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三章 パーティ活動
075 謎のシモン人気
「な~んで言い返さへんのかな~?」
シモンに絡んでいたBランクパーティ風勢嚇麗は冒険者ギルドから出て行ったが、プックはまだ怒りが収まらない。
「いや、アイツらの言い分もわかるし……俺のことを知ってるヤツは、勇者パーティを撃退したなんて信じられないって」
「事実やろ~。自信、持ちいや~」
「そうどす! シモンさんは女王様に認められた人なんどすえ~」
プックとユーチェは慰めるが、シモンにはイマイチ響いてない。なのでプックはダーンのことを聞いてみた。
「アイツは自信過剰だけど、そこそこできるぞ。2年前は新人の中で、ナンバーワンの期待度だった。そこに誘われたから、俺もイロイロ助言してやったんだけどな~」
「シモンはんが思った以上に使えなかったからクビにされたんか?」
「まぁ……その後、乗りに乗っている時に冒険者ギルドの手紙を届ける仕事を任命されて、自信過剰に拍車が掛かったみたいなこと聞いたな」
「冒険者ギルドも見る目ないな~」
「風勢嚇麗もどす。シモンさんの助言も聞かないなんて、信じられまへんわ~」
プックが辛辣なことを言ったからシモンはヘコミ掛けたけど、2人で慰めてくれたから気を取り直す。
「ま、もう俺とは関わることがないヤツだ。ギルド便で満足して上を目指さないヤツの言葉なんか、気にもならないって」
シモンは大人。ダーンの言葉なんて意に介さず、冒険者ギルドを出るのであっ……
「シモンはんって、ギルド便は割がいいからって、やりたかったって言ってなかったっけ?」
「む、昔の話だ!」
「シモンさん……締まりまへんわ~」
「蒼き群雄に誘われる前の話だって~」
身から出たサビ。シモンは2人にからかわれて、屋敷に帰って行くのであったとさ。
迷宮に潜った翌日はお休み。お昼までダラダラして、銃の手入れや弾倉の補充をしていた。
「この道具のおかげで楽になったけど、やっぱり面倒だよな~」
シモンは一時期、毎日延々と弾倉の補充をしていたから、なんとかしてくれとプックに目を向けた。
ちなみにシモンが使っている道具は、とある世界ではマガジンローダーと呼ばれている弾丸の補充を楽にしてくれる物。固いバネを固定して弾を入れやすくしてくれる道具だ。
「無理やで? あーしも考えたけど、どうやっても人の手がいるわ」
「プックでもダメじゃあ、誰も解決できないか……いや、勇者パーティの誰かなら、解決策知ってるかも? 詳しかっただろ??」
「ホンマやな~。それなら聞いて来たらよろしいでっしゃろ」
「そんなことしたら殺されるだろ~~~」
やはりオートマチックは無理みたい。それを知っていそうな勇者パーティはシモンの命を狙っているはずだから、ノコノコ顔を出せるワケがない。
シモンとプックがダラダラ喋りながら手を動かしていたら、ユーチェも飽きて来たのか案を出す。
「あ、そや。弾を込めるの、格安でやってくれるところがあるかも?」
「格安……」
シモンはその手があったかと耳がピクピク動いた。
「安いなら頼んでみたいかも?」
いや、完全に格安ってワードだな。
「それってどんな人に頼むんだ?」
「孤児院どす。迷宮街は冒険者がよく亡くなるから、孤児も多いどすやろ? そこでなら人件費がかなり安くなると思うんどす」
「孤児院か~……そんな子供に安く頼むの、逆にかわいそうじゃないか?」
「そうでもありまへんで。孤児院は女王様の意向で、かなり手厚く守られてますからね。仕事を回したら、お小遣いがいつもより増えると喜んでやってくれると思うどすよ」
「へ~。俺が知ってる孤児院と大違いだな~」
シモンの知っている孤児院は、どこも経営が厳しい施設。蒼き群雄にいた時はたまに寄付とかをしに行っていたが、あまり近付きたくないみたいだ。
しかし、ここは違うみたいなので、それならばと整備が終わったら行ってみることに。プックには「相変わらずケチやな~」とツッコまれていたけど。
孤児院に行くなら、手ぶらでは気が引ける。シモンは安いお菓子を買い込んで、ユーチェが案内してくれた孤児院に入って行った。
「「「「「わあ~~~」」」」」
「ちょ、ちょっと待て。あとで遊んでやるから。な?」
「「「「「えぇ~~~」」」」」
すると、シモンは子供に囲まれて、てんてこ舞い。どういうワケか、シモンは子供に好かれる体質らしい。もしくはナメられがち?
「シモンはんが来たくなかった理由って、これのことかいな……」
「さすがエルフの英雄。大人気どすな~」
シモンが子供に群がられている間に、ユーチェが院長と掛け合って仕事を頼んで来てくれた。いまはシモンが役立たずになっているので、プックとユーチェで弾倉補充の仕方を大きい子に教え込む。
なんとかシモンが子供たちに解放してもらえたら、仕事の開始。簡単な単純作業なのだから、弾倉が40個以上あっても、大人数でやったらあっという間に終了だ。
払った額は、一般的な人の給料の4分の1程度。差し入れで買ったお菓子のほうが高いくらいだ。
「「「「「またきてね~」」」」」
「はぁ~……」
弾倉補充が終わればさっさと撤退。笑顔で手を振る子供達を他所に、シモンはトボトボ歩いて行くのであった。
「なんでこんな無愛想な男が人気なんやろ?」
「シモンさんはいい人が滲み出てるんどすよ」
いまだに信じられないプックと、全てを肯定するユーチェであったとさ。
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