エルフ王国~~サキュバスに落とされる国~~

XX GURIMU

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 私はエルフ王国 創立者にして女王の娘 エリナである。
 男性との性行為無しで生まれた初めてのエルフのため。ハイエルフとされている。
 母である女王様とは一月に1度か2度ほど話をすることができるが甘えたことなんか一度もない。
 生まれながらにして自意識を持っていた私は周りに教え込まれ、言われたとおりにやってきた。
 周囲の期待を一身に背負って、私はこの国の姫としての立ち振る舞いをしてきた。
 そんなある日のことだった。

「サキュバスを捕まえた?」
「はい、どうやらこの国のうわさを聞いたサキュバスでして、いかがいたしましょうか?」

 おかしなこともあるものだなと私は考えた。
 男性型の淫魔で、女性をつけ狙う インキュバスがこの国を狙うならまだ話は分かる。
 だが、男性から精を得て生き延びるサキュバスがこの国にくるのは不思議なことだ。
 この国の法では、魔物は駆除するが言葉が通じるものは一度捕縛するのが我が国の法律だ。
 ここは一度、話を聞いてみた方がいいかもしれない。

「どこにいる? 案内しろ」
「ーーーわかりました。こちらでございます」

 ・・・気にし過ぎか?
 伝令兵が少し、返事が遅れたのが気になったがそこで問いかけはしなかった。
 兜に隠れてわかりにくいが顔が赤かったので恐らくは風邪かなにかの病だろう。
 案内された後に今日は休暇にし、ゆっくり休めと命令を出せばいい。

 ーーーコツコツ

 どうやら、サキュバスを地下の牢獄でとらえたらしい。
 いつもなら城に入れる、ましてや地下などは目が届きにくいところに捕虜を入れておくのは間違いだ。
 重罪人でもない限り、ここは使われないのだが今回は地下から侵入したとのことだった。

「それにしても、まさか結界をすり抜けるやつがいるとは」
「え、ええ。彼女はすごい魔力を持ってましたが侵入したが最後、結界によって魔力を奪われたみたいで、そこを私が捕らえることに」
「そうか。大儀である。だが、案内したら今日はもう休め。体がふらついておる」

 はいと伝令兵は答えた。
 先ほどよりも息が上がっており、時折体をびくつかせている。
 回復の魔法を使うべきかと考えたがここで魔法など使ってしまえば話に出た結界が発動し、たちまち私の魔力が封じられることになるのでここはグッと我慢した。
 それからしばらくして、サキュバスが捕らえられている牢獄に到着した。

(このものがサキュバスか)

 本でそういう魔物がいるという知識はあったが目にするのは初めてだった。
 鉄柵越しにサキュバスの服装を眺める。
 ド派手な桃色の長髪をしているがそれよりも服装が気になった。
 町の踊り子たちよりも布面積は少なく、もはや大事な部分しか隠れていない。
 機能性は高そうだが、私は絶対に着たくないと思った。
 扇情的な裸体を隠すどころか見たものを魅了するための布でしかない。
 じろじろと服装を観察しているとふとサキュバスと目が合い、サキュバスの目が怪しく光った。


「あなたが、この国のお姫様?」
「そうだ。私が女王の娘にしてこの国の姫 エリナである」

 私は胸に手をあてて高らかに名乗った。
 そう名乗った瞬間、なぜか背筋が凍った。
 何か取り返しのつかないことをやってしまったような感覚に襲われる。
 キョロキョロと周りと見渡すもサキュバスはこちらを見つめるだけで伝令兵は無言で私の隣に立っている。
 気のせいかと私は自己完結して、一つ咳ばらいをして話を試みる。

「コホン。ここはエルフ王国の地下だ。ここに侵入してきたということは何か目的があるのだろう。話してもらおうか」
「そうねえ、目的は簡単に言うとこの国かな?」
「なんだと?」
「私ね。見ての通りサキュバスなの、知っているかしら? サキュバスは人の精を糧に生きているの。ここなら女性のみでより濃密なものがいただけると思ったから侵入したの」
「ほお、女性もいけるとは知らなかったな。だが、残念だったな。ここは魔力を封じる結界を備え付けてある。貴様はまんまと罠にかかったのだ」

