国境検疫官は獣医さんのお仕事です!

寺尾友希(田崎幻望)

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二、検疫官のお仕事

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 朝露がまだ葉先に残るミカンの果樹園に、クリュアとソラ、それからソラの三つ子の弟たちの楽しげな声が響いた。

「クリュア、そっちにも白いヤツいる?」

 ソラはミカンの葉を裏返しながら幹をひとつひとつ確認し、舌打ちすると、腰にくくりつけた缶に刷毛を突っ込んだ。幹にこびりついたカイガラムシを擦り落としながら、茶色い液体を刷毛で丁寧に塗り込む。

「こっちは大丈夫そうだよ」

 クリュアはミカンの木の上、枝の間から顔を出して大きく手を振った。籠を肩にかけ、するすると身軽に枝から枝へと移動する様子は、子リスみたいだと自分で思う。
 クリュアは枝先の黄金色の実をハサミでチョンチョンと慣れた手つきで切り取っては、籠に放り込んでいく。ソラの足元にはすでに山盛りのミカンが入った籠がいくつも並んでいた。
 それを、ソラの三つ子の弟たちが小さな籠に入れ直してはキャッキャと運んでいく。

「クリュア、あんまり上の方はいいよ。危ないだろ」

「へーき、へーき! 慣れてるからね!」

 クリュアは笑いながら、重い籠を背負っているとは思えない身のこなしで、するすると幹を伝って地面に降りる。村の子どもたちの中でも、彼女の身体能力は群を抜いていた。

「はい、ちょうど食べ頃。美味しかったよ」

 クリュアが籠をソラの足元に置くと、ソラは「もう食べたわけ?」と呆れたように笑った。

「ほーんと、クリュアがいると助かる。村一番の猿だね」

 ソラの足下で籠からミカンを取り出していた三つ子たちが、「さるー」「クリュねえちゃんおさるー」「うきー」と楽しげにはやし立てた。 
 頬を膨らませたクリュアが「むきー」と威嚇してみせると、三つ子たちは手に手にミカンを持って「さるが怒ったー」「おさるー」「うきー」と選別小屋にいる両親の元へと逃げて行った。

「まったく、だれが猿よ。私は栗の鼬、かわいいフェレットが名前の由来なんだから」

「はいはい。カイ兄ちゃんは海の狸、ビーバーだっけ? 君たちの父ちゃん母ちゃん動物好きだよね。僕なんて空豆からとってソラだよ」

「いいじゃない空豆。美味しいし」

「空に憧れても空に行けない空豆は、きっぱり木登りは諦めて、すばしっこいフェレットに任せるよ」

「ソラは昔から木登り苦手だもんねぇ」

 苦笑を浮かべたクリュアは、ふと視線をソラの手元に移した。ソラの手には、去年まではなかった茶色の刷毛が握られていた。

「ソラ、それ何かの薬? さっきから木に縫ってるみたいだけど……」

「ふふん、気付いた? 僕謹製の除虫剤だよ。唐辛子とニンニクと、あとヨモギと木酢液。それに特性ブレンドの薬草が少々」

「へぇ、凄いじゃない」

 クリュアは興味津々でソラの腰にある缶に顔を近づけた。

「うへぇっ!」

 無警戒ににおいを吸い込んだクリュアは、鼻を押さえて飛び上がった。

「な、なにこれ、鼻が痛い!」

「だから言ったでしょ。唐辛子とニンニクだって。蜜柑の木には無害だけど、虫も人も寄り付かないよ」

「うわ、目まで痛い!」

 クリュアは涙目になりながら鼻を押さえ、ソラをじとっと睨んだ。ソラは肩をすくめて笑う。

「効くんだよこれ。今まで買ってた除虫剤より、僕が作ったほうが効くし」

「……ソラ、ほんと凄いね」

「まあ、うちは農家だしね。必要は発明の母ってやつ」

 ソラは照れくさそうに頭をかく。クリュアはそんなソラの横顔を見て、少しだけ複雑な気持ちになった。
 クリュアだって子どもの頃から両親や兄のように獣医になりたかった。けれど、クリュアは何しろ考えるより動く方が得意だ。頭が良くて、色々と研究するのが好きなソラのほうが獣医に向いているんじゃないかと時々羨ましくなる。

