銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~

ma-no

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三章 パーティ活動

091 七層での初仕事


「はぁ~……疲れた」

 王都の外に出たシモンは南にある樹海で狩りをしようとしていたのに、ダークエルフの大群に囲まれて握手を求められたので、シモンとユーチェはすでにお疲れモード。

「まだこっち見とりますよ?」

 樹海の入口に着いたら狩りができないと追い払ったけど、勇者パーティを撃退した実力が見たいからってダークエルフは木に隠れてストーキングしてるもん。

「仕方ない。撒くか」
「撒けますか? 向こうはこの森に長けているはずどすよ??」
「機動力で頑張る!」

 ダークエルフは邪魔なので、シモンは無謀な作戦。樹海の中に踏み入り、半自動式拳銃を握って獣道を走る。
 時々シモンは後ろを振り向いてユーチェがこけてないか確認するが、そこはさすがはエルフ。木々をよけて軽やかに走っていた。

 そうして爆走していたら、たまに草食獣や雑食獣を発見。それには脇目も振らず走り過ぎると、ダークエルフの何人かはもったいないと足が止まった。
 数が減ってもまだまだいるダークエルフ。次にオオカミの群れを発見したシモンは、ユーチェに指示を出す。

「こっちだ! ついて来たヤツだけ撃て!」
「はいっ!!」

 わざと音を出してオオカミに気付かせたら、シモンは急カーブ。オオカミの群れはシモンたちを追い出したが、先頭が倒れて隊列が乱れた。
 そこにダークエルフの群れが追い付き、倒すしか選択肢がなくなる。

「フゥ~……撒けたかな?」

 周りの足音が消えると、ようやくシモンは足を止めた。

「どうですやろ? エルフでも音も無しに森の中を動けるどすからね~」
「残っているのは手練れか……ま、あの大人数で狩りの邪魔をされないだけマシか。奥に向かおう」
「はい。いい森どすね~」

 ここからが本番。シモンは注意して歩き、高く売れそうな獲物を探すのであった。ユーチェは2人きりになれたから、デート気分だけど……


 樹海は奥に行くほど漂う空気が変わり、獣の種類も変わる。

「魔獣だ。魔法に気を付けろ」
「はい……って、もう倒しとるやないですか~」

 角を生やした大きなイノシシがのしのし歩いていたけど、シモンはヘッドショットで一発だから、種類が変わってもあまり意味がないね。

「てか、この大きさなら、1匹で充分な稼ぎになりそうだな」
「へ? もうお仕事は終わりどすか??」
「どうすっかな~……俺の収納バッグ、そこまで入らないんだよな~」
「それならウチが持ちます! 女王様からいいの貰ったんどす~」
「うん。まだお礼、終わってなかったんだ……」

 コルネーリア女王の感謝は階層を越える。ユーチェの収納バッグはポシェットサイズなのに家一軒分もの容量があり時間停止機能まであると聞いて、「国宝級の収納バッグだ……」とシモンはドン引きしてる。
 ちなみに今まで収納バッグのことを言わなかったのは、ユーチェが忘れてただけだってさ。

 それからシモンはユーチェと一緒に獲物を探し、単体で大きなサイズの魔獣を狙う。基本的にはユーチェに教えながらなので、ファーストアタックは譲る。
 草陰からアサルトライフルの先を出して、スコープ越しにプシュップシュッと発砲するユーチェ。残念ながらそれで倒れない場合は、シモンがヘッドショットで後始末だ。

 それでもユーチェは5体中3体倒したのだから、なかなかの腕前にはなっている。

「そろそろ帰ろうか?」
「え? もうどす? 収納バッグ、まだまだ入るどすよ??」
「だからだよ……」

 しかし、魔獣を5体倒したところでシモンはギブアップ。この大きなサイズが5体も入ったから怖くなったんだってさ。
 ただし、ユーチェは撃ち足りないらしいので、帰りに遠距離射撃の練習に持って来いの湖畔に寄ってから帰宅する2人であった。ユーチェは最後までデート気分だったけど……


 王都に戻ったシモンたちは、その足で冒険者ギルドに寄り道。シモンはコソコソ隠れて全ての魔獣を売却。でも、ギルド嬢が「すげぇ!」って野太い大声を出したからモロバレだ。
 またしてもダークエルフに囲まれて、「さすがシモン!」と胴上げ。シモンは力はからっきしだから、逃げることもできなくて何度も宙を舞ってる。

 そこまでされるとシモンも泣きそう。大声で助けを求めたら、冒険者ギルドの入口から騎士が入って来てシモンを助けてくれた。お姫様抱っこで受け止められたから、頬が赤くなってました。
 お金を受け取ってなんとかかんとか冒険者ギルドを出たら、屋敷に直行。夕食の席で今日の出来事をプックに喋ってみたら大笑いだ。

「アハハハ。あ~。おかし。騎士に助けられたって、どこのお姫様やねん。アハハハ」
「笑うなよ~。外、めちゃくちゃ歩きにくいんだぞ~」
「ウチもあんな風に、シモンさんに助けてもらいたかったどす~」

 やはりお姫様抱っこに食い付くプック。ユーチェはお姫様になりたいんだね。そんな話題を早く切り上げたいシモンは、プックが食い付きそうな話をしてみる。

「ところで新しい弾を使った武器はどうなってる?」
「今日買い出し行って来たとこなんやから、まだまだに決まってるやろ」
「触りだけ。どんなの作るかだけ聞かせてくれない?」
「秘密や。完成してからのお楽しみや」
「アレじゃないよな? 8号みたいなの。ヒント!」
「うっさいな~。秘密言うたら秘密や」

 シモン、どうやらプックが個人的な銃を作ったことが気になっていたみたい。またガトリングガンなんかを作るのではないかと、プックに聞きまくるシモンであった。

「ええ加減にせんと殴るで?」
「うっ……かなりレベル上がってるよな……」
「いまならゴブリンの頭を殴ったら、パーンや」
「「こわっ……」」

 でも、暴力に訴えられたので、紙装甲のシモンとユーチェは恐怖に震えるのであったとさ。
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