銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~

ma-no

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一章 出会い

032 勇者パーティの対応


 勇者パーティに出くわしてしばし震えていたシモンとプックであったが、シモンから立ち上がった。

「ひとっ走り冒険者ギルドに行って来る。先に帰っていてくれ」
「あーしもついてく。まだ聞きたいことあるねん」

 シモンは急いでいるのでプックは置いて行きたかったが、どうしてもついて来ると聞かなかったので、歩いて向かう。
 プックの質問とは、どうしてライフル銃を見せたのか。アレがなかったら、勇者パーティに奪われなかったのではないかと思ったらしい。

「まぁ名前を知りたかったってのはあるけど……プーシーって名前、笑われただろ?」
「せや! 笑われた! ホンマ、アイツらセンスないわ~」
「いや、リボルバーとかライフルとかのほうが、カッコイイと思うんだけど……」
「シモンはんもそっち側かい!?」

 名前の件でプックが怒り出したけど、シモンは話を戻す。

「たぶん、何を言っても取られてたって。だから傷が浅くなるように、先に取られてもいい物を出したんだ」
「確かに下手を打ったら、根刮ぎ奪われてたわな。あーしらも……でも、あの嘘はどうするん? 迷宮産じゃなかったとバレたら、シモンはんは殺されまっせ」
「まぁその辺は腹案がある。てか、あの迷宮、蒼き群雄でも最寄りの町から往復10日以上掛かったから、すぐには戻って来れねぇだろ」
「策士でんな~。ついでに時間稼ぎするなんて……いや、詐欺師??」

 プックが詐欺師扱いするのでシモンが怒っていたら、冒険者ギルドに到着。ギルド嬢にギルマスに会わせろと頼んだけど、来客中らしい。

「急ぎなんだって」
「そう言われましても、誰も通すなと言われているので……」
「さっき勇者と会ったんだよ! 急がないと、マジでこの町に被害が及ぶんだって!!」

 ギルド嬢はなかなか首を縦に振ってくれなかったので、シモンは最終手段。大声で勇者を出したら、騒がしかったギルド内は静まり返った。

「しょ、少々お待ちください……」

 勇者の名は絶大。ギルド嬢は丁寧に対応したあとは血相変えて走って行き、その数分後には、シモンとプックは応接室に呼ばれたのであった。


「お前が勇者とうた冒険者か?」

 応接室の中には、如何いかにも偉そうな人が5人もいたので、シモンたちはド緊張。この迷宮街の雄姿が揃って会議をしていたところにノコノコやって来てしまったのだ。
 ちなみに質問をしたのは、この地域を担当しているドワーフの領主。シモンは初めて見たけど、ギルマスが両手で拝んでいるから下手に出てみる。

「は、はい。さっき会いました」
「容姿を聞かしてくれるか?」

 シモンが勇者パーティの容姿を告げると、雄姿たちは「やっぱり」と言いながらゴニョゴニョやっていた。

「えっと……皆さん知っていたみたいな?」
「せや。昨日、五層に来たと報告が届いたんや」

 どうやら勇者パーティは、いきなり五層に現れたから入口の迷宮街はパニックになったらしい。
 しかし、早く伝えないといけないとそこの領主は考えて、伝書鳩や早馬便を各地に散らしてくれたので、今日はそのことを話し合おうと町の雄姿を集めていたそうだ。

「その勇者パーティは、いまは何してるんや?」
「消えました」
「消えたやと? どういうこっちゃ??」
「言葉通りです。目の前からフッと。な?」
「うん。最後にテレなんとかって言ってたで」
「ああ~。テレポなんとかって言ってたな」
「それ、テレポートじゃな~い?」
「「それそれ! それ…です」」

 領主の質問にシモンとプックが思い出していたら、魔女みたいな人が答えを言った。この魔女みたいな人は、迷宮街にある魔法学校の校長先生だ。
 その魔女いわく、勇者は町や階層を移動できるテレポートという魔法が使えると、伝承に残っているそうだ。

「どこに行くか言ってなかった?」
「あ、はい。上に戻ると」
「戻る? どうしてかしら……」
「それは俺の嘘に騙されて……」

 シモンは銃のことを隠して説明したので、領主たちは疑った目をしている。しかしギルマスは信じているようだ。

「それが事実だとして、何日ぐらい稼げると思う?」
「蒼き群雄で往復10日なんで、半分? いや、下手したら2、3日……そのテレポートってヤツの移動場所にもよるな……サイストって町は知らなさそうだったから、プラス2日ってところかな~?」
「ふむ……最短4日を目処に考えたほうが良さそうだな」
「俺の持っていた物に執着してくれていたら、もうちょっと稼げると思うけど……怒って俺のところに来るって可能性が高いと思う」
「まぁ4日も稼いでくれたんだ。助かった」

 ギルマスは感謝して頭を下げたが、心配なことはありそうだ。だが、この場で話すのを避けて領主に次を託す。

「他にはなんか言うてへんかったか?」

 領主の問いに、シモンとプックは記憶を思い出すように話し合うと、シモンが答える。

「なんだか急いでいるようでしてね。次の階層を楽しみにしているみたいな感じでした」
「となると……」

 領主たちは話し合い、三層でやりたい放題し過ぎたから、四層は勇者パーティが楽しめないように住人は外に出さなかったのではないかとの話になる。
 それは大正解。勇者パーティはその変化に気付いて、まだ対策を取れていない先の階層に急いだのだ。

「せやけど、ここを飛ばす理由はわからんな……」
「う~ん……ドワーフは好みじゃないとか?」
「「「「「ああ~……」」」」」
「シモンはん! 皆はんもなんでそんな目で見はるんでっか!?」

 勇者パーティは強姦魔の集まり。そしてここはドワーフの階層。そこを飛ばすということは、勇者パーティの好みもわかるってモノ。
 領主以外の全員が残念そうな目をするので、代表してシモンがプックに殴られるのであったとさ。
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