 ふたりはしばらく黙々と作業を続けた。ソラの三つ子の弟たちも戻ってきて、両親にもらったアメをクリュアに見せびらかしつつ、ミカンを運び始める。
 そのうち一人が「ふわぁ」とあくびをして、「寝るね」「昼寝してくる」「ねむー」と去っていった。

 その後もクリュアはミカンの木の間を行き来して収穫し、ソラは除虫と木の手入れをしたり、果樹園を荒らすホリネズミを捕まえる罠を仕掛けたりしていた。
 三つ子がいなくなると急に静かで、鳥のさえずりと、葉擦れの音。遠くの方で行商が何かを売っている声まで聞こえた。
 クリュアは一番高い木の一番高い枝に腰かけた。そこからは、遠くカイリが働く国境砦が見える。

「……ねぇ、ソラ」

「ん?」

「お兄ちゃん、大丈夫かな」

「カイ兄ちゃん? ……まあ、見た目は野良犬だけど、ちゃんと仕事してんでしょ」

「でもさ、最近、帰ってくるの遅いし、いつも疲れてるし……『獣医は体力勝負だ』って言って、昔はよく一緒に鍛錬したり、稽古つけてくれたりしたのにさ、最近は全然だし」

 クリュアは手近なミカンの実をもぎながら、口を尖らせた。

「君ら、いったい何と戦う気? 患畜? 気絶させて治療するの? 獣医ってそういうもんだったっけ?」

「獣医は保定が八割、人間みたいに大人しく診せてくれないから、まずは動けないようにするのが大事だってお兄ちゃん言ってたよ」

「……現役の獣医が言うなら、そう、いう、もの、なのか?」

 半信半疑で首を傾げたソラは、その後ボソッと「クリュアがフェレットより猿寄りな理由が分かった」とつぶやいたので、クリュアはソラの頭の上に傷物の青いミカンを落としてやった。
 見事に命中して、ソラが「いだっ」と頭を押さえたので溜飲を下げる。
 ひとが真面目に相談しているというのに、なんつうことを言うのだ。

「とは言っても、お兄ちゃん、獣医は獣医でも検疫官でしょ? 国境の砦で、通過する動物が病気じゃないか検査をする仕事だって言ってたけど」

「昨日のカイ兄ちゃん、泥だらけで血もついてたよね? 常識的に考えて、検疫官ってそんなに泥まみれになるもの?」

「……ならないってソラも思う、よね。やっぱり」

 クリュアは木の上から地面のソラを見下ろす。

「もしかして、お兄ちゃん、獣医以外の仕事もやらされていたりするのかな? 軍の仕事とか、危ないこととか」

「……危ないって、魔獣と戦ったり?」

 クリュアは枝の上で勢いよく立ち上がった。

「そうだ、いっそ、辞めちゃえばいいんじゃない!? お兄ちゃん、昔から無理し過ぎちゃう性格だし! 一人で仕事背負い込んでるんだよきっと!」

「いやいや何言ってんの。国の役人だよ? 簡単に辞められっこないじゃん。それにカイ兄ちゃんはクリュアのために頑張って働いてるわけだし」

「それならなおさら、私のために無理して欲しくないよ!」

 拳を握ったクリュアの声は、激情を抑えるように少し震えていた。
 ソラはしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。

「……じゃあ、確かめに行こう」

「え?」

「カイ兄ちゃんがどんな仕事してるのか、実際に見に行こう。国境の砦まで」

「え、でも、軍の施設だし、一般人が入っちゃダメでしょ?」

「もちろん忍び込むんだよ。猿のクリュアならできるんじゃない?」

 ソラはニヤリと笑った。クリュアも、「誰が猿よ」と言いながらも思わず笑い返した。

「うん、そうだね、ぐだぐだ悩んでるなんて私らしくなかった! やらない後悔よりやって後悔、行ってみよう!」

 ふたりは作業を手早く片付け、収穫したミカンをソラの家の納屋に運び込んだ。三つ子は干し草の上で爆睡していて、ソラのお母さんが大きな鍋でミカンのジャムを作っていた。

「どうしたの、ソラ、クリュアちゃんも?」

「ちょっと出かけてくる」

「今日の分の収穫は終わったから! おばさん、ソラ借りるね!」

クリュアは手早く荷物をまとめ、ソラは除虫剤や道具を几帳面に片付けた。

「終わった?」

「ん。忍び込むなら、こっちの裏道から行こう」

 ソラは果樹園の奥にある小道を指差した。そこは国境へと続く、今は誰も使わない古い道だった。
 ふたりは背を低くして、遠目からは見えないように草むらを抜けていく。ソラの果樹園から国境砦まではそう遠くない。ふたりの足で二十分ほどだ。途中、砦の物見台に立つ見張りの兵士や、軍の馬車の御者の目に入らないよう、物陰を選びながら進む。
 けれど途中、森が途切れ、点々と低い灌木の茂みがあるだけの見晴らしの良い場所があった。

