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一章 出会い
013 新しい弾丸
クイーンアントを酷いハメ技でひたすら撃ち殺していたシモンは、15時ぐらいになったらホクホク顔。いつもならノルマの20本の矢が尽きるのは昼頃だから、相当稼げたみたいだ。
足元に積み重なった魔石を革袋に入れたらズッシリ。調子に乗って狩り過ぎたので、非力なシモンには重いのだ。
「あーしが持ったろか? 帰り道もモンスターが出るんやから、手が空いてるほうがええやろ」
「有り難い! ……今度から荷物持ちでついて来るか??」
「こんな暇なダンジョン探索はもう懲り懲りや。工房で金槌振ってるほうが性に合っとる」
「そっか~……俺も収納バッグ買おっかな~? でも高いんだよな~」
いつもの3倍は狩ってしまったからの悩み。プックは手伝ってくれそうにないので、今まで買おうか悩んでいた収納バッグを、本気で手に入れようかと悩むシモンであった。
「それぐらい即決しいや……」
まだ買うか悩んでいるので、「ケチやな~」と思いながらシモンの跡を追うプックであったとさ。
帰り道は、シモンの拳銃捌きのおかげで危なげなく進む。モンスターは多くても3体の群れしか出なかったので、5発の拳銃でもシモンのヘッドショットがあれば楽勝だからだ。
プックは「おもんな……」と思いつつ、シモンがたまにしゃがんでいるのを見て「魔石拾ってたんや」と今ごろ気付いていた。
そうしてダンジョンから出ると、冒険者ギルドに寄って魔石の売却。夕食はどうしようかと考えた結果、いつもの3倍も儲かったので、イレーナの酒場でシモンの奢りだ。
ただ、イレーナが2人の体を気遣って野菜料理ばかり出て来るので、プックはまたシモンのことをケチだと思ってた。
それでも乾杯したら、今日の実験の反省会だ。
「やっぱり数だよな~」
「せやな。5発だと、予期せぬことに対応できそうにありまへんな」
「せめて10発撃てれば、あんなにこまめに弾を込める必要ないかも?」
「10発でええん?」
シモンは無理を言ったつもりだったけど、プックはそれ以上を考えていたみたいだ。
「そんなにどうやって撃てるんだ?」
「まだ考え中やけど、今日見た感じやと、100とか200とか、バカバカ撃てるほうが戦闘に役立つように感じたんや」
「それだけ連続で撃てたら、迷宮ボスも倒せそうだけど……できるのか?」
「だから考え中やって。でも、できないことは、あーしは言わん。もうちょっと時間くれや」
そんな武器があれば、六層に進めると淡い期待を抱くシモンだが、あまり期待し過ぎるとできない時に落胆するので自重する。
「なんか他に希望ありまっか?」
「そうだな~……例えば何かで固定したら、長距離は撃ちやすくなるかも?」
「あぁ~……確かにな。でも、そんなに小さいので固定したら邪魔になるんやないか? 移動しながら撃つにはそのサイズがええやろ?」
「まぁ……そうだな。移動中は確かに小回りが利いたほうがいいな。でも、長距離はな~」
狙撃手専用武器が手に入ってから、シモンに欲が生まれる。プックとも議論になり、ひとまず回転式拳銃をもう一丁、新型拳銃の開発、それから長距離のことを考えることで話がまとまり掛けた。
「あ、そうだ。スキルレベルが上がってたんだった」
「また増えたんでっか?」
「たぶん……ん?」
プックもシモンも弾丸の数が増えただけだと思っていたけど、シモンがステータスボードを調べると難しい顔をする。
「まさか……100個とか言いまへんやろうな?」
「いや、50個だけど、パラベラム弾とウィンチェスター弾ってのを、好きなだけ選べるようになってるんだ……」
「なんでっか、そのパラベラム弾とかウィンなんとか弾とかって??」
「たぶん、今までの弾丸がパラベラム弾ってのかな? チッ。明日にならないとウィンチェスター弾ってのは貰えないみたいだ」
「さすがに見ないことには話になりまへんな」
「ああ。とりあえず、ウィンチェスター弾ってのに全振りしておく」
この話は明日に持ち越し。お互い新しい弾丸に期待して酒を飲み、シモンだけ千鳥足で帰って行くのであった。
翌日の朝、シモンはいつもの時間に起きて身支度し、キッチンでお湯を沸かしてスープを作っていたら、プックが眠そうにやって来た。
「ふぁ~。おはようさん。いつもすんまへんな」
「そう思うなら自分で作れ。お湯沸かしてスープの素を入れるだけなんだぞ」
「やろうと思ってるんやけど、いつも出遅れますねん」
1人だけ温かい朝ごはんを食べているのが気になって振る舞ってしまったシモンの負け。図らずも朝食はシモン担当になっているので、ブーブー言ってる。
メニューはいつもほぼ一緒。干し肉を入れたスープにパンだけ。たまに昨日の残りの野菜が入る程度だ。
スープが完成したら、テーブルの上に置いて各々が器に注ぐスタイル。残ったらプックのランチになるらしい。
「あ、そうそう。昨日のウィンチェスター弾っての、できてたぞ。なんかパラベラム弾の倍ぐらい長いんだよな~」
「おお~。全然形が違いますな。当たったら痛そうやな~」
食事中で行儀は悪いけど、ここには誰も咎める人はいないのでウィンチェスター弾のお披露目。形状が違うから、専用の銃じゃないと間違いなく使えない。
「とりあえず調べて見ますわ」
「ああ。10個もあればいいか?」
またしても初物なので、調査から。少し喋ってから、シモンは仕事に向かうのであった。
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