぱいにゃ~」
「「「「お願いにゃ~」」」」
モフモフだらけの街に、さらにモフモフを足すのは、わしは反対。しかし、リータ達は涙目でわしをモフッて来るので、クシに聞いてみると言っておいた。
だって、そうでも言わないと終わらないんじゃもん。
「こっちのネズミもいいですよね?」
「ちっちゃくてかわいいニャー」
「コリスが居るにゃ~」
うじゃうじゃ居るハムスターにもリータ達は興味を持っていたので、コリスがかわいそう。ちょっと似てるんじゃもん。
そんなこんなで神官を連れ回し、マチュピチュ観光をしていたらあっと言う間に夕暮れ時。宴の準備も整ったと呼びに来たのでわし達は広場に出向き、ゲスト席で開始を待つ。
「え~。知らない者も居るかもしれないからもう一度言っておく。こちらにおわすお方は、猫の国のシラタマ王と、その家族の方々じゃ。ご厚意で立派な獣もいただいた。今日はシラタマ王に感謝し、盛大にもてなそうぞ!」
「「「「「おおおお!」」」」」
「それでは、シラタマ王に!」
「「「「「シラタマ王に!!」」」」」
クシの音頭で住人の全てがわしに向けてコップや肉を掲げるので、わしも現地の酒が入ったコップを高く掲げ、一気に飲み干した。
これを皮切りに、宴が始まってそこかしこから楽しそうな声が聞こえて来る。
ちなみにわし達はと言うと……
「これって、さっきのハムスターですよね……」
「うっ……あんなにかわいかったのに、かわいそうニャ……」
ハムスターが四匹も串に刺さった丸焼きを見て盛り上がれず。リータとメイバイだけでなく、オニヒメとイサベレも珍しく食べられないとギブアップするのであった。
「おいしいよ~?」
「そ、そうにゃんだ。コリスは好き嫌いがなくてエライにゃ~」
「ホロッホロッ」
コリスは特に気にならないらしく、わし達の分まで食べてくれるので、よけい食欲が減退するわし達であったとさ。
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