 どうやら、本の知識は間違っていたようだ。現実のサキュバスは女性も糧にすることができるとは。
 そうと決まればこいつの処遇は決まった。反省の色は見えないし、この国で悪さをしようとしている言質も得た。
 このまま地下に封じ込めればサキュバスは赤子同然。
 母である女王が帰ってくるまではここに閉じ込めておくとしよう。

「伝令兵」
「はい」
「このことは他の者には伝えるな。ここだけの話する」
「わかりました」

 伝令兵にも釘をさしておく。
 これで問題はないだろう。後は母である女王に報告し、任せよう。

「はあ、はあ」
「あら、顔が赤いわよ。もしかして風邪でも引いてるの?」
「だ、黙れ」

 だが、それにしても熱い。額に汗を感じ、ぬぐい取る。
 もしかすると、伝令兵の病がうつってしまったのかもしれない
 ここは早めに退散するとしよう

 最後に捕らえられたサキュバスをじっくりと見つめて、私は地下から出て自室に戻った



「はあはあ、熱っっつい」

 本格的にやばそうだ。
 思考が定まらなくなってきた。
 途中でメイドたちが私のことを心配してくれて駆け寄ってくれたのでしばらくはこの部屋と伝令兵にも近づくなと伝えておいたので、これで病が拡散することを防げるはずだ。
 ベッドに倒れるようにもたれこむ。

「ふく……邪魔だ」

 姫として貫禄があるこの服も今は邪魔だった。
 外聞なんてお構いなしに私は服を床に投げ捨てる。
 確か、外敵から身を守る機能が備わっていたはずだが意味をなさなかったみたいだ。
 肌寒くなった私はベッドの中にもぞもぞともぐりこんだ。
 こういう時は、豪勢な大きいベッドでよかったと思う。
 私はミノムシみたいに丸くなり、寝転がる。

「はあはあ」

 それにしてもあのサキュバスはなんだったのだろう。
 瞳に焼き付けられた、サキュバスを思い出す。
 あの誘っているかのような体が私の欲情を奮い立てる。
 同じ女性同士。いや、性行為する必要などない。
 性欲としての知識はわかっている。今まで一度たりとも必要だとは思わなった。
 こんなことを思い浮かぶのは間違っている。でも、私の手を止めることはできなかった。

「はうっ!」

 自身の乳房と股に手を伸ばした。
 あんまり大きくなく、かわいげのない胸だが感度がよかった。体が火照る夜には乳房をいじるととても快感で私はいつのまにかそこを慰めるようになっていた。
 股についてもそうだ。ある日、椅子に座るのに失敗をした時、痛みを上回る何かを感じそれが習慣となり今に至る。
 今日も今日とて、私は誰かに命令されたかのように無我夢中にいじくりまわした。

「あ、はぅ、ああ。あぁ!」

 気持ちいい。時折、電流が走るような快楽が訪れるがそれでやめたりなんかしない。
 むしろ、もっともっと気持ちよくなろうと手をせわしなく動かす。
 そんな中だった。

「あら、いい感じになってるわね」
「っ!!?」

 誰もいないはずの部屋から声が聞こえた。
 布団から頭を出して、声が聞こえた方に目を向けた。
 そこには、地下にいるはずのサキュバスと部屋に戻っているはずの伝令兵がいた。

「ああ、ああ。ご主人様~」
「こらこら、おとなしくしなさい」

 伝令兵は先ほどまで身に着けて鎧などは脱ぎ捨て、裸の状態でサキュバスの腰にすがっていた。

「お、お前はサキュバス! どうやって⁉ いや、それよりもそやつに何をした‼」

 あそこから抜け出すことは外部から手を加えたとしても不可能なはずだった。
 伝令兵はカギを持っておらず、持っているのは私と女王様だけ。女王様がかかわっている?いや、それは違う気がする。

「あら、覚えてないのね?」
「な、なにがだ」
「あなたが、開けてくれたんじゃない」
「っ!!?」

 そういわれたとき、その光景が頭によぎった。
 そうだ、地下から出る際にサキュバスをじっくり見つめている中で私はしっかりとカギを開けた記憶がしっかりとある。
 なぜ、今まで思い出すことができなかったんだ⁇

