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07 休息
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しおりを挟む勇者が破裂した翌日、勇者は目を覚ますが、魔王が抱きついて寝ている事に気付き、再度破裂して夢の世界に旅立った。
その少し後、ベッドで寝ていた三人の女が同時に目を覚ます。
「「「ふぁ~~~……え?」」」
魔王と姫騎士は寝ている勇者の顔を見て、その先にある顔に気付いて驚き、そこにコリンナがモソモソと布団から顔を出して驚く。
皆、驚いて固まり、沈黙して長い時が流れる。
その沈黙を破る先陣は魔王だ。
「ど、どうしてお二人は、お兄ちゃんのベッドに居るのですか……」
魔王は恥ずかしいのか、徐々に声が小さくなる。
「それを言うなら、魔王殿こそ……」
姫騎士も、どうやら恥ずかしいみたいだ。
「あ! コリンナは、何をしていたんだ!」
「そうですよ! いまもお兄ちゃんに抱きついたままです!!」
お互い恥ずかしい事を隠すように、標的をコリンナに移して糾弾する。
「普通に一緒に寝てただけだけど……ダメ?」
コリンナ、悪い子。ただ寝ていただけと開き直った。コリンナのクリティカルヒットを喰らった魔王と姫騎士は、その手があったかと思い、テンションが下がる。自分より年下に、言い訳を考えていた事にも恥ずかしくなったようだ。
「それで二人は、なんでアニキのベッドに居るの?」
「それは……」
「アレだ……」
コリンナの素直な言い分はもう使えないので、年上である二人は口ごもる。そうして、情けない二人が言い訳を考えていると、救世主が現れた。
「う~ん……なに喋ってるのよ~」
昨夜、「妖精は見た」をしていて、夜遅くまで起きていたテレージアだ。勇者の胸元からモソモソと現れた。
「「「テレージア(さん)まで!」」」
何故かこんな小さな妖精まで、驚きの対象になってしまっている。
「もう~。なんなのよ~」
「なんでテレージアさんがお兄ちゃんの胸元から出て来るのですか!」
「そうだ! そんな所で寝ていて、恥ずかしくないのか!」
「オレにいいように言っておいて、なにしてるのよ!」
「はあ? なに言ってるかわかんないんだけど~」
皆、共通の敵を見付けたので、テレージアを批難するが、こんな小さな妖精に何を言っているんだか……。なかなかやまない批難の声に、ついにテレージアが怒り出す。
「うるさいわね~。言っておくけど、あんた達の行動はずっと見てたんだからね? 誰が一番に来たか、誰が何をしたか、全部知ってるんだからね?」
「「「え……」」」
テレージアの予期せぬ反撃に、三人は固まる。
「一番先に来た子は勇者の頭をね~……」
「テレージアさん! お腹すきませんか?」
テレージアの言葉を魔王が遮るが、それは答えを言っているようなものだぞ?
「二番目に来た子はいきなり布団に潜ったわね~……」
「テレージア! オレも腹が減ったし、何か食いに行こう!」
コリンナも、さっきまでの悪い子はどこに行った?
「三番目は、見つめるだけって~……」
「テレージア! 早く食べに行こう!」
姫騎士も、焦り過ぎだ。しかし……
「あたしは食いしん坊か!」
その通り。ツッコミのボキャブラリーが低過ぎる。
「それに……そろいもそろって、このヘタレ~~~!!」
その通り。皆、何もせずに熟睡したんだから、おっさん妖精女王には物足りない。怒られても当然だ。
だが、三人を敵に回したテレージアは体を掴まれ、一緒にベッドルームから連れ出された。
残された勇者は気絶していたので、キャットファイトに巻き込まれなくて、幸せだったと言えよう。
その後、勇者も目を覚まして会議室に顔を出す。朝食はすでに始まっていたので、皆に朝の挨拶をするがテレージアしか返してくれず、不思議に思いながら空いている隅の席に腰掛ける。
勇者は夕食を食べていなかったので、用意されていた朝食をバクバク食べ始めるが、四天王のおっさん三人に、殺気のこもった目で見られ、いたたまれなくなって手を止める。
「なんで睨んでいるんだ?」
「「「………」」」
返事がない。ただ睨むだけだ。なので、勇者は魔王に問い掛ける。
「サシャ? どうしてこっち見ないんだ? 姫騎士もコリンナもどうした?」
「「「………」」」
返事がない。ただ顔を赤くして横を見るだけだ。理由がわからない勇者は、ぐふぐふ笑っているテレージアと三少女に声を掛けようとするが、笑い方が気持ち悪かったので諦める事にしたようだ。
それは正解。テレージアがこの場の空気を作ったのだからな。
テレージアは昨夜の出来事を勇者が来る前に、全部ぶっちゃけた。その結果、四天王のおっさん三人は烈火のごとく怒り、やり場のない怒りを睨むことで解消している。魔王達はと言うと、恥ずかしくて死にそうになので、勇者と目を合わせられない。
全て勇者のせいではないのに、全ての罪は勇者になってしまっているのだから、いたたまれないのは仕方がない事だ。
静かな朝食が終われば、勇者は逃げ出すように会議室を出る。元凶のテレージアはと言うと魔王に捕まって、ポイッと追い出されてしまうのであった。
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