「クリュア、行ける?」

「ふふ、任せてよ!」

 クリュアは地面を蹴って、素早く茂みと茂みの間を駆け抜ける。途中、急な斜面や倒木もあったが、クリュアは上手く体を隠しつつ、向こうの森へと到達した。そこからスルスルと木に登り、身を隠しながらも砦の様子を伺い、ソラに『来い来い』と合図を送った。
 クリュアのマネは到底出来ないソラは、体を低くして普通に走り抜けた。

「クリュアってば、ほんとにすごいよね。僕じゃ絶対追いつけないよ」

「ふふん、これくらい朝飯前よ!」

 クリュアは笑いながら、先を行く。

 国境砦は、石造りの高い壁と、鉄の門。物見台には兵士が立ち、周囲を警戒していた。砦の周囲には、見慣れない大型のケージや、軍馬がひく馬車もちらほら見えた。

「どうする、ソラ? 正面からは無理だよね」

「横の方に通用口があるんだってさ。家の畑にバイトに来る兵隊さんが前に言ってた」

 ソラは低い声でささやき、クリュアを案内する。ふたりは砦の脇へと回りこみ、正面よりは低い壁に設置された小さな扉を見つけた。

「ここだよ。鍵はあるけど、内側にかんぬきだって言ってたから……クリュアならいけるでしょ?」

 ソラがニヤッと笑ったので、クリュアも胸を叩いて笑い返した。

「もちのろんよ。任せなさい。ただ、手は貸してよね」

 扉を背にしたソラから、クリュアは距離を取る。
クリュアの行動パターンを熟知しているソラは、両手をしっかりと組み、しゃがみ込んだ。

「せーのっ」

 クリュアは小さく息を吸い、助走をつけてソラに走り寄る。
 ソラの組んだ手に片足を乗せた瞬間、ソラがぐっと全身の力を込めて押し上げた。  クリュアはさらにソラの手のひらを蹴り、体を空高く持ち上げる。
 クリュア一人なら到底届かない壁の上に、右の指先が届いた。石壁を蹴り、指の力だけで体を持ち上げると、体をひねってすとんと内側に着地した。

――よかった、誰もいない。
 胸をなで下ろしたクリュアは、慎重に内側のかんぬきを外し、ソラを手招いた。

「ありがと。まさかほんとにいけるとは……猿が仲間にいて良かった」

「猿じゃないって言ってんでしょ。そもそも無理そうだと思ってるならやらせないでよ」

「いやクリュアなら人外だしワンチャンいけるかなって」

「勝手に人間やめさせないでくれる?」

 砦の中は思ったより人気がなく、静かだった。石畳の道には、なんだか良く分からない染みが何カ所かにあった。血じゃないことを祈りたい。遠くからは、動物の声や、金属のぶつかる音も聞こえてきた。
 ふたりは物陰に身を隠しながら、奥へと進む。

「お兄ちゃんどこだろ……」

「検疫官なら、馬とかいるとこじゃない?」

 ソラの言葉にうなずき、ふたりは厩舎の方へ向かった。
 途中、檻に入れられた犬や、繋がれた羊や山羊がいた。檻の奥には、魔獣なんじゃないかと思える生き物がいたり、良く分からない大型の機械がある部屋もあった。

 厩舎の横で、白衣姿のカイリが十頭以上も並んだ大きな馬の横に立ち、軍服の偉そうな人たち数人に何かを説明しているのが見えた。

「いた……!」

 クリュアは思わず叫びそうになり、慌てたソラに口を塞がれた。

「クリュア、静かにっ」

「むぐ(ごめん)」

 ふたりは物陰からカイリの様子をじっと観察した。
 カイリは馬達のしっぽを持ち上げ、採血しているようだった。
 側ではカイリの助手らしい兵士が数人、しっぽを持ち上げたり、何かをメモしたり、試験管を用意したりしている。
 カイリはしっぽの付け根から手際よく血液を採取し、試験管に注入する。
 そこから聴診器を馬の腹に当て、しばらくあちこち触診してから、肛門から体温計を取り出して熱を確認した。
 改めて何かを説明したらしいカイリに、軍人が食ってかかった。

「三日だと!? こんな何もない場所で、ただ三日も待てと言うのか!」

「特定指定感染症四種に感染した個体が隣国で見つかったって申し上げたでしょう。例え貴方が神や総督だったとしても、非清浄国からの入国である以上、特例は認められません!」

 カイリの声も大きくなり、隠れているふたりにも聞きとれた。

「こっちは急いでるんだ。熱がないなら、感染なんてしていないだろう。私の馬はずっと元気だ、早く通せ!」

「無理です。法律で馬の検疫期間は決まっています。採取した検体に陰性反応が出、キャリアだった場合の潜伏期間が過ぎるまで――三日は通せません」

 カイリはきっぱりと言い放ち、血液の入った試験管を兵士に渡し、何か指示した。

「何を生意気な! この私の命令だ!」

「准将のご命令でも、できかねます。規則です。もし感染体だった場合、国中に感染が広がります。感染した個体はすべて殺処分ですよ! 貴方個人の都合で、国中の家畜が死ぬかもしれない!」

 カイリの声はいっそう大きくなり、砦の中に響いた。

 クリュアは思わず拳を握った。
 家に居るときの、だらしなくてヘラヘラしていて、片付けても片付けてもすぐに散らかす、あのカイリと同一人物だとはとても思えなかった。カイリの背中は真っ直ぐ伸びていて、一本筋が通っていて、いつもよりずっと大きく見えた。

「お兄ちゃん……」

「カイ兄ちゃん、かっこいいな」

 その時、物陰に隠れていたふたりの背後に、誰かが立った。

「おい、そこの子どもたち、ここで何してる!」

 振り返ると、屈強な兵士がふたりを睨んでいた。

「やばっ! 見つかった!」

「逃げよう!」

 クリュアがソラの手を引き、ふたりは厩舎に背を向け駆け出した。兵士たちの声や足音が背後から追いかけてくる。

 「こっちだ、クリュア!」

 通用門を通り抜けると、ソラが扉のすぐ横の茂みに飛び込んだ。クリュアも飛び込んで、ソラと一緒に体を低くし息を殺した。
 兵士たちの軍靴が、隠れているふたりの顔の前を通り過ぎていく。
 しばらくして、諦めたらしい兵士たちが「ああ疲れた疲れた」「子どもが入り込むなんて、誰がかんぬきを閉め忘れたんだ」「今日の見回り当番は……」などと口々に言いながら砦の方に引き上げていった。

「……ふぅ」

「ソラのおかげで助かったよ。お兄ちゃんが働いてるところも見られたし。お兄ちゃん、偉い人に逆らってまで、ちゃんと仕事してた」

「うん……カイ兄ちゃん、すげぇ」

 クリュアは胸の奥が熱くなった。

「さすがは私のお兄ちゃん。めちゃくちゃかっこ良かった。あれじゃ辞めろとか言えないよね。お兄ちゃんが、国にいる全部の動物を守ってるんだ」

「いやそれ身内の欲目っていうか、ちょっと言い過ぎ」

「なによ? 間違ってないでしょ」

「まあ、間違ってないって言えばそうかも? でもさ、確かにカイ兄ちゃんはかっこよかったけど……やっぱり、検疫官て泥まみれになったりしない仕事なんじゃないかな」 

 ソラの指摘に、クリュアははたと手を打った。

「そうだ、それを確認しに行ったんだった」

「忘れてたの? さすが猿」

「褒めてないでしょ、今のは明らかに!」

「ほらほら、声が大きい。砦の人たちが戻って来ちゃうよ」

 どうどうとなだめられ、クリュアはプンスカ怒りながら、ソラと村への道を戻った。


◇◇◇
牛小話・先日、ミシンが入院しました。その修理屋さんに酪農家だと話したところ、「乳牛って食べられるんですか?」と聞かれ「乳牛も赤ちゃんを産まないと牛乳を出さないんで、生まれた子牛の内、男の子は乳牛になれないんで肥育屋さんに売られてお肉ですね」と言ったところ、「えっ、乳牛って子牛生まないと牛乳出ないんですか!?」と驚かれました。
冷静に考えて、赤ちゃんもいないのに分泌される乳、吞みたくなくない?
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