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三章 パーティ活動
076 決闘
孤児院で弾倉の弾込めを子供たちにやってもらった翌日は買い出しをして、次の日に迷宮攻略を開始する。
プーシーユーは地下1階からガンガン行こう。シモン&ユーチェは半自動式拳銃でモンスターを撃ち殺す。たまにプックにも割り振り、サブマシンガンで蜂の巣だ。
そうしてプーシーユーは五層から六層に向かう時より速い速度で進んでいたから、疲れが溜まる前に地下3階の安全地帯に着いてしまった。
「シモン……?」
「ゲッ……」
そこで鉢合わせたのは、風勢嚇麗パーティ。もう会うこともないと思っていたので、ダーンの顔を見たシモンは嫌そうな顔をしている。
「シモンがなんでこんなところにいるんだ!?」
「冒険者だからだろ。俺たちは向こうで野営するから、近付いて来るなよ?」
ダーンに怒鳴られても、シモンは塩対応。プックとユーチェを連れて離れると、その2人はアッカンベ~してる。
それが悪かったのか、シモンたちが野営の準備を始めたところで風勢嚇麗が押し掛けて来た。
「おい、シモン。誰のケツを追って来たんだ??」
「誰でもいいだろ。向こう行け」
「はあ? そんな不正をしてるヤツは、見過ごせないな~」
「お前な~。昔、言っただろ。安全地帯では他のパーティに大勢で近付くなと。それがマナーだ。俺が抜けたあとにベテラン冒険者に絡んで痛い目にあったの知ってるぞ。同じことを繰り返すなよ」
「うっ……あの人たちは……そ、そんなこと言ってんじゃねぇ!」
ダーンはイチャモンを付けたが、シモンのほうが押し気味。若気の至りを聞いてしまったプックとユーチェはニマニマしてる。
その顔が気に食わないと、ダーンは激昂だ。
「不正を正してやる! 決闘だ!!」
「なんでだ?」
「もう二度と不正ができないようにボコボコにするって言ってんだよ!!」
「無茶苦茶だな。怪我したら前にも後ろにも進めないじゃないか。あ、入口まで送り届けてくれるってことか?」
「なんで俺がお前たちを守らなきゃいけないんだよ!!」
「前にも言っただろ。冒険者どうしの諍いは自分で責任を取らないといけないって。責任取れないならやめておけ」
「うるさいうるさいうるさい! 弱いクセにそういう先輩風吹かすところが昔から嫌いだったんだ! 武器を構えないならやってしまうぞ!!」
口喧嘩はシモンの勝利。しかしダーンは逆ギレして気色悪い装飾の剣を抜いてしまったから、シモンは決闘を受けざるを得なくなるのであった。
プックとユーチェはその剣を見て「趣味わるっ」って馬鹿にしてるから、ますますダーンは怒ってます。
「シモンはん! やったれ~!!」
「殺しても女王様が揉み消してくれるどすえ~」
いちおう決闘だから両陣営に分かれて配置に着くと、プックとユーチェはやんややんやと応援。風勢嚇麗の仲間も応援していたが、ユーチェが物騒なことを言うからその声は止まった。
この場にいるほぼ全員がユーチェをガン見してるけど……
「おい、弓はどうしたんだ?」
そんな中、ダーンだけはその言葉に反応せずに、シモンが手ぶらで出て来たから苛立ちを見せる。
「武器、変えたんだ。いつでもかかってこい」
「ナメやがって……腕の一本は覚悟しろよ!」
開始の合図はシモンの声。ダーンは怒りに任せて斬り掛かる。
「グアッ!?」
「「「「??」」」」
しかし、次の瞬間にはダーンは呻き声をあげて剣を落としたから、風勢嚇麗は何が起こっているのかがわからない。
「シモン! 何しやがった!?」
それはダーンも一緒。両腕を垂らして怒鳴り散らした。
「この武器で攻撃しただけだが?」
シモンの早技炸裂。右の腰に差していた半自動式拳銃を素早く抜いて、2回引き金を引いてダーンの両肩を撃ち抜いたのだ。
「汚ねえヤツだな……」
「俺が飛び道具専門ってのは知っていたはずだけどな。そもそも昔、どんな相手でも侮るなと教えただろ? 俺をあの頃のままだとナメ過ぎたのが敗因だ」
「クッ……ふざけやがって……お前たち! シモンを殺せ~~~!!」
すでに決着はついているのに、ダーンは仲間を頼る。だが仲間は、ダーンが無茶苦茶なことを言っているから動きが鈍い。
「プック。ユーチェ。4号持って来い」
「はいな~」
「はいは~い」
風勢嚇麗がモタモタしている内に、3人は武器を装備。シモンはアサルトライフル。その後ろでプックとユーチェはサブマシンガンを構えた。
「俺が撃ったら、足元にな?」
「「ラジャー!」」
「お前たち! そこを一歩も動くなよ!!」
シモンが怒鳴ったあとに、マシンガン掃射。シモンが風勢嚇麗の足元をガガガガっと削るように撃つと、プックとユーチェも続いた。
「「「「「あわわわわわ……」」」」」
運良く跳弾は一発も当たらず。それでも風勢嚇麗の足元を素早い何かが一瞬に何十発と通り過ぎたからには、驚かせるには充分だ。
「というワケだ。俺が殺そうと思えばいつでも殺せたこと、絶対に忘れるなよ?」
「「「「「はい……」」」」」
これにて、お仕置きは終了。シモンたちは銃を肩に担いで野営場所に戻るのであった。
野営場所にシモンとプックがテントを張っている間に、ユーチェが料理。買い出しの時からこれは決まっていたけど、シモンとプックは心配なのかチラチラ見てる。
そうしてどちらの作業も終われば、ドッキドキのディナーだ。
「「あっ……美味しい……」」
「だから言ったやないどすか~」
意外や意外。ユーチェは料理が得意らしく、栄養面も味も完璧。まだ疑っていたのかと、シモンだけポコポコ叩いてる。
これだけ美味しいのだから、あっという間に完食。食休みにお茶を飲みながら、さっきの決闘について喋っていた。
「いや~。やっぱりシモンはんは強いな~」
「武器のおかげだけどな。そしてズルイ。知らなきゃ避けようもないって」
「そんなことありゃしまへんよ。あない正確に当てられるのは、シモンさんだけどす」
「そうそう。あーしなんか、シモンはんを蜂の巣にするかもしれないとドッキドキやったんやからな」
「ウチも~。当たらんくてよかったどす~」
「敵は後ろにもいたのか……」
シモンも今頃ドッキドキ。命中率の悪いプックと粗忽者のユーチェを後ろに立たせるのは、今後気を付けようと心に決めたシモンであったとさ。
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