「ご主人様。早く~、もっともっと、踏んでください」
「あら、卑しいワンちゃんだこと」
「きゃふ~~」

 私が一生懸命、考えている中で目の前は二人は仲睦まじい姿を見せる。
 おねだりをした伝令兵がサキュバスに自身の股を踏んでもらっていた。
 そこからは洪水のように液が流れるも、伝令兵は嬉しそうだった。

 そこで私は気が付いた。

 そうだ、サキュバスには魅了する魔法を持っているはずだ。あの場所でどうやって私たちにかけたかはわからないが、恐らく正解だろう。
 今、こうして自分で考えることができるということは私は魅了が解けている。
 まだ伝令兵を救い、サキュバスをもう一度あの場所に入れることができるはずだ。
 私はサキュバスに気付かれないように魔法の詠唱をはじめ―――

「さて、そろそろ可哀想だし、あなたもこっちに来たら?」
「ふざけるな。どうして」
「だって、さっきからずっと布団が動いているわよ?」
「なっ⁉」

 言われて気づいた。
 サキュバスが現れたからずっと私は自分では気づかないまま体を慰めていた
 気づいてしまうとどんどん私の痴態がさらされる。
 口はよだれでダラダラだし、股の洪水して、ベッドが濡れている。
 呑み込み、隠そうとするも体が動かない。

「さあ、いらっしゃい。エリナ」
「あ、ああ」

 甘美な声が聞こえ、抗えない。
 私はゆっくりと布団から出て、サキュバスのもとに歩き始める。

 一歩、一歩、歩くたびにふとももに愛液が流れ出る。
 体が私の命令に背き、サキュバスの腰に縋りついた。

「ほら、エリナ。かわいがってあげるわ」
「は、はいい」

 そんな言葉が口から音を出す。
 大丈夫だ。私はまだ、意識がはっきりしている。
 ならば、いつか反撃のチャンスがあるはずだ。

 だから、今はサキュバスとの情欲に溺れるのも悪くない、はずだ。




 あれからしばらく、伝令兵とともにサキュバスとの情欲に溺れていた。
 すべて、あとちょっとあと少しだけと思ってしまった自分の弱さが招いた結果だ。

「ほら、ほら。頑張らないと私―――飽きちゃうわよ?」
「ま、待ってください。あなたも頑張って」
「ひ、姫。も、もう私」

 伝令兵が私のことを様呼ばわりしなくなるほどの密の時間を過ごしている。
 直接的な奉仕は飽きてしまったのかだんだんマニアックな性行為が多くなった。
 今はサキュバスが召喚した植木鉢にどうどうとまっすぐ太い触手に、私たちは股をこすり合わせて、サキュバスが眺めるのを楽しんでいた。
 触手の直径はふともも程度の大きさだが、長さは私の顔まであり、秘部に入ることはないが二人で一つにこすり合わせているため伝令兵と胸がこすったり、時折、キスまでしていた。
 気のせいか、私たちの愛液が棒を伝って、土に流されるたび位に少しずつ太くなっている気もする。

「あ、ああ‼」

 そんなことを考えていると伝令兵が今日何度目かわからない快楽に達していた。
 自重しない大きな胸は激しく揺れ、無我夢中なのだろう触手を超え、手が私に抱き着いてきた。

「あなた、それは―――ああ!!」

 抱きしめられた圧力で、触手に接触し、私も達してしまう。
 恐らくだが、この触手には女性を強制的に絶頂させる成分が含まれている。
 そのせいで奉仕すれば奉仕するほど簡単に絶頂を迎えてしまう。
 いつもよりもはるかすごい快楽の電流がほとばしる―――が気絶することはなかった。
 なぜなら、サキュバスがこの空間を支配し、私たちの達した精を貪っていた。

「いいわね。やはり、おいしいわ。見込み通り」
「は、はぅ」
「ご、ごめんなさい。姫―――わん!」

 伝令兵はまた、秘部を棒にこすり始める。
 それを見て、気力を振り絞ってそれを真似する。
 現状、伝令兵はサキュバスの犬となっている。いくら、快楽を得て達したとしてもすぐに泣き声をあげてご主人様に褒めてもらおうと努力する。
 まずい、状態になっている。私自身、サキュバスの言葉によって、同じことをしているが伝令兵ほど落ちてはいないから、これ以上、やる行為はためらいが生まれて、見抜かれてしまうかもしれない。
 早く終わらないか、そう考えているとノックの音が聞こえた。

