銃の知識ゼロの世界で弾丸補充スキルを授かった冒険者、Bランクパーティにクビにされる~銃を手に入れてから狙撃無双で英雄と呼ばれる件~

ma-no

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三章 パーティ活動

093 フラグ


 狩りに出たシモンたちは樹海の様子がおかしいから早めの帰宅。王都に戻ったら、冒険者ギルドに直行した。

「なんだこりゃ……」
「いっぱいどすね~」

 すると、冒険者ギルドの中はダークエルフの冒険者でごった返していたのでシモンは驚き、ユーチェはのほほん。とりあえず列に並んでみたけど、なかなか進まないでいた。

「みなさ~ん! 質問には後日答えますので、買い取りを先にやらせてください! いま、調査隊も要請しましたからね~?」

 そんな中ギルド嬢の大声が響き、列が動き出した。シモンはやっとかと思いながらゆっくりと前に進み、買い取りカウンターまで到着したら今日の収獲を見せた。

「今日も大猟ですね」
「ああ。他のパーティも大猟に見えたけど、何かあったのか? この時間にこんなに人がいるのも珍しい」
「それは~……あまり話し込んでいられないので、誰かに聞いてください。大激浪だいげきろうと聞けば、わかってくれますから。では、受け取りはあちらで」
「ああ……」

 人捌ひとはけを優先するギルド嬢に急かされて、シモンたちは別のカウンターに移動。こちらでも聞いてみたら「冒険者に聞いてつかぁさい」と返されてしまった。
 いつも丁寧な口調のギルド嬢には珍しく、ダークエルフ弁のキツイ人に当たったみたい。

 しかし、ダークエルフの1人に話し掛けるのは勇気がいる。ここには大量にいるから、また囲まれて胴上げされそうだと思って。
 なのでメイドにでも聞けばいいと、屋敷に戻るシモンたちであった。


「待ってたで~! ちょいこっち来てや~」
「俺、メイドさんと話がしたいんだけど……」

 屋敷のリビングに入るなり、プックに捕まったシモン。力はプックのほうがかなり強いから、振り払えずに射撃場まで連行された。
 ユーチェはシモンの空いてる腕を組んでた。プックだけ組んでるのが羨ましいんだとか。

「これでどないや! たぶん、かなり撃ちやすくなってるはずやで~」
「ああ……また一段とゴツくなったな……」
「ウチ、持てるかな~?」

 今回のは完全に試作機なので、プーシーの名は付かず。銃身はアサルトライフルより長く、先端がT字になった無骨なデザイン。とある世界ではスナイパーライフルや対物ライフルと呼ばれている物に近い銃となっている。

「三脚は伸縮自在やから、立ってでも寝転んででも撃てるようになってるで。まぁせっかくやから立って撃ってみよか」
「ああ。しっかり肩に当ててと……」

 シモンはスナイパーライフルの横にあるトリガーを力強くガチャンと引いて、照準を鉄の盾のど真ん中に合わせたら、息を整えてから引き金を引いた。

「おお……これぐらいなら耐えられるか。初めてブレずに撃てたな」
「ホンマか? ようやく次に進めるわ~」

 鉄の盾を貫通する威力は、すでに確認が取れていたので喜びはナシ。それよりも狙った所に撃てたことに安堵するシモンとプック。そこにユーチェも加わりたいのかウズウズしてる。

「これで完成ってことやんな~? ウチにも撃たしてや~」
「いいけど……めちゃくちゃ反動キツイぞ? 大丈夫か??」
「シモンさんがいけるなら、ウチもいけますって~」

 シモンとユーチェの力と防御力はだいたい同じくらい。確かにそれは見比べているから、シモンがしっかりとレクチャーして撃たせてみる。

「キャッ! いた~い」
「ちゃんと肩に密着しろと言っただろ。それが緩かったんだ」
「もうええどす……」
「練習ぐらいせえや」

 でも、痛みが走ったのでユーチェはやりたくなくなり、プックが冷めた目でツッコムのであったとさ。


 スナイパーライフルの試作機は、ほとんどシモンが練習したら日が暮れて来たので終了。ここでメイドに質問があったと思い出したけど、晩ごはんを食べてからだ。

「大激浪ですか……」
「ダークエルフなら誰でも知ってると言っていたけど、話し辛いことなのか?」
「そういうことではなくてですね。少し心配で……」

 メイドいわく、大激浪とは迷宮で起こるスタンピードと似たような現象。数十年に一度、目の前の樹海から魔獣が津波のように押し寄せることからそう呼ばれているそうだ。

「あ、そういうことか……だから王都は要塞みたいな作りになっていたんだ」
「はい。ここで出来うる限り多くの魔獣を殺すために、陛下も陣取っているしだいです」
「えっと……指揮を執るってこと?」
「いえ。王都は壊滅的被害を受けますので……」

 大激浪は勇者パーティが滞在している時は王都を守り切れたらしいが、約半数は勇者不在だった為、王都は破壊されたとのこと。その後、魔獣は散り散りに走って町や村を襲い、数日から1週間ほどで力尽きて倒れるそうだ。
 もちろん王家の血は残さなくてはならないから、次期国王や王族の子供は大激浪が届かない地で暮らすことにしているらしい。

「ま、まぁ、まだ大激浪が起こるとは決まってないんだろ?」
「ですね。冒険者ギルドと騎士団が調べてからの発表になると思います。勘違いは10年に一度はありますから、杞憂に終わるかもしれませんね」

 聞くことを聞いたら、メイドには感謝の言葉を掛けてシモンたちはシモンの部屋に集合だ。

「なあ? これって絶対来るヤツじゃない?」
「うん。勇者パーティが召喚されてるってのも怪しい限りやな」
「フレズベルクも勇者パーティが召喚された年に多いようなこと、聞いたことあるどすえ」
「「それはバッドニュゥゥ~~~ス!!」」

 シモンとプックが怪しんでいたら、ユーチェからのアンサー。2人は確信に変わったよ。

「ちょ、ちょっと待てよ……もしかしてだけど、フレズベルクって勇者パーティが倒す予定だったのかも?」
「ああ~。ありそうでんな。邪神の嫌がらせみたいな?」
「それを倒したシモンさんとウチたち、めっちゃすごいどすな~」
「いや、そんな悠長なことを言ってる場合じゃない」

 シモンは青い顔をして続きを喋る。

「その勇者パーティ、俺のせいで下の階層に逃げちゃったんだけど……」
「うわあ! ホンマや!!」
「シモンはん、極悪人でんな~」
「アイツらが悪いんだろ~~~」

 そう。勇者パーティはシモンを怖がって八層に滞在中。なのでユーチェとプックは「やっちまった~」という顔をし、シモンは「アイツらの素行の悪さのせい」とブツブツ呟いて責任転嫁するのであったとさ。
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