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秘密基地
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「夏瀬ー、いい所見つけたんだ!」「いい所?」「いいから早く!行くぞ!」
葵はそう言って私を連れ出した。
少し小高い丘の上。小さな森の入り口にそこはあった。
「ここだよ!」
葵が元気よく指をさす先には、小さな鳥居がみえた。
「ここ、神社じゃん。」「そうだよ。もうすぐ見えるはず!」
小さい時の記憶を辿りながら、あの神社に向かう。小高い丘を登るのは、あの時よりも少し辛く感じた。
「はぁはぁ、着いた。」
その神社はあの時と変わらず残っていた。鳥居は少し苔がましたようだったけれど、ほとんど変わっていない。
「もうすぐだ。」
私は鳥居をくぐって振り返る。
そこには…
ぽつぽつと光りだした街の明かりを包み込むような真っ赤な沈みかけた夕日。
あの時と変わらない。初めて葵とみたあの夕日。ここに変わらない景色があることに、少しほっとした。
「わあ!すごく綺麗!」「だろ?いい所だろ?」「うん!ここ、ひみつちきにしよ!」「ひみつちき?秘密基地だろ。」
幼い私たちは、ここを秘密基地と呼ぶようになった。
そしてその日から、ほぼ毎日秘密基地で遊んだ。
日が暮れるのを忘れるくらい、夢中な頃だったんだと思う。
葵はそう言って私を連れ出した。
少し小高い丘の上。小さな森の入り口にそこはあった。
「ここだよ!」
葵が元気よく指をさす先には、小さな鳥居がみえた。
「ここ、神社じゃん。」「そうだよ。もうすぐ見えるはず!」
小さい時の記憶を辿りながら、あの神社に向かう。小高い丘を登るのは、あの時よりも少し辛く感じた。
「はぁはぁ、着いた。」
その神社はあの時と変わらず残っていた。鳥居は少し苔がましたようだったけれど、ほとんど変わっていない。
「もうすぐだ。」
私は鳥居をくぐって振り返る。
そこには…
ぽつぽつと光りだした街の明かりを包み込むような真っ赤な沈みかけた夕日。
あの時と変わらない。初めて葵とみたあの夕日。ここに変わらない景色があることに、少しほっとした。
「わあ!すごく綺麗!」「だろ?いい所だろ?」「うん!ここ、ひみつちきにしよ!」「ひみつちき?秘密基地だろ。」
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