銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~

ma-no

文字の大きさ
80 / 150
三章 パーティ活動

080 プーシー8号


 プーシーユー初の迷宮ボス討伐が終わると、プックのストレスが完全に発散されたらしいので、製作活動に勤しむ。
 その間、シモンとユーチェは迷宮に潜ってパーティ資金稼ぎ。日帰りができて、稼げるモンスターを探していた。

 クイーンアントを見付けたからそこに陣取ろうとしたシモンだったが、ユーチェが倒してしまうとスキルのアイテム自動回収が使えないことにすぐ気付いた。
 ならば魔石を回収したらいいかと考えたが、蟻地獄のド真ん中に行くのは怖い。ユーチェに取りに行かせるのもかわいそうなので、結局は地下2階でも大物が出る場所を周回して稼ぐことにした。

 休日は、全員同じ日。プックは休む気が起きないのか鍛冶場に行こうとしていたから、シモンたちに止められていた。騒音は高級消音アイテムを使っているから大丈夫だけど、働き過ぎだもん。
 その休日は各自自由行動になっているので、シモンは「ちょっと出て来る」と言ってから、夜中にそ~っと帰って来た。

「どこ行ってたんや?」
「プック!?」
「クンクン……香水の匂いがするどす……」
「ユーチェも!?」

 でも、プックとユーチェがまだ起きていたので、シモンはビックリ。前も後ろも塞がれてしまっては逃げ道もない。

「別に俺が休日に何をしようと自由だろ?」
「確かにそうやで。でも、ちょっと出て来ると言って、何時間経っとると思ってるんや」
「嘘はあきまへんわ~。いかがわしい店に行かんでも、ウチがおるのに~」
「そんな店、行ってないし!!」
「「逆ギレ……」」

 シモンが声を荒げたので、有罪。プックは説教し、ユーチェが体をシモンにくっつけるから、プックの説教は追加だ。

「だからエルフさんにクラブに連れ込まれただけだって~。感謝されまくって断れなかっただけなんだって~」
「これ、ありえるか?」
「あるかも? 疎開してたエルフは戻っておるし」
「それにしては長すぎへん?」
「鼻の下を伸ばしていたのは、目に見えますな~」

 シモンの言い訳、2人に届く。潜伏していた村でもよくあったことだから、信用に値するみたいだ。

「セーフ……」

 ただし、事実はちょっと違う。シモンはご無沙汰だったから娼館に足を運び、楽しんだ帰りに色街を歩いていたら、エルフ嬢の客引きに捕まってクラブに連行されたのだ。
 エルフ嬢とも楽しく飲めてごまかせるなんて一石二鳥。シモンはこの手は使えるとほくそ笑むのであったとさ。


 プーシーユーが入口の迷宮街を拠点にしてから2週間。今日はプックから発表があると聞いたシモンとユーチェは、早めに迷宮を出て屋敷に帰って来た。
 発表は庭に作られた射撃場でとメイドに言われた2人がそこに行くと、布の掛かった大きな物の隣にプックがしたり顔で立っていた。

「ジャジャーン! プーシー8号のお目見えや!!」

 シモンたちが声を掛ける前にプックは布を引っぺがしたけど、2人は反応に困ってる。

「あぁ~……デカイな」
「うん。おっきいどすえ~」
「もっと驚いくれてもええやろ!?」

 プックの顔に「褒めてもええねんで~?」と書いていたから、2人は頑張って言葉を探したけど不発。プックに怒られちゃった。

「いや、前までのと全然形が違うじゃないか? それも、そんなの持って歩けないぞ」
「そうどす。それも同じ物なん??」

 シモンとユーチェがこんな反応だったのは、初めて見る物だったから。ライフル銃を6個も束ねたような物だから仕方がない。だが、この質問はプックは待っていたのか、嬉しそうに説明する。

「これは固定して使う武器やねん。連続使用回数は、なんと千発! これさえあれば、迷宮ボスもあっという間に挽肉でんがな~!!」

 プーシー8号とは、とある世界でいうところのガトリングガン。プックは凄い物を作ってしまったと大興奮だ。

「う、うん。凄いな……それ、誰が補充するんだろ……」
「あっという間に千発もって、そのためには何時間かかるんやろか……」
「何ネガティブなこと言っとんや! 戦力増強なんやで!!」
「そ、そうだよな。俺たちはなんだかんだ言って、一発の火力は小さいもんな。そこを補えるのは大きい」
「せやろ~? とりあえず、撃ってみいや」

 プックの考えに納得したシモンは、さっそく撃たせてもらう。

「うお~! はやっ!? もう的が砕け散った。ちょ、もう100発出たんじゃないか!?」

 すると、発射速度があまりにも速すぎるから、シモンもやっと興奮。消音アイテムのおかげで相変わらずプシュップシュッとしか音は鳴らないが、振動は今までの銃と比べて段違いだ。
 しかしこのままでは試射だけで千発使いそうなので、シモンは慌ててハンドルを回すのを止める。ユーチェにも撃たせて、合計300発近くは使い込んだ。

「ホンマに凄い攻撃力どす~」
「これの弾って、箱じゃなくてベルトみたいなんだな」
「箱やとどうしても制限があるからな。あとからでも繋げて使えるようにしてみたんや」
「てことは、理論上は永遠に撃てるってこと??」
「せやな。耐久度はやってみないとわかりまへんけど……てへ」
「試作機か……」

 初めての物は、全て試作機。プックは本当は大きい弾丸のウィンチェスター弾で作りたかったらしいが、弾が余っているパラベラム弾で様子見したみたいだ。

「このままだとパラベラム弾は、全てプックに消費されそうだな……」
「そんなことありまへんって~。てか、スキルレベル上がって、1日に貰える弾の数は増えとるから大丈夫なんちゃう?」
「いや、六層に来てから1回も上がってないんだ。100個で終わりなのかな~?」
「そうなん??」

 六層でもかなり戦っているのに、スキルレベルが上がらないのはおかしいと考えるプック。

「ちなみになんやけど、プーシー7号使っとる?」
「7号? ……そういえば試射で使った切りだな……」
「それや! ウィンチェスター弾を使った時も、久し振りにレベル上がったとか言ってたやろ!? バックショット弾も使わなあかんやん!!」
「あっ!!」

 スキルレベルが上がらないのは、シモンの好みのせい。弾が余っている拳銃か遠距離に強いアサルトライフルばかり使っていたからだ。

「でも、俺、遠くから狙うほうが得意なんだよな~……安全だし」
「あーしはスキルレベルの話をしとんのや!」

 ショットガンは接近戦に強い銃。シモンが乗り気じゃないので、プックの説教が始まるのであったとさ。
感想 0

あなたにおすすめの小説

ポテチ ポリポリ ダイエット それでも痩せちゃった

ma-no
エッセイ・ノンフィクション
 この話は、筆者が毎夜、寝る前にボテチを食べながらもダイエットを成功させた話である。  まだ目標体重には届いていませんが、予想より早く体重が減っていっているので調子に乗って、その方法を書き記しています。  お腹ぽっこり大賞……もとい! 「第2回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしています。  是非ともあなたの一票を、お願い致します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~

ma-no
キャラ文芸
 某有名動画サイトで100億ビューを達成した忍チューバーこと田中半荘が漂流生活の末、行き着いた島は日本の島ではあるが、韓国が実効支配している「竹島」。  日本人がそんな島に漂着したからには騒動勃発。両国の軍隊、政治家を……いや、世界中のファンを巻き込んだ騒動となるのだ。  どうする忍チューバ―? 生きて日本に帰れるのか!? 注 この物語は、コメディーでフィクションでファンタジーです。登場する人物、団体、名称、歴史等は架空であり、実在のものとは関係ありません。  ですので、歴史認識に関する質問、意見等には一切お答えしませんのであしからず。 ❓第3回キャラ文芸大賞にエントリーしました❓ よろしければ一票を入れてください! よろしくお願いします。

お兄ちゃんの前世は猫である。その秘密を知っている私は……

ma-no
キャラ文芸
 お兄ちゃんの前世が猫のせいで、私の生まれた家はハチャメチャ。鳴くわ走り回るわ引っ掻くわ……  このままでは立派な人間になれないと妹の私が奮闘するんだけど、私は私で前世の知識があるから問題を起こしてしまうんだよね~。  この物語は、私が体験した日々を綴る物語だ。 ☆アルファポリス、小説家になろう、カクヨムで連載中です。  この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。  1日おきに1話更新中です。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』