「エリナ。いるか?」
「っ‼」

 ドアの奥から聞こえてくる声は女王様の声だった。
 誰も近づけさせないよう言っていたので、他のものは来ることはない。
 サキュバスも来訪者が来ると思っていなかったみたいで、驚いている。
 今なら、女王様に助けを求めれば助かるかもしれない。

 私は伝令兵を押しのけて、ドアに向かって全力で走った。
 度重なる情事にて、足がもつれそうになるがまだ走ることができた。
 扉を前にし、サキュバスに一瞬顔を向けると愉快な顔で笑っている。

(ここまでだ。悪しきサキュバス!)

 私は扉を開けた。
 裸のため、女王からは部屋が見えないように開けた。

「どうかしましたか?}
「ん、先ほどから姿が見えなかったのでな。少し心配になってきた」

 「それに熱があると聞いて」と果物の入ったカゴを渡してくれた。
 受け取り、助けを求めようと声をあげようとしたその時だった。

「ひゃん!」

 サキュバスが私の足元に先ほどの触手の小さいの召喚していた。
 秘部をくすぐるようにうねうねと動いて、もどかしい。

「おい! 本当に大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。もういいですか?」
「そうか。息も荒げているし、本当にしんどいのだな。今日の公務はこちらで何とかするから。体調がよくなるまで部屋でゆっくりしなさい」
「はい。ありがとうございます」

 ダメだ。ダメだ。ダメだ。イキたい。
 私の思考は一色に染まり、助けを求めることよりも快楽を選んだ。

「もう、いいかしら」
「嘘……でしょ?」

 直視しがたい現実に目覚めるも、火照る体は正直だった。
 腰から崩れて落ち、カゴから果物が転がっていく。
 全身に絡みつくように触手は私の耳を愛撫する。

「ほら、こっちに来なさい? まだ、途中なんだから」
「ワンワン!」
「ははっ」

 なんだ、結局のところ私は無事なんかじゃない。
 犬になっていないだけで私は完全にサキュバスの手のひらで踊っているだけだ。
 心の奥底ではもう戻れないとわかっていたんだ。

「さあ、いらっしゃい。エリナ。もう一度、しっかりとかわいがってあげるわ」
「はい」

 地べたを這いつくばって、サキュバスの元までたどり着く。
 腰に抱き着くことはできず、足元から見上げることしかできない。

 サキュバスは人差し指をゆっくりと自分の足元に向けた。
 私にはそれがどういう意味をなすのかわかっていた。
 伝令兵も気づいたのだろう。こするのをやめてこちらに駆け寄り、跪く。
 そして、私たちは舌を可能な限り伸ばして足をなめた。

 忠誠を誓うように。




 その後、度重なる情事をなし、夜が明けた
 ご主人様は私に下僕としての証、淫紋をうなじに書き込んでくれた
 これを記されると伝令兵とパスがつながり、伝令兵がどこかでご主人様との愛欲に溺れていても私もおこぼれがもらうことができる
 無論、私も伝令兵におこぼれをやることになるが、そんなことはあまり問題ではないだろう

 ご主人様の命令で、公務を片づけていた
 騎士団長に出陣の命を出したり、書類を片づけたりとなかなかに忙しい
 そんな中で、ご主人様が「この飴玉を配れる?」と聞いてきた
 私はご主人様に頼られて、コクコクと首は動かした
 それからは無我夢中になり、城に入ることができる商人たちに飴玉を商品を買ったものに渡すように命令をしたり、お菓子屋にも混ぜるように命令した
 誰も、私の言葉を疑うことなぞせずに「はい」と答えてくれた

 ここはいい国になるだろうなと私は雑務を片づけながら考える
 ご主人様によって、愛と欲情をためらうことが今の私のようになくなるだろう
 街中で、愛に溺れて地帯をさらしご主人様の糧となる。それがどれだけ素晴らしいことか私には理解できる

 飴玉を配りだしてからしばらくして、私は久しぶりにご主人様から呼ばれることができた
 最近は伝令兵ばかりをかわいがっていたので少し不服だったからとても楽しみだ
 私は鼻歌交じりにご主人様がいる地下に入っていった

 なにもかもをさらけ出した